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EarFunの最新モデル「EarFun Free 2」を試す |
EarFunテクノロジーが展開するオーディオブランド「EarFun(イヤーファン)」シリーズにおいて、左右独立型の完全ワイヤレスイヤホン「EarFun Free 2(イヤーファン フリー ツー)」(型番:TW101)が販売中だ。
大手Webストア「Amazon.co.jp」での取り扱い開始日は2021年5月24日で、EarFunの製品としては最新モデルとなる。価格は現時点で4,999円(税込)。
Qualcommの最新チップ「QCC3040」を搭載し、コーデックはAAC、SBCに加えaptXもサポートする。複合振動板を採用した6mm径のドライバーを搭載、低遅延モードや通話時のノイズキャンセリング、タッチコントロール、IPX7の防水性能、最大30時間の長時間利用、ワイヤレス充電などにも対応する。
今回、このEarFun Free 2をメーカーから提供いただき試してみたので、写真や動画を交えながらレビューする。
■開封、同梱品をチェック
2018年10月に設立されたEarFunテクノロジーは、ワイヤレスオーディオに特化したオーディオメーカーで、EarFunシリーズは「Free(フリー)」と「Air(エアー)」の2ラインの製品をラインナップしている。「Free」はこれまでに「EarFun Free」と上位モデルの「EarFun Free Pro」をリリースしており、今回のEarFun Free 2は、EarFun Freeの後継モデルとなる。
一方、「Air」は「EarFun Air」と上位モデル「EarFun Air Pro」をラインナップしており、いずれのモデルも既存モデルとして販売中だ。
片手に収まるほどのコンパクトな個装箱の裏面には製品の主な特徴や内容物が記載されている。個装箱のほとんどが英語表記だが、蓋部分を左側に開けると内面に「お手入れのしかた」が記載されており、この部分は日本語を含めた5カ国語表記になっている。
イヤホン本体の他に、
・充電ケース
・イヤーピース(S/M/L:Mは本体に取り付け済み)
・USBケーブル(USB Type-C)
・保証カード
・ユーザーマニュアル(取扱説明書)
が同梱する。取扱説明書は全57ページの冊子で、English(英語)、日本語、Deutsch(ドイツ語)、Francais(フランス語)、Español(スペイン語)、繁體中文(中国語)の6カ国語で記載されている。
日本語ページでは11項目に渡って取り扱い方や仕様などが記載されており、最後には「アフターサービス」の項目も設けられている。保証期間は購入日から18カ月間で、問い合わせ窓口のメールアドレスも記載されている。
全体的に日本語表記に違和感はなく、必要な内容がしっかりと記載されている印象だ。しかし、記載されている文字は決して大きくなく、人によっては見えにくいかもしれない。取扱説明書の文字の見やすさはこれまで通りといった感じだが、今後の製品ではもっと見やすくなるよう期待したい。
取扱説明書と同じ内箱に封入されている保証カードは二つ折りの用紙だ。開いた内面の「Dislike?」には
・30-day Money-back Guarantee for Any Reason(理由を問わず30日間の返金保証)
・18-month Replacement Warranty(18カ月の交換保証)
と記載されており、気に入らなかった場合の返金対応や製品の保証期間について英語で記載されている。
同梱する小さな袋には2種類4個のイヤーピースが入っている。イヤホン本体に取り付けられているものがMサイズで、付属品がSとLサイズになっている。
■本体の操作や仕様をチェック
ここからは本体をチェックしていく。丸みを帯びたやや大きめの印象で、耳に装着したときの圧迫感が少し気になったが、その代わりにタッチ操作がかなりしやすいと感じた。「earfun」のロゴがあるタッチセンサー部分が広いためタッチ操作はしやすい。
小型モデルになればなるほど、耳への負担が少なく付け心地も良く感じるが、その分タッチセンサーの面積が狭くなるため、操作がうまくいかずにストレスになりやすい。それを考えると、EarFun Free 2の操作感はとても良いと感じた。
タッチセンサーの下部にはランプを搭載し、本体内側には型押しで「L」と「R」の記載と充電用の端子が搭載されている。
1度イヤホン本体を充電ケースに収納して蓋を閉める。再度、充電ケースの蓋を開けるとイヤホンの左右ともに青色に点滅してペアリングモードになるので、スマートフォン(スマホ)やパソコン(PC)など音楽プレーヤーとなるデバイスのBluetooth設定でペア設定をする。
Androidスマホであれば「設定」→「接続済みのデバイス」→「新しいデバイスとペア設定する」と進み、使用可能なデバイスに表示される「EarFun Free 2」をタップしてペア設定をする。
