最大2700Wのパワフルポータブル電源「DJI Power 2000」をレビュー!

非常に大容量のバッテリーを内蔵して事前に充電しておくことによってスマートフォン(スマホ)やパソコン(PC)などだけでなく、家電などのさまざまなを電子機器に給電して利用できるポータブル電源ですが、昨今のアウトドアブームで人気が高まっているほか、さらに災害などによる停電対策としても非常に注目が集まっています。特に災害時にはコンパクトなモデルよりもよりしっかりと使える超大容量なモデルだと安心です。

ポータブル電源もさまざまなメーカーから多数のモデルが販売されていますが、ドローンブランドで有名なDJIも昨年にポータブル電源市場に参入して「DJI Power」シリーズを展開しています。今回、そんなDJI Powerシリーズの新商品としてこれまでの「DJI Power 1000」の強化版で、より大容量2048Whで最大2700Wの高出力が可能なパワフルポータブル電源「DJI Power 2000」が2025年6月10日(火)に発売されました。

DJI Power 2000は公式Webサイト内の公式Webストア( https://store.dji.com/jp/ )のほか、Amazon.co.jp楽天市場などで販売され、価格(金額はすべて税込)はオープンながら通常価格が255,200円ですが、発売記念キャンペーンで151,800円となっています。今回、DJI JAPANより先行してDJI Power 2000をお借りして実際に試してみましたのでその模様を紹介します。

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DJI Power 2000のフロント部分

DJI Power 2000は前述通りに超大容量の最大2700Wの安定した大出力給電ができ、静音性に優れた設計(充電時30dB)となっており、さらに8層安全保護機構や超高速充電(ACにて114分でフル充電)の特徴を持つ次世代のポータブル電源です。また無停電電源装置(UPS)モードも備えており、突発的な停電時にも継続的な電力供給を実現しているので安心感があります。

内蔵されている電池はリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーで、容量は2048Whとなっており、1〜2日間のキャンプに対応できます。また一般的な利用としてはスマホなどの携帯電話では114回充電、デジタルカメラでは118回充電、ノートPCでは18回充電が可能です。さらに最大2700Wの出力で消費電力の大きな家電の利用も可能で、大型な電子レンジ(800W程度)やヘアドライヤー(1800W程度)、壁掛けエアコン(1200W程度)などにも対応できます。

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DJI Power 2000のサイド部分


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サイズ比較。左は一般的なコンパクトモデルのポータブル電源「EcoFlow RIVER2」(最大230W)

利用時間としてはコーヒーメーカーなら110分、車載冷蔵庫なら38時間、電子レンジなら2.6時間の使用が可能です。加えてスマートなバッテリー管理システム(BMS)を搭載しており、包括的な保護機能を提供し、26個の温度センサーが常に放熱を監視して45°Cの高温下でも正常に動作します。また21個のヒューズが各モジュールの回路を保護し、電力使用が安全閾値を超えると、電源供給および充電の保護機構が自動で作動するようになっています。

さらにBMSはバッテリー保護を強化するために新しいサブナノコーティングを採用しており、インバーターを保護するために新たにポッティング保護加工を採用し、雨や結露、塩水噴霧といった環境下でも安全に動作します。これにより、海辺でのキャンプや高地でのドライブ中でも安心して使用でき、難燃性材料で製造されているため、落下や衝撃による火災の可能性が低く、最大1トンの静圧耐荷重を備えています。

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コネクター部分(ACポート)

コネクターについては4つのAC出力コネクター、4つのUSB-Aポート、4つのUSB-Cポート(140W×2、65W×2)、2つのSDCポートを搭載しており、ともに同時利用が可能です。なお、USB-Cポートにて16インチMacBook Proを充電すると30分で50%まで充電可能でした。またSDCポートは同社のドローン(DJI Air3シリーズやDJI Mavic3シリーズ、DJI Inspire3、DJI Matrice)の急速充電に対応しています。

拡張性もあり、最大で10個の2048Wh加電パックまで拡張可能で、容量は最大で22528Whとなります。JI Power 2000と2048Wh加電パックを2個搭載できるキャリアとして、DJI Power Series Hand Truckが別売で用意されています。その他、LFPバッテリーは4000回のサイクル後でも80%の容量を維持する長寿命を誇り、1日1回のフル充電サイクルでも約10年間の使えることに相当します。

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コネクター部分(USB-Cポート)


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コネクター部分(USB-Aポート、SDCポート)


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DJI Power 2000と2048Wh加電パックを2個搭載できるキャリア(DJI Power Series Hand Truck)

DJI Power 2000の充電についても超高速充電に対応しており、AC充電(1500W)で114分でフル充電(80%までの充電は85分)が可能です。また充電方法としては車載充電とソーラー充電にも対応しています。なお、DJI Power 1kW車内超急速充電器を使用すると145分でフル充電、DJI Power 1.8kWソーラー、車内超急速充電器を使用すると75分でフル充電できます。二つのポートで同時にソーラーパネルを接続し、一日中ソーラー発電を利用することができます。

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ソーラーパネル(IBCPOWER 200W Foldable Solar Panel)で充電例


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ソーラーパネルからアダプター(DJI Power Solar Panel Adapter Module)経由でDJI Power 2000に充電

キャンプで利用する「ちょこっと家電」(300W)で利用例です。車載して加熱料理などで利用できます。なお、標準充電モードではほとんどの家庭用冷蔵庫よりも静かであり、発生する音は30dB未満で、安全性についてもボディー構造やセル化学からシステムソフトウェアに至るまで全体の設計において慎重に考慮されているとのことで、高度な電力管理システムを採用しているため、長期間オフにしても電力を保持しても電源を入れるとすぐに使用できます。

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ちょこっと家電の利用例

新しいスマホなど向け「DJI Home」アプリに直接接続可能で、アプリはシンプルで使いやすいユーザーインターフェース(UI)を備えており、AC出力のオン/オフをリモートで切り替えたり、パラメーターを調整したり、リアルタイムで電力状況を監視したりすることができ、ポータブル電源本体に加え、Expansion Battery 2000などのパラメーターの表示・調整も可能です。

また高出力のため、EV車の充電にも対応しています。実際に筆者の愛車である「日産サクラ」を普通充電対応ケーブルにて充電してみましたが、しっかりと充電できました。このようにDJI Power 2000は大容量で高出力のため、災害対応からアウトドアまで多様なシーンに対応できます。安全性も高い仕様になっていますので、自宅や車載など幅広く活用できますのでオススメだと感じました。

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日産サクラを充電例






記事執筆:伊藤浩一


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