ファーウェイ問題でアメリカが標準化技術開発については規制解除!

米国商務省(United States Department of Commerce)は15日(現地時間)、 昨年5月に同省の産業安全保障局(BIS)が中国の通信機器メーカーであるHuawei Technologies(華為技術、以下「ファーウェイ」)およびその関連企業を輸出規制リスト(Entity List)に追加したことに対して米国輸出管理規則(EAR)の内容を2020年6月15日(月)より変更すると発表しています。

変更はファーウェイへの制裁がアメリカの5GやAI(人工知能)などの最先端技術開発に対して妨げとなっているとし、輸出規制リストに追加されるまではファーウェイへ開示する必要がなかった技術は輸出許可を必要とせずに標準化団体への開示が可能となるとのこと。

ただし、商用目的での開示は依然としてEARの対象であり、記録保持やその他のすべての適用される要件を満たす必要があるとしています。そのため、詳細は明らかではありませんが、例えば、ファーウェイの新製品にGMS(Google Mobile Service)が搭載できない状況は続くと見られます。

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いわゆるアメリカのファーウェイに対する制裁による「ファーウェイ問題」についてはこれまで通信事業者を含む同社製品の利用者へ多大な影響があるとして一時一般許可(TGL)によって一部認められており、この期間が過去に5回延長されて2020年8月13日(木)までとされていました。

一方で、同省では現在の5回目の延長は募集していたパブリックコメントを受けての決定であり、延長期間終了以降についてはTGLの内容が修正または廃止される可能性があると通告し、TGLに依存している場合は廃止された場合における影響を判断するための準備をして欲しいと案内していました。

合わせて同省ではファーウェイとその関連企業(HiSilicon Technologyなど)が昨年5月の輸出規制リスト追加後もアメリカの技術や設備、ソフトウェアを使用して海外の工場に生産委託することで半導体などを製造しているとし、長く運営されている直接製品ルールと輸出規制リストを修正しました。

これにより、輸出規制リストに掲載されているファーウェイとその関連企業が生産した半導体設計などの品目で米国商取引管理リスト(CCL)にある直接生産物に加え、これらの企業が設計した仕様から製造されたチップセット(SoC)などの品目で米国外で生産された直接生産物が対象となります。

そうした中で今回、昨年8月にBISが示した一般的な諮問意見はもはや有効ではないとし、アメリカが最先端技術の開発で世界のリーダーシップを譲ることなく同国の経済と国家安全保障を前進させるためとしてEARの内容を変更して技術開発については対象とならいようにしました。

米国商務省では2020年6月12日にこの措置を提案して6月15日の官報掲載によって有効とし、ファーウェイが参加している標準化団体の中で同国の行政管理予算局が通達している「Circular A-119(2016年改訂版)」で定義されている「標準」の改訂または開発に貢献する目的でEAR99に指定またはテロ対策のためにのみ管理されているアメリカの技術をライセンスなしで商業管理リスト(CCL)に公開することを許可しています。







記事執筆:memn0ck


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