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究極の全部入りスマートフォン!

既報のとおり、NTTドコモは16日、携帯電話の2012年夏モデルを発表しました。今夏モデルのうち、富士通製のAndroidスマートフォン「ARROWS X F-10D」(以下、F-10D)は2012年7月~8月に発売予定です。

昨冬モデルである「ARROWS X LTE F-04D」(以下、F-04D)の後継機種で、メーカーのキャッチコピーは“驚異の激速(ゲキハヤ)クアッドコアCPU搭載 All in one ハイスペック防水スマートフォン”で、ウルトラハイスペックであることがセールスポイント……と、どこかで聴いたことがあるのは当然で、前日に発表された子会社である富士通モバイルコミュニケーションズ製の「ARROWS Z ISW13F」(以下、ISW13F)とは兄弟機の関係で、自分もすでにレポート記事を書いています。

F-10DとISW13Fは、昨冬のF-04Dと「ARROWS Z ISW11F」(以下、ISW11F)の関係以上に類似点が多く、ぱっと見の外観も全く同じ。この記事では、発表会当日に展示されていた開発途中の実機を使って、ISW13Fとの差異と、ISW13Fの記事で紹介しきれなかった特徴的機能を中心ににレポートします。

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色は左からWhite、Black、Blue。裏面を見ると、卓上ホルダ用充電接点がない……?


筐体は、White、Black、Blueの3色です。ISW13FにあったRedがなくなり、代わりにWhiteとBlueが追加されました。白い携帯電話に拘りを持っている筆者としては、Whiteが存在することにものすごく感動しています。

また、Blueは富士通携帯電話で人気のある”シアン”系統の色味になっています。これも待っていた方がいるかもしれないですね。

本体正面のメタリック塗装部も、筐体色に合わせて変わっています。なお、どの色もつや付き加工です。指紋が目立たないように工夫はされていますが、特にBlackはそれでも指紋が目立って見えてしまうこともあるので、要注意です。

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電池パックは1800mAhで、そのものにQiが付いています。


ここで、ISW13Fとの差異として目立つのが、卓上ホルダの充電用接点が用意されていないこと。防水・防塵端末には卓上ホルダが重要なのに、と思っている方。

ご安心下さい。F-10Dでは、非接触充電規格である「Qi(チー)」に対応しています。ドコモとして「おくだけ充電」と銘打ってQi機能の普及を図っていることの一環です。

F-10Dでは電池パックにQi機能を持たせることで対応したため、単体で電池パックを別途購入し、付属の充電パッドなどQi規格チャージャーで充電しておく、という使い方も可能です。

もちろん、本体に電池パックを装着した状態でも非接触充電可能です。容量も1800mAhとアップしているので、激しい負荷のかかる作業を連続でしなければ、「NX!エコ」をはじめとするソフトウェアの改善も相まって、従来よりもバッテリー持ちは良くなっています。

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指紋センサーは待望!
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ユーザーインターフェースは基本的にはT-01Dと一緒。


指紋認証センサーと言えば、富士通の十八番な訳です。「REGZA Phone T-01D」でスマートフォンで初めて搭載されましたが、肝心の「プライバシーモード」に対応していませんでした。

F-10Dでは、同じく今夏モデルである「REGZA Phone T-02D」と並び、スイッチ付きの「スマート指紋センサー」にグレードアップし、一部のユーザー層から圧倒的な支持を集める「プライバシーモード」に対応しました。

プライバシーモードを利用する際は、別途、富士通オリジナルの「NX!電話帳」と「NX!メール」をダウンロードします。標準で入っているドコモ電話帳アプリも、プライバシーモード下で使えない訳ではないのですが、一部隠せないデータが出てしまいます。

また、NX!メールはau向けのものと異なり、キャリアメール(spモードメール)の送受信に対応していない上、spモードメールアプリもシークレットモードに対応していないため、docomo.ne.jpのメールは現状隠せません。

特にメールを隠しきれないのは、大多数のシークレットモード愛好家にとって由々しき事態です。説明員によると、特にspモードメールのシークレット対応は、T-02Dと併せて対応策を検討中だそうです。

このように、スマートフォン特有の事情も相まって、iモードケータイのプライバシーモードと比べると、まだまだ不完全です。

しかし、スマートフォンはソフトウェア的機能をアップデートで改善しやすいはずです。プライバシーモードファンの諸兄はドコモまたは富士通に積極的に“声援”を送りましょう。

なお、T-01Dでも搭載されていた、アプリシークレット(NX! comfort UI時のみ)やパスワードマネージャーなどは継続しています。

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システムキーは物理キー。この隙間に温湿度センサーが搭載されている。
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温度・湿度は専用アプリでチェックOK。


システムキー(メニュー・ホーム・戻る)キーは「富士通のこだわり」で物理キーを搭載しています。水に濡れた際の誤動作リスク軽減と、ホームキーについてはスリープ解除のトリガーとしての利用が多いという使い方に配慮した結果です。

この物理キーの隙間には、富士通のハイエンドiモードケータイに搭載されている温湿度センサーをスマートフォンとしては初めて搭載しました。専用のアプリで確認できます。

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ロック画面は、ドコモオリジナル。カメラ起動機能も追加されました。
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バージョンアップしたdocomo Palette UIも搭載。
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ホーム切り替えも可能です!


ISW13Fでは、富士通の「NX! comfort UI」とAndroid 4.0標準ホームが搭載されていましたが、F-10Dではこれらに加えて「docomo Palette UI」が搭載されています。Palette UIは、Android 4.0にあわせて、一部機能に改善が入っています。

“Palette UIは重たい”というとい声に応え、レスポンスにも配慮して開発を進めたそうです。確かに、全体的なスペックアップにも支えられて、以前のような“もっさり”の象徴的な要素が薄らいでいます。

ただし、F-10Dに限って言うと、まだ動作に引っかかりが感じられます。UIのせいなのかな、と思ってNX! comfort UIにして試してもみたのですが、ISW13Fの試作機よりも引っかかりを感じました。

なのに、プリインストールされている「Sonic The Hedgehog 4 Episode 2」体験版はすごくサクサクでスムーズに動かせることを考えるに、処理や描画制御を司るシステムソフトウェアの最適化が済んでいないことが原因と思われます。

ドコモショップでは原則としてPalette UIで展示することを考えると、このままだと素晴らしい端末の評価を下げてしまうので、ここも頑張って欲しいところです。

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OSはAndroid 4.0.3を採用。
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内蔵メモリー16GBのうち、11.48GBがユーザーエリア。


展示機のOSはAndroid 4.0.3でした。また、内蔵メモリーは16GBあり、そのうち、ユーザーが利用できる内蔵ストレージ(いわゆるROM)として11.48GBが利用可能でしたが、数値は製品版では変わることもありますので、ご注意をしてください。

最後に、起動の様子などをしたためた動画を置いておきます。



なお、ここに掲載されていないハードウェア・ソフトウェアの特徴は、冒頭でご紹介したISW13Fのレポート記事でも確認できます。あわせてどうぞ!

■関連リンク
ドコモの製品情報ページ
富士通の製品情報ページ