総務省が楽天モバイルを指導!Rakuten Miniの周波数帯変更問題で

総務省は10日、楽天モバイルが販売するオリジナルスマートフォン(スマホ)「Rakuten Mini(型番:C330)」において携帯電話ネットワークの対応周波数帯を変更した問題に対して電波法令の遵守および利用者利益の保護の徹底に関して文書によって指導を行ったとお知らせしています。

これに対し、楽天モバイル( https://network.mobile.rakuten.co.jp/ )は同日に総務省から指導を受けたとし、利用者および関係者には心配と迷惑を掛けたとして謝罪した上で事業体制を見直して再発防止を徹底するとともに利用者へより良いサービスを提供できるよう努めていくと発表しています。

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楽天モバイルでは今年4月8日より自社回線を構築して移動体通信事業者(MNO)としての携帯電話サービスの正式プラン「Rakuten UN-LIMIT」を提供しており、楽天回線に対応した初のオリジナルスマホとなるRakuten Miniを販売しています。

しなしながら、当初案内していたRakuten Miniの対応周波数帯が途中で変更されていたにも関わらず案内していなかった上、電波法や電気通信事業法において必要な日本における認証(いわゆる「技適」)のマークが正しく表示できていないことが明らかとなりました。

これを受けて総務省では対応周波数帯を変更した問題で認証を受けた工事設計に合致していない恐れがあることから取り扱いの状況などについて電波法の規定に基づいて報告するよう求め、楽天モバイルでは6月26日に報告書を提出し、合わせて技適マークの表示が適切に行えていなかったとしてソフトウェア更新などで対応していました。

【Rakuten MiniのIMEIによる対応周波数帯の違い】
製造番号対応周波数帯
351676110680488以降FDD-LTE: Band 4、5
TD-LTE: Band 38
W-CDMA: Band IV、V
351676110356716〜35167611068048FDD-LTE: Band 1、5
TD-LTE: Band 38
W-CDMA: Band I、V
351676110356708以前FDD-LTE:Band 1
W-CDMA: Band I
共通FDD-LTE: Band 3、18、19、26、28
TD-LTE: Band 41
W-CDMA: Band VI、XIX

すでにRakuten Miniには「認証番号(規制ラベル)の修正」と「対応周波数帯表示の追加」を行うソフトウェア更新が提供されており、問題としては解決していましたが、改めて楽天モバイルが提出した報告書から以下の3点の問題があることが明らかとなったということです。

(1)認証を受けた工事設計に合致しない機器を、当該工事設計に基づき製造されたものとして販売していたこと
(2)付与された工事設計認証の番号とは異なる番号を表示した特定無線設備の製造・販売を行っていたこと
(3)対応周波数帯が異なる3種類の機器を製造・販売していたにもかかわらず、各機器の対応周波数帯等の違いについて、消費者に対して説明を行わないまま販売していたこと

これらの内容は法令順守および利用者利益の保護の観点から問題であり、総務省は楽天モバイルに対し厳重に注意するとともに、報告書記載の再発防止策等を実施することによって法令順守および利用者利益の保護を徹底するよう文書による指導を行いました。

また総務省では楽天モバイルに2020年12月末日までの間、毎月の取組状況を報告することを求めました。一方、楽天モバイルでは事業体制を見直して再発防止を徹底するとともに以下の5つの内容を今後の取り組みとして行うとしています。なお、楽天モバイルではRakuten Miniの交換にも対応すると案内しています。

(1)開発主管部署における業務プロセス改善の徹底
(2)人材の適正配置、採用、育成強化およびチェック体制の強化
(3)新製品導入時等の各部門の情報共有と部署間の合意形成の徹底
(4)機器の設計業務、社内チェック体制と継続的な業務モニタリングの強化
(5)問題発生時の原因究明および従業員コンプライアンス強化の更なる徹底



記事執筆:memn0ck


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