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以前に紹介したように世界最大の移動体通信事業者(いわゆる「携帯電話会社」)であり、中国において移動体通信事業を手掛ける「中国移動(China Mobile)」が「TD-LTE方式」による4Gサービスを提供開始している。

そんな中国移動のTD-LTEが使えるモバイルWi-Fiルーター「Huawei E5375」を中国・深圳で購入したのでレポートとして紹介したいと思う。ちなみに、中国移動で販売されているE5375はSIMフリー仕様となっていた。

◯購入情報
購入商品:モバイルWi-Fiルータ「Huawei E5375」
購入場所:中国・深圳「賽格電子廣場」(Googleマップ
購入価格:CNY 550(約9,000円)ぐらい (※別の製品とセットでCNY 800で購入したため)

購入したモバイルWi-FiルーターのE5375は基本的に旧モデル「Huawei E5732」と形状などは同一となっており、異なるのはTD-LTEに対応している点となる。

TD-LTEに非対応のE5372は、香港でも多くのお店で販売されていたほか、香港以外ではフィリピンなどでも販売されていることを確認済みだけれど、香港ではE5375を販売しているお店が見つからなかったので、深圳で購入することにした。

深圳の賽格廣場
深圳の賽格電子廣場


深圳の「賽格電子廣場」の3FはPCと接続するためのモデムやモバイルWi-Fiルーターなどを販売するお店が多数入居している。

賽格電子廣場内のとあるお店のディスプレイ
賽格電子廣場で販売されているモデムなど


興味深かったのは中国向けの製品以外にオーストラリアやインドネシアなどの移動体通信事業者の製品(モバイルWi-Fiルーターなど)も一部販売されていたことだ。

インドネシアの移動体通信事業者「BOLT!」の公式Webサイト。BOLT!は2014年4月現在、ジャカルタとその周辺でのみ利用可能となっている。

オーストラリア Telstra向けのモバイルWi-Fiルーター
オーストラリア Telstra向けのモバイルWi-Fiルーター

インドネシアのBOLT!の販売するモバイルWi-Fiルーター
インドネシアの「BOLT!」のモバイルWi-Fiルーター


E5375に話を戻すと、賽格電子廣場内のお店は基本的に英語が通じないので、中国語が話せない筆者にとって購入は一苦労する。今回は、同行していただいた香港在住の携帯電話研究家で当ブログメディア「S-MAX(エスマックス)」でも連載をしている山根康広氏の力を思い切りお借りしながら目的のルーターおよび4G LTE対応のSIMカードを入手することができた。氏には大変感謝している。

仮に自力で購入する場合は目的の型番を書いた紙を持ってお店を回って購入する……ぐらいしか方法が思い浮かばないので本当にありがたく思われた。

E5375を販売しているお店には前述のインドネシアのBOLT!の対応モバイルWi-Fiルーターも販売されていたので一緒に購入した。価格は2台合わせてCNY 800(約13,000円)で、ざっくりとE5375がCNY 550、BOLT!の方がCNY 250ぐらいとなる。

E5375の入手に続いて、TD-LTE対応のプリペイドSIMカードを探す。本当は、E5375を買ったお店でSIMカードを購入するつもりだったけれど、なぜか「利用可能になるのは来月から」と言われ、当日使いたかったので別のお店で探すことになった。そんなわけで、この辺りのお店でSIMカードを購入する場合は、利用可能になるタイミングにも注意した方が良いのかもしれない。

中国移動のTD-LTE対応のプリペイドSIMカードは同じく賽格廣場の3Fの別のお店で販売されているのを発見した。購入価格はCNY 300(約5,000円)だった。

中国移動の4G LTE対応プリペイドSIM
中国移動のTD-LTE対応プリペイドSIMカード

SIMカードに関する説明
プリペイドSIMの説明


◯説明内容
有効期限:半年間
初期残高:900元
利用料金:100元/月
通信量:2GB/月
ネットワーク:4G、3G、2Gが利用可能

サービス内容の詳細はイマイチ不明ではあったけれど、「移動4G」と書かれているSIMカードを買ったばかりのE5375に挿すと、APN設定などは不要でLTE(TD-LTE)に接続された。

中国移動の4G LTEに接続されたE37%
中国移動の4G LTEに接続されたE5375


屋内では電波が届きにくい場所も多かったけれど、電波状態の良好な屋外でスピードテストを行ったところ、以下の速度測定結果を記しておく。

◯スピードテスト結果
Ping:42ms
下り:24.61Mbps
上り:3.67Mbps

スピードテスト結果
スピードテスト結果


中国のインターネット回線なので、TwitterやFacebookなどのSNSが使えないのは不便ではあるけれど、高速な4G LTE回線がプリペイドでも利用可能になるのは有り難いなと感じた。

中国でLTEが使えるモバイルWi-Fiルーターは端末とプリペイドSIMを購入する以外にモバイルWi-Fiルーターをレンタルすることでも利用が可能だ。レンタルのモバイルWi-Fiルーターのレポートについてはすでに紹介した現地で実際にサービスを利用したレポートを参照して欲しい。
いよいよはじまった中国の4Gサービス!テレコムスクエアの「Wi-Ho!」でChina MobileのTD-LTEを試す【レポート】 - S-MAX

上記でも紹介しているテレコムスクエアのモバイルWi-Fiルーターのレンタルは700円/日と、各社の提供するローミングサービスよりも割安で利用可能となっており、700円/日で利用可能なエリアのうち、中国および香港、フィリピンなどは4G LTEに対応している機種が利用可能となっている。

記事執筆:shimajiro@mobiler


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