ファーウェイへの制裁の猶予期間が90日間再延長! |
米国商務省(United States Department of Commerce)は18日(現地時間)、 今年5月に同省の産業安全保障局(BIS)が中国の通信機器メーカーであるHuawei Technologies(華為技術、以下「ファーウェイ」)およびその関連企業を輸出規制リスト(Entity List)に追加したことに対して米国輸出管理規則(EAR)を改正する一時一般許可(TGL)を再度90日間延長すると発表しています。
いわゆるアメリカのファーウェイに対する制裁による「ファーウェイ問題」における猶予期間で、これによってこれまで米国企業がファーウェイへの輸出を含む同社との取引について限定的に期間限定で承認する猶予が与えられていましたが、今年8月の90日感延長に続いてさらに90日間延長されて2020年2月16日(日)までとしました。
そのため、従来通りにすでにファーウェイの製品を利用している消費者や通信事業者が継続してサービスを利用したり、ネットワークの運用を行ったりするための特定の取引を米国企業とファーウェイは行え、ファーウェイでも同社のスマートフォン(スマホ)やタブレットなどに対してセキュリティーアップデートやアフターサポートを継続して実施可能となります。
ファーウェイはスマホや基地局などを開発・製造する中国の通信機器メーカーで、スマホではAppleとシェア2位を争っており、基地局などの通信インフラでもEricssonに続く世界2位のシェアとなっています。なお、通信インフラでは米中貿易摩擦が激化した直近より前はEricssonを抑えて1位となっていました。
そうした高いシェアも影響してこれまでにも度々、ファーウェイなどの中国メーカーを排除する動きがアメリカを中心に起きており、今年5月についにBISではアメリカの国家安全保障および外交政策における利益に反する活動に同社が従事していると結論付けるに足る情報を入手したとしてファーウェイおよび関連企業を輸出規制リストに追加しました。
一方でファーウェイの製品を利用している消費者や通信事業者が急に製品を使えなくなるなどの問題に配慮して、90日間の猶予期間を設けてこの間に問題解決に向けて動いていましたが、猶予期間が終了するまでに解決できなかったことから今年8月に猶予期間が90日間延長、そしてそれでも解決できなかったので今回、再度90日間延長されることになりました。
このような状況の中ですが、ファーウェイは新製品をグローバル市場で発売しており、スマホの販売台数は制裁の影響を受けない中国での伸びが大きいものの、グローバルでも増加しており、日本でも新製品の発売が延期されたりといった影響はありますが、SIMフリー市場では2019年1〜10月においてもシェアNo.1を維持しています。
とはいえ、確実に制裁の影響は出ており、最新プレミアムスマホ「HUAWEI Mate 30 Pro」などはGoogle PlayやGmailなどのGMSサービスに対応せずに販売されているほか、Google PlayやGMSがなくても今後消費者に受けいられるようにアプリ配信マーケットの強化や開発者への支援を含めたエコシステム「HUAWEI Mobile Services」の構築を急いでいます。
現状、スマホやタブレットなどの販売台数への影響は少ないこともあってファーウェイの強気の姿勢は変わらないこともあってアメリカは2度に渡るTGLの90日間延長を行っており、ファーウェイ問題のさらなる長期化が懸念されます。長引くことでアメリカとファーウェイだけでなく、関連企業を含めて打撃を受けることになるため、そろそろ解決の糸口が見つけて欲しいところです。
記事執筆:memn0ck
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