ソフトバンクのXperia Z4は何が違う? |
既報通り、ソフトバンクモバイルは19日、今夏以降に発売・開始する新モデルや新サービスを披露する「2015夏モデル新商品発表会」を都内で10時から開催し、SoftBank向け約5.2インチフルHD(1080×1920ドット)トリルミナスディスプレイ for mobileや64bit対応オクタコアCPU、3GBメモリーなどを搭載したハイスペックなAndroid 5.0(開発コード名:Lollipop)採用のスマートフォン(スマホ)「Xperia Z4(型番:402SO)」(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)を発表しました。2015年6月中旬以降の発売開始を予定しています。
SONYブランドの「Xperia Z」シリーズと言えば、前機種である「Xperia Z3」から日本国内でもNTTドコモ、au、SoftBankの携帯電話大手3社からのマルチキャリア展開が行われていますが、最新モデル「Xperia Z4」も3社からの発売となります。
端末メーカーが乱立し製品競争が激しかった時代はキャリアごとの端末の差別化がメーカーにも求められましたが、メーカーの淘汰が進み端末の性能も横並びとなった今、端末の供給体制にも大きな変化が現れています。本機に限らずサムスン電子の「Galaxy S6 edge」などもマルチキャリア展開の戦略を取っており、メーカーとしてのシェアの獲得とともにいかにしてコストダウンを図るのかが今後の生き残りの鍵となっています。
そういったメーカーとしての生き残りと威信を賭けた本機。今回はSoftBank版を発表会のタッチ&トライコーナーで試作機に触れることができましたので写真や動画とともに紹介したいと思います。
Xperia Zシリーズと言えば、基本性能ではもはや文句の付けどころのないハイエンド中のハイエンド。本機でもその評価は変わるとことがなく、CPUには2.0GHz駆動のクアッドコアCPU+1.5GHz駆動のクアッドコアCPUのヘテロジーニアス構成となるQualcomm製オクタコアCPU「Snapdragon 810(MSM8994)」を搭載。内蔵メモリー(RAM)も3GB搭載し、快適を超えた快適さが売りの1つとなっています。
NTTドコモ、au、SoftBankの3社からの発売で気になるのはキャリアごとの違いです。当然ながら本体性能の部分では差異はほとんどなく、キャリアサービスに依存したアプリなどでの違いという点になりますが、とくに本機では高音質通話サービス「VoLTE」に加え、SoftBankが提供する3G回線での高音質通話サービス「HD Voice」に対応しているのが最大の特徴です。
HD Voiceとは、LTEネットワーク上で高音質な音声通話を実現するVoLTEで採用された“高音質通話技術そのもの”のことを指しており、これまで日本国内ではVoLTEとともに提供が開始されたため混同しがちですが、海外などでは2Gや3Gでも採用しているキャリアが存在します。
SoftBankでは昨年12月に発売したVoLTE対応シャープ製「AQUOS CRYSTAL X」に合わせ、先行して発売していた「AQUOS CRYSTAL」でも3GによるHD Voice通話に対応し、その後も回線や端末のアップデートにより対応機種を増強。2015年夏モデルまでに本機を含めた9機種が対応することとなり、より多くの機種間で高音質通話が楽しめるようになります。
また外観ではソフトバンクのXperia Z4のみキャリアロゴがない仕様である点も、Xperia Zシリーズのコアなファンには見逃せないポイントかもしれません。
その他の外観的にはmicroUSB端子がキャップレス防水となった点も前機種から進化したポイントです。
本シリーズはこれまでイヤホンマイク端子はキャップレス防水を実現していたものの、microUSB端子はキャップ式のままでした。これが本機からキャップレスとなり、頻繁に行う充電などでキャップを外すわずらわしさから開放されることになります。
キャップレスとなって本体側面のデザインもすっきりとした無駄のないプリミティブな印象に。高級感のある金属質なデザインとともに本機の高品質感をさらに高めています。
機能ではカメラとオーディオ関連に力を入れています。カメラは従来からの「プレミアムおまかせオート」機能に料理を認識する機能を追加。料理の写真を撮る際、カメラが自動的に料理を認識して最適な画質にしてくれます。
オーディオではBluetoothによるワイヤレス伝送用の圧縮技術にソニーが開発した「LDAC」コーデックを採用。より高音質でのワイヤレスリスニングが可能となっています(対応スピーカーなどが必要です)。またハイレゾ音源にも引き続き対応しており、ウォークマンから続く「音楽のソニー」というブランドイメージを壊さない仕様になっています。
これらの機能については以下の動画でもご覧いただけます。
AndroidスマホといえばXperiaと呼ばれるほどのブランドを確立したZperia Zシリーズも本機で直系では4代目。性能面では実利用での不満がなくなったためにメーカーごとの差別化が難しくなり、さらにマルチキャリア展開戦略によってキャリアごとの差別化も難しくなった時代に如何にして特徴らしい特徴を端末に持たせるのかは、ソニーに限らず各メーカーが抱える問題でもあります。
そういった中でSoftBank向けのXperia Z4は、SoftBankだからこそ、という特徴をいくつか持った幸運な端末とも感じ取れます。1つの端末で各キャリアを自由に使い分けられるようになるSIMフリーについての議論が盛り上がっている昨今ですが、そういったSIMフリー化を見据えての購入なども視野に入れたくなる端末に仕上がっているのではないでしょうか。
◯主な仕様
機種名 | Xperia Z4 402SO |
サイズ | 約幅72×高さ146×厚さ6.9mm |
重さ | 約144g |
連続通話時間(静止時) | 4G LTE:約840分/3G:約1320分/GSM:約720分 |
連続待受時間(静止時) | 4G LTE:約550時間/4G:約510時間/3G:約590時間/GSM:約520時間 |
外部メモリー/推奨する最大容量 | microSDXCメモリーカード/最大128GB |
プラットフォーム | Android 5.0搭載 |
CPU | MSM8994 2.0GHz + 1.5GHz(オクタコア) |
内蔵ストレージ | 32GB |
内蔵メモリー(RAM) | 3GB |
通信方式 | 【国内】 4G方式:FDD-LTE(900MHz/1.7GHz/2.1GHz) 4G方式:AXGP(2.5GHz) 3G方式:W-CDMA(900MHz/2.1GHz) 【海外】 4G方式:FDD-LTE(900 MHz/1.7GHz/2.1GHz) 3G方式:W-CDMA(900 MHz/2.1GHz) GSM方式:(850 MHz/900 MHz/1800 MHz/1900MHz) |
通信速度 | SoftBank 4G:下り最大165Mbps/上り最大15Mbps SoftBank 4G LTE:下り最大187.5Mbps/上り最大50Mbps |
ディスプレイ | 約5.2インチ TFT液晶(トリルミナスディスプレイ for mobile)・最大1677万色 フルHD(1920×1080ドット) |
リアカメラ (有効画素数、撮像素子メインカメラ) | 約2070万画素/CMOS |
サブカメラ (有効画素数、撮像素子メインカメラ) | 約510万画素/CMOS |
フルセグ | ○(対応) |
メール | ○(対応) |
防水 | ○(対応) |
Flash | ×(非対応) |
Bluetooth | Ver.4.1 |
赤外線通信 | ×(非対応) |
世界対応ケータイ | ○(対応) |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac |
本体色 | ホワイト ブラック カッパー アクアグリーン |
メーカー | ソニーモバイルコミュニケーションズ |
記事執筆:あるかでぃあ
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