準天頂衛星システムのみちびきが11月1日より本格運用!

内閣府宇宙開発戦略推進事務局は1日、日本版GPSとも言われる準天頂衛星システム「みちびき(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)」が本格運用開始したと発表しています。これにより、これまで打ち上げた4機によって運用に必要な態勢が整いました。

また現在はアメリカ(米国)が打ち上げて運用している全地球測位システム「GPS」と併用することで位置情報が測位できますが、日本政府では2023年度をめどに7機体制に拡充し、GPSに依存しない独立測位が可能となる予定です。

同日、開始記念式典が開催され、安倍晋三内閣総理大臣も出席して「世界初、センチメートル級の衛星測位サービスが、近未来の社会を現実のものとしようとしています。」などと祝辞を述べました。

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式典に出席した安倍総理

みちびきはいわゆる「位置情報測位」を行うための衛星システムで、日本の上空に長時間とどまる特殊な軌道(準天頂軌道)を回るため、特に日本でより安定して正確な現在地測定が行えるようになります。初号機を2010年に打ち上げた後、2017年に2〜4号機の打ち上げを完了し、いよいよ11月1日から本格運用となりました。

対応機種はスマートフォン(スマホ)やタブレット、カー用品、デジタルカメラなど多岐に渡り、中でもより精度の高いモジュールを搭載する製品ではサブメータ級もしくはセンチメータ級の測位が可能となり、数センチ程度の誤差で位置がわかるとのこと。

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内閣府が公開しているスマホ・タブレットの対応機種(一部)

対応機種の一部は「みちびき対応製品リスト|利用者向け情報|みちびき(準天頂衛星システム:QZSS)公式サイト - 内閣府」にて公開されており、アップルのスマホ「iPhone」シリーズでは「iPhone 7」シリーズ以降、スマートウォッチ「Apple Watch」では「Apple Watch Series 3」以降が対応します。

またAndroidでは「Galaxy S8」や「Galaxy S8+」、「Galaxy Note8」、「Xperia XZ2」、「Xperia XZ2 Compact」、「Xperia XZ2 Premium」、「HTC U11」、「HTC U11 life」、「Android One X2」、「HUAWEI Mate 10 Pro」、「HUAWEI P20 Pro」、「HUAWEI P20」、「arrows NX F-01K」、「AQUOS R」、「AQUOS R2」、「AQUOS R compact」、「AQUOS sense plus」、「ZenFone 2」、「ZenFone Zoom」などが対応。

なお、みちびきやGPSのような衛星測位システムは、ロシアの「GLONASS」、ヨーロッパ(欧州)の「Galileo」、中国の「北斗(BDS:BeiDou)もそれぞれ運用されており、機種によってはこれらすべてに対応してより安定した位置情報取得を行っています。

特にみちびきについては長く日本上空にあるため、日本における位置情報取得を安定化させるので、11月1日以降は対応機種でより現在地測位が高速化・安定化しているのだと思われます。

AndroidやiOSなどには位置情報取得関連アプリでは各衛星測位システムごとに表示できるものもあるため、興味がある人はどの衛星を掴めているかがわかるので参考にしてみてはいかがでしょうか。

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NTTドコモ向けスマホ「HUAWEI P20 Pro HW-01K」でみちびきを捉えているところ(画像=左)およびGPSやGLONASS、Galileo、BDS、みぎびきなどの全捕捉衛星(画像=右)。アプリは「GPS Test」を利用



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内閣府の対応機種リストにはないものの、きちんと「iPhone X」も対応。アプリは「GPS View」を利用してみちびきのみ(画像=左)とすべての捕捉衛星(画像=右)を表示したところ


記事執筆:memn0ck


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