2代目ARROWS Z登場!

既報通り、KDDIと沖縄セルラー電話は15日、au携帯電話の2012年夏モデルを発表しました。

今夏モデルのうち、富士通モバイルコミュニケーションズ(旧富士通東芝モバイルコミュニケーションズ)製のAndroidスマートフォン「ARROWS Z ISW13F」は7月末に発売予定です。昨冬モデルである「ARROWS Z ISW11F」の後継機種で、メーカーのキャッチコピーは“驚異の激速(ゲキハヤ)クアッドコアCPU搭載 All in one ハイスペック防水スマートフォン”とのことで、初代同様、ウルトラハイスペックであることがセールスポイントです。

発表日当日、発表会場で開発途中の実機が展示されていましたので、写真と動画でかんたんに見所をチェックしていきます。


カラーは2色

筐体はCool Black(クールブラック)とGlossy Red(グロッシーレッド)の2色。先代が4色展開であったことを思うと、少し寂しい気もしないわけでもありません。画面は約4.6インチのHD(720×1280ドット)液晶で、先代よりも0.3インチほどサイズアップしています。


待望の指紋センサーが!


プライバシー保護・解除は指紋センサーを押せばOK!


富士通と言えば、指紋センサーと、それを活かした強力な「プライバシーモード」が思い出されます。昨冬、富士通製の「REGZA Phone T-01D」でAndroidスマートフォンに初めて指紋センサーを搭載しましたが、プライバシーモードは、ソフトウェアのカスタマイズが多岐にわたることもあり、完全に実装されている訳ではありませんでした。

ISW13Fでは、「スマート指紋センサー」として、指紋センサーそのものを押し込めるようにするハードウェア的な進化だけではなく、強力なプライバシーモードも搭載されました。指紋センサーを押し込むと、本体のスリープ・解除だけでなく、プライバシーモード対応機能では、解除認証や保護有効化ができるようになっています。


プライバシーモードに対応した「NX!メール」

プライバシーモードでは、電話帳の連絡先を隠したり、指定した受信メールを隠したりすることが可能です。後者については、富士通オリジナルの「NX!メール」を利用することで実現しています。このメーラーは、Gmail、Eメール(@ezweb.ne.jp)、そのほかのEメールアカウントやSMS(Cメール)を一元管理できることが特徴です。メールアカウントごとにメーラーを切り替える、という面倒なことをしなくて済みます。また、メールの指定時刻送信予約、圏内自動送信やフォルダの振り分け機能、デコレーションメールの自動生成機能(速デコ)など、フィーチャーフォンのメーラーでは当たり前なのにスマートフォンのメーラーでは実装されていないことが多い機能が搭載されています。

なお、現行のauのAndroidスマートフォンでは、Eメール(@ezweb.ne.jp)は原則としてKDDIがauマーケットで提供している専用アプリで送受信をするようになりましたが、本機では、プライバシーモードの関係で、必ずNX!メールを通して送受信することになります。


バッテリーピクトアイコン変更機能もありますよ

プライバシーモードと言えば、対象の電話帳エントリーから電話着信があったり、メール受信があったりすると、バッテリーのピクトアイコンが変わって人知れずに知らせる機能があまりにも有名です。ISW13Fでは、それを実装する関係で、Androidスマートフォンとしては珍しいバッテリーピクトの変更機能が用意されています。デザインは6種類用意されています。

なお。T-01Dで搭載されたアプリケーションシークレット機能(NX! comfort UIをホームアプリにしている時のみ有効)やパスワードマネージャーも健在です。


本体左側面には電源ボタンとボリュームボタンが


本体右側面下部にストラップホール

本体両側面はゴツめな印象のある本体の割にシンプルで、左側面には電源ボタンとボリュームボタンしかありません。Android 4.0でOS標準機能として備わっているスクリーンショット保存機能にも対応しており、電源ボタンとボリュームダウンボタンを同時に長押しすると撮影可能です。ストラップホールは右側面下部にあります。




本体上部にはイヤホンマイク端子とマイクロUSB端子。HDMI端子は……?

