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この違いこそゲーミングスペック!SIMフリースマホ「Black Shark 2」の性能をベンチマークでチェック |
TAKUMI JAPANが6月7日に発売したSIMフリースマートフォン「Black Shark 2」(Black Shark Technologies製)。日本でもここ最近、いくつかの製品が投入されている“ゲーミング”を謳う超高性能な仕様が特徴で価格はメーカー希望小売価格で107,870円(税込)となっています。
しかしながら、高価なだけあってチップセット(SoC)にQualcomm製の現時点(2019年7月現在)における最上位向け「Snapdragon 855」搭載するほか、現状のスマホとしては最も大容量の12GB内蔵メモリー(RAM)を搭載したモンスタースペックとなっています。
そんなBlack Shark 2を入手した筆者。前回は開封して同梱や別売りの純正オプションなどの周辺機器、ゲーミングモードの紹介などをお送りしましたが、今回は本機の性能をベンチマークアプリを使って計るとともに、同時期に発売された同じSnapdragon 855搭載の他社スマホとの違いを比較して検証したいと思います。
【比較対象と使用ベンチマークアプリ】
今回のベンチマーク比較にはBlack Shark 2と同じSnapdragon 855を搭載したNTTドコモ向け最新フラッグシップスマホ「AQUOS R3 SH-04L」(シャープ製)を対象としています。これは単に筆者が所持しているSnapdragon 855搭載スマホが他にこれしかないからですが、公開されているベンチマークアプリの結果などを見る限りは通常のSnapdragon 855搭載スマホは概ねそれほど違いはないように思われますので大きな問題はないと思われます。またベンチマークの計測に用いたアプリは全体的な性能をチェックする定番のベンチマークアプリ「Antutu Benchmark」および「PC Mark」に加え、主にゲーミング向けのGPUなどのグラフィックス性能を調べることのできる「3D Mark」、そして逆に演算処理などを中心としたCPUに絞って性能をチェックする「Geekbench 4」を使用しました。
なお、ベンチマークの比較は本機に限らず、大抵の製品でも該当しますが、今後のソフトウェア更新などで状況が変わってくる可能性もありますので、あくまでも参考値として見ていただければと思います。
ちなみに同等のSoCを搭載した両製品ですが、Black Shark 2にはゲーミングモード「SHARK SPACE」があるほか、ベンチマークの結果やゲームアプリの動作に影響がありそうな仕様としてRAMがBlack Shark 2の12GBに対し、AQUOS R3は6GBであることが挙げられます。
またディスプレイの解像度もBlack Shark 2ではフルHD+(1080×2340ドット)なの対し、AQUOS R3がQHD+(1440×3120ドット)と異なる点があるため、RAMが多く解像度が低いBlack Shark 2のほうが動作速度的には有利なことも念頭に入れておきたいところです。
【Antutu Benchmarkで比較】
では、まずはじめに定番のベンチマークアプリであるAntutu Benchmarkでテストを行った結果を紹介していきます。今回の比較ではBlack Shark 2のSHARK SPACEモードと通常モード、そしてAQUOS R3でそれぞれ3回ずつ計測し、中央値(真ん中だった結果)を比較しています。結果を見て驚いたのが、Black Shark 2のSHARK SPACEモードのオン・オフに関わらずスコアに大差がないことです。SHARK SPACEモードがオンの方が1000点ほどスコアが高くなっていますが、10万点超えの世界に突入しているAndroidスマホ上位勢からすると、誤差程度の範囲でしょう。
あくまで予測の範疇ではありますが、もしかするとBlack Shark 2は通常時でもAntutu BenchmarkはSHARK SPACEモード相当の設定で動作するようになっているのかもしれません。一方で、AQUOS R3と比べると30000点ほど上回っています。このクラスになるとそれほど大きな差ではありませんが、何度計測してもAQUOS R3に対して25000~30000点ほどの差でBlack Shark 2がリードしていました。
他の人が計測した結果によるランキングを見ると、3位にもBlack Shark 2の名前があります。これは恐らくグローバル版のスコアかと思われます。あくまでも憶測ですが、スコアが国内版に比べてやや高い数値なのは日本語環境でテストしていないからではないでしょうか。
【PC Markで比較】
次はこちらも定番のベンチマークアプリであるPC Markでの計測結果となります。AnTuTu Benchmarkに比べると、PC MarkではハッキリとSHARK SPACEモードと通常モード、AQUOS R3のスコアの差が出ました。特にSHARK SPACEモード時はスコアが11000点を超えており、後述のランキングでは2位相当です。トップのMeizu 16Sは国内では販売されていないので、日本国内向けのAndroidスマホにおいては最上位の数値を叩き出したことになります。もちろん、AQUOS R3も25位相当と決して低い数値ではありませんが、さすがにランキングの上位勢に食い込むのは厳しいようです。
