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ソフトバンクが自動運転バス試乗会を開催! |
ソフトバンクおよびSBドライブが都内にて12月22日に「自動運転バス」の試乗会を開催しました。同試乗会には三菱地所が提携しており、東京都千代田区にある丸の内仲通りの一角を封鎖する形での公道試乗会となりました。
同グループはここ数年、ロボット技術やAI技術の積極的な活用ととその技術発展を強く推し進めていますが、今回の自動運転バスもそういった取り組みの1つです。
用いられた車両はフランスのNAVYA(ナビヤ)製の「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」という自動運転車で、すでに国内では数回の走行テストと試験運用が行われていますが、都内の公道上で行われるのは今回が初となります。
■高度な技術を必要とする「自動運転レベル4」
ここ数年の自動車業界におけるホットワードと言えば「EV(Electric Vehicle)」と「自動運転」です。EVに関してはヨーロッパ(EU)や中国を中心に強力な改革案が提示されており、世界規模で自動車のEVおよびHV(Hybrid Vehicle)、そしてPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)への転換が進んでいます。
こうしたEV化の流れに合わせるようにして研究と技術開発が進められているのが自動運転です。一言で自動運転と言ってもさまざまな段階(レベル)があり、いわゆる自動ブレーキシステムなどはレベル1、車間距離を保ち走行車線を認識して運転補助を行う高度なクルーズコントロール技術などはレベル2などと決められており、今回のNAVYA ARMAは運転手を必要とせず走行・停止をすべて無人で行う「自動運転レベル4」となっています。
現在日本ではこの自動運転レベル4で公道を走ることが認められておらず、今回の試乗会は実証実験を兼ねたものとなりました。
NAVYA ARMAは座席数が11席、乗車定員数15名の小型シャトルバスです。全長は4.75mとコンパクトで一般的な3ナンバーのワンボックスタイプの普通乗用車程度の大きさですが、運転席がないために車内は数字以上の広さを感じます。
車両には明確な前後はなく、旋回をせずにそのまま前進・後進をして走行することが出来ます。そのため車両前後のデザインが同じになっています。
車両の位置や周辺の障害物などを把握するのには、GPS情報の他に車両前方に取り付けられたLiDER(レイダー)によるレーザースキャン方式を用いており、GPS情報を得られないビルの谷間やトンネル内などでも安全に走行ができるようになっています。
今回の試乗会も丸の内の超高層ビル群に囲まれた場所であったため、GPS情報は用いずLiDERのみでの走行となりました。
LiDERによるスキャンでは車両の周囲20m程度まで認識することが可能で、路面状況や車両、歩行者などあらゆるものを認識できます。
自動走行には最初にプログラムを行う必要があり、そのプログラム時のみ人による走行が必要となります。自動運転は人が走行させた内容をトレースするように行われる仕組みです。
実際に走行している様子や技術者による車両の解説などは以下の動画をご覧ください。
S-MAX:ソフトバンク「自動運転バス試乗会」動画1
動画リンク:https://youtu.be/-xWJfeYsv9M
S-MAX:ソフトバンク「自動運転バス試乗会」動画2
動画リンク:https://youtu.be/gLcGgWhBCDg
■安全で快適な自動運転への第一歩
ここ数年日本では高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違えによる事故や長距離バスの過労運転による事故などが相次ぎ、大きく報道されるようになりました。
こういった報道を受けるようにして一般消費者層では自動ブレーキシステムへの関心が高まり、自動車メーカー各社もその搭載を標準化するなど、社会的にも業界的にも自動運転技術の実用化と発展が既定路線になりつつあります。
一方で、自動運転レベル4やレベル5のような運転手がいない自動走行車両が事故を起こした際の責任の所在や賠償問題など、法的にも整備しなければいけない問題が山積しています。また完全自動運転への懐疑心はまだまだ根強く、技術的にまだ安全とは言えないのではないかといった議論も続いており、今後解決すべき課題として大きく横たわっています。
しかし、そういった未来を見据えた技術開発は行っていくべきであり、ソフトバンクおよびSBドライブと三菱地所が行った今回の試乗会は、大きな意味のある一歩だったのではないでしょうか。
記事執筆:秋吉 健
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