ソフトバンク網がバックアップ回線の2SIMルータ

日本通信は1日、都内にて「Dual Network戦略 IoT・M2M向けMVNOサービス」の記者発表会を開催し、NTTドコモ網とソフトバンク網を切り替えて使えるデータ通信サービス「2SIMルータ」を発表した。

2SIMルータは仮想移動体通信事業者(MVNO)としてNTTドコモとソフトバンクの2つの携帯電話網を借り入れ、NTTドコモ網を主回線、ソフトバンク網を副回線として使うことで、主回線に何らかの障害が発生した場合に副回線に切り替わって通信を継続できるというもので、ATMやPOSレジ、カード決済など、IoT(モノのインターネット)やM2M(Machine to Machine)など向けとなるとのこと。

同社のMVNO事業においては「携帯事業者ができない、あるいは、やりたくない通信サービスを提供する」ものとして低廉化と多様化という方向性を示し、今回の2SIMルータは多様化のほうで実現させたサービスだ。今回はこの2SIMルータについての製品内容と発表会の模様を写真を交えて紹介していく。

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製品発表に際してまず、業務用ネットワークにはセキュリティと信頼性が必要であると説明した。セキュリティに関しては同社がドコモとL2(レイヤー2)接続をしていることから社内LANと同様の環境を提供している点と、グループ企業である日本法人コントゥアー・ネットワークス・ジャパンの米国のPCI-DSS認定を取得済みであることを説明した。また、無線専用線の信頼性に関して、万が一に備えて複数のネットワークを利用する。


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主回線のドコモ網に障害が発生したした場合、2SIMルータでは回線切断を判断してバックアップ回線に切り替わる。日本通信側ではドコモの障害についてデータセンターが把握しており回線の復旧を案内できるのだという。
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バックアップ回線に使用されるソフトバンク網だが、現在ソフトバンクとのL2接続の申し入れをしている段階であり、2SIMルータはソフトバンク網を使用したボーダフォンとのL2接続で実現。


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この2SIMルータは、これまでISDN回線で行ってきた機器の置き換えや、IoT分野での需要を狙っている。回線工事の必要がなく導入が簡単であることと、カバーエリアの広い3G回線を利用していることがひとつのメリットである。


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そしてISDN回線では月額10,000円程度掛かっていた費用を、月額3,900円に抑えられることと、ISDNの64Kbpsから150Kbpsの通信速度で利用できるメリットも提示した。


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2SIMルータに続いて、来春には2回線を常時接続し疎通確認により瞬時にバックアップ回線に切り替わる「2Moduleルータ」、さらにはIPレイヤーの不安定な挙動を検知して、回線断になる前にバックアップ回線に切り替わる「2Moduleルータ Advanced」のロードマップを発表。

2つの通信機を内蔵し99.999%の稼働率を達成する製品を柔軟な料金体系でパートナー企業に提供していくと発表した。

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2SIMルータ



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2Moduleルータ


記事執筆:mi2_303


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