【3D Markで比較】
続いて3Dモデルの描画能力などGPU性能を中心にをテストするベンチマークアプリである3D Markでの計測結果です。Black Shark 2はSHARK SPACEモードでスコアの微増が見られますが、そこまで大きな違いは見られませんでした。基本スコア(Open GL)についてはAQUOS R3でも十分すぎるほどの高いスコアが確認できます。その一方で項目の「Sling Shot Extreme Vulkan」は、Black Shark 2がAQUOS R3を圧倒しており、こちらの項目はAQUOS R3は何度か測定しなおしても4300にまでは到達できませんでした。
3D Markのランキングは基本スコアにおいてはSnapdragon 855搭載スマホではどのモデルも誤差程度(誤差150点以内にひしめき合っている)で、Open GLのランキングは製品が出揃っておらずにデータ不足だったので割愛します。
【Geekbench 4で比較】
最後にCPU性能のみにフォーカスしたベンチマークアプリのGeekbench 4にてスコア比較を行いました。計測結果を並べて見て見ると、Black Shark 2の通常モードとAQUOS R3はほぼ同じで、Black Shark 2のSHARK SPACEモードではシングルコア性能が微増しているのがわかります。このアプリはRAMや画面解像度は考慮せず、CPU(SoC)の能力のみを計測するため、Black Shark 2の通常モードとAQUOS R3のスコアがほぼ同一なのは納得の結果だと思います。一方で、SHARK SPACEモードでは微増ながらも確実に数値が伸びており、ゲーミングモードとしての効果を確認することができました。
【ベンチ比較を行ったまとめ】
NTTドコモやau、SoftBankといった大手携帯電話会社向けに幅広い層でアピールしていくスマホであるAQUOS R3と、ゲーミング向け機能であるSHARK SPACEモードなどで徹底的に性能を尖らせた攻撃的なスマホであるBlack Shark 2をベンチマークで比べるのはちょっぴり酷かもだったかもしれません。しかしながら、ゲーミング特化のSHARK SPACEでのスコア結果も大事ですが、全体的な基本性能をチェックするPC Markでのスコア差は無視のできないレベルで、Black Shark 2はゲームが快適にプレイできることをめざしたスマホではありますが、普段使いでも十分体感できるほど快適かつ軽快に動いてくれるはずです。
ゲームが超快適に遊べるスマホなら普段使っても超快適に動くはずなのですから!そういった点でも普段はゲームをしないという人でもとにかくハイスペックで快適な動作を望むという人にもオススメできるスマホなのではないでしょうか。
次回は筆者の主観が多めではありますが、手持ちのゲームアプリなどを試してみたり、しばらく使ってみたBlack Shark 2の感想、まとめなどをお送りしたいと思います。
ブラックシャーク(Black Shark)
2019-06-07
ブラックシャーク(Black Shark)
2019-06-07
ブラックシャーク(Black Shark)
2019-06-07
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:AnTuTu
バージョン:7.2.2
ANDROID 要件:4.1以上
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.antutu.ABenchMark
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:UL LLC
バージョン:2.0.3716
ANDROID 要件:5.0以上
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.futuremark.pcmark.android.benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:UL LLC
バージョン:1.26
ANDROID 要件:2.2以降
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.futuremark.dmandroid.application
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:Primate Labs Inc.
バージョン:4.3.4
ANDROID 要件:5.0以上
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.primatelabs.geekbench
記事執筆:河童丸
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