本体の上部には、イヤホンマイク端子とマイクロUSB端子があります。防水・防塵のためにパッキンで保護されています。

ここで、先代、あるいは先代の兄弟機である「ARROWS X LTE F-05D」をお持ちである方はマイクロHDMI端子がないことに気が付くと思います。画面の外部出力ができなくなったのか、というとそういう訳ではありません。ISW13Fでは、マイクロUSB端子と同型状の端子を利用するMHLという規格を用いたHDMI出力に対応しています。かんたんに言うと、HDMI端子がマイクロUSB端子に統合された、ということです。MHL対応のHDMIデバイスでは、MHLケーブルで直結できます。非対応のHDMIデバイスに接続する場合は、変換アダプタや、変換機能が内包されたケーブルが必要となります。


裏ぶたはパッキン付きです


UIMスロットはマイクロタイプです


電池パックは1800mAhに

本機はIPX5/IPX8等級の防水性能とIP5X等級の防塵性能を有しています。そのため、電池パックのふたもパッキン付きのものになっています。メニューキー、ホームキー、戻るキーはAndroid 4.0搭載機ながら物理キーになっていますから、お風呂の中でも使えてなかなか便利だと思います。

本機はマイクロ au ICカード(マイクロUIMカード)を採用しています。従来サイズのau ICカード搭載機などから機種変更する場合は、UIMカードの切り替え発行が必要となります(もちろん無料です)。

電池は、クアッドコアやWiMAXによるテザリングを想定してか、1800mAhとより大容量のものとなりました。




クアッドコアでゲームも結構すごい

富士通は、以前からクアッドコア(厳密には低負荷処理用のコンパニオンコア1つ+高速処理用コア4つの合計5コア)のNVIDIA Tegra 3を搭載したスマートフォンを投入することを表明していましたが、本機はその市場投入版となります。ということで、最大1.5GHz稼働するTegra 3を搭載しています。この最大周波数は、デュアルコア稼働時の最高数値だそうで、クアッドコア稼働時は最大1.4GHz稼働になるそうです。コアをフルに活かすアプリとしては、セガの「Sonic The Hedgehog 4 Episode 2」の体験版をプリインストールしています。また、NVIDIAが提供するTegra 3を活かせるゲームを紹介するアプリ「TegraZone」もプリインストールしていて、クアッドコアを活かす素地は整っています。


独自の省電力管理アプリ「NX!エコ」を搭載


クアッドコアと聞くと、電池持ちが大問題になりそうですが、通常時は低消費電力なコンパニオンコアのみで稼働する上、高負荷処理で用いる4つのコアもON/OFFや稼働周波数制御を細かく制御しているために、基本的には先代よりも電池持ちは改善しているそうです。また、「NX!エコ」と呼ばれる独自の省電力管理機能も搭載しているので、本当に電池持ちが気になる方はきちんと設定すればより電池持ちが良くなります。


Android 4.0.3を搭載


ロック画面は案外いじられていない。通知領域のスイッチはカスタマイズ可能

OSはAndroid 4.0.3を搭載しています。ロック画面は、指紋認証を使わない場合はAndroid 4.0標準のものをベースとしたものとなりますが、マナーモード切り替えスイッチが追加されています。通知画面も、上にステータスパネルスイッチが付いたこと以外はAndroid 4.0標準です。ステータスパネルスイッチは、先代にもありましたが、本機では、12項目の中から8項目、好きなスイッチを配置できるようになりました。配列も自由です。


内蔵ストレージは11.48GB確保

内蔵ストレージは16GBと、先代の倍を確保しています。そのうち、アプリケーションのインストールなどで使える領域は展示されていた機種で11.48GBありました。結構余裕があります。


最近のアプリ一覧だけでなく、改善されたタスクマネージャも搭載

本機は、Android 4.0で搭載が推奨されているタスクボタンが搭載されていません。その代わり、ホームボタンを長押しすることで最近のアプリ一覧が表示できます。その下部にある“タスクマネージャー”をタップすると、先代にも搭載されていたタスクマネージャーを起動できます。先代は、タスクキル(アプリの終了)はできても、アプリの表示(切り替え)はできませんでしたが、ISW13Fではできるように改善されました。


ヒューマンセントリック機能も充実!

富士通と言えば、昨今は「ヒューマンセントリック機能」も結構宣伝していますが、本機でも、その機能はパワーアップして搭載されています。例えば、端末を手に持っている間はスリープしない「持ってる間ON」機能は案外便利そうです。また、富士通のハイエンドフィーチャーフォンで搭載されていた温湿度センサーも搭載し、簡易ながら周囲の温度・湿度を測定できるようになっています。

最後に、会場で展示されていた実機の起動とかんたんな操作の様子を動画でご覧下さい。



記事執筆:せう


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