もちろんBluetoothに対応したPCにも接続できる。Windows PCでは「Bluetoothとその他のデバイス」→「Bluetooth またはその他のデバイスを追加する」→「Bluetooth マウス、キーボード、ペン、オーディオ、またはその他の種類の Bluetooth デバイス」を選択し「EarFun Free 2」が表示されたらクリックする。次の画面で「接続」をクリックし、正常に接続できれば「完了」をクリックすればペア設定が完了する。
初期状態ではイヤホン本体が自動的にペアリングモードを起動するが、1回でも機器とペアリングすると次にペアリングモードを起動する際は手動になる。
2回目以降のペアリングモードは、
(1)両方のイヤホンを充電ケースにセットする
(2)充電ケースの蓋を開けたまま、充電ケース背面の「設定ボタン」を約2秒間長押しする
(3)両方のイヤホンのランプが青点滅
この手順となる。
また、すでにペアリングしている機器との接続をすべて解除することでペアリングモードに移行させることもできる。
イヤホンをリセットする場合は、イヤホンを充電ケースにセットして、
(1)両方のイヤホンを充電ケースにセットする
(2)充電ケースの蓋を開けたまま、充電ケース背面の「設定ボタン」を約8秒間長押しする
(3)両方のイヤホンのランプが紫点滅
この手順でリセットが完了する。
イヤホンに搭載されているランプ表示は以下の種類がある。
・1秒間青点滅…電源ON
・1秒間赤点滅…電源OFF
・早い青点滅…ペアリングモード
・消灯…ペアリング済み
・紫点滅…リセット済み
イヤホン本体はIPX7の防水性能に対応しているため、突然の雨やトレーニング中の汗などにも強い。なお、充電ケースは防水性能に対応していないので注意しよう。
また、イヤホン本体にはCVC 8.0ノイズキャンセリング技術を採用しており、音声通話時や音声アシスタント起動中の音声コマンドを発する際に、周囲の雑音や騒音を取り除いたクリアな状態で自身の音声を拾ってくれる。
充電ケースに戻す時は問題ないが、取り出す時はややコツがいる。イヤホンの内側奥に指をひっかけるようにすると取り出しやすい。
先に「earfun」ロゴが記載されているタッチセンサー部分が広く、操作しやすいことに触れたが、具体的な操作方法は以下のようになっている。
●音楽再生の操作
・LもしくはRを2回タップ:再生と一時停止
・R側を3回タップ:曲送り
・L側を3回タップ:曲戻し
・R側を1回タップ:1段階音量を上げる
・L側を1回タップ:1段階音量を下げる
●ハンズフリー通話の操作
・LもしくはRを2回タップ:電話を受ける、切る
・LもしくはRを2秒間触れたままにする:着信拒否
・LもしくはRを3回タップ:2つの通話を切り替える
●音声アシスト機能の操作
・R側を2秒間触れたままにする:音声アシストの起動、解除
●低遅延モードの操作
・L側を2秒間触れたままにする:低遅延モードのON/OFF切り替え
実は、以前レビューしたEarFun Free Proとほとんど同じような操作となっている。違いとしては、EarFun Free Proでは実装されていなかった「曲戻り」の操作が追加になっている点と、アクティブノイズキャンセリング(ANC)や外音取り込みモードに対応していないため、その操作がEarFun Free 2ではないという点だけだ。
音量操作は1タップ1段階ずつの調整になっている。連続タップをすると別の操作をしてしまうことになるので、素早く音量の上げ下げができないことは注意しなければいけない。
また、低遅延モードはON/OFFの切り替えをする度に「Low latency on」もしくは「Low latency off」の音声ガイダンスが流れる。EarFun Free 2での低遅延モードは最小で60msまで抑えることが可能で、低遅延モードをOFFにしたノーマルモードでは約200ms(0.2秒)の遅延が発生するという。
低遅延モードをONにすることで、接続機器との通信距離が短くなってしまうというデメリットもあるため、通常の音楽再生時などで特に遅延を気にしなくていい場合は、低遅延モードをOFFにしておくほうがいいだろう。
ANCや外音取り込みモードの他にも、イヤホンを片方もしくは両方とも耳から外すと音楽や動画が一時停止し、再び装着すると再生する「自動装着検出機能」にも対応していない。
タップ操作は、タッチセンサー部分を軽く叩くようにしても反応するが、優しく触れるように「タッチ」でも反応してくれる。面積の広さにも加えセンサーの反応も悪くなく操作しやすい印象だ。
スマホやタブレット、PCからイヤホンの設定やコントロールができるアプリはないようなので、音声プレーヤーとなる機器とペアリングして使うシンプルな仕様となっている。
充電ケース正面のランプは蓋を閉じた際に点灯してバッテリー残量を知らせてくれる。30%以上は緑が点灯、30%未満はオレンジ(というよりは黄色に近い色)が点灯、10%未満は赤が点灯、5%未満は赤が点滅する。充電中は赤が点灯し、充電が完了すると緑が点灯する。
イヤホンのバッテリー容量は50mAh×2(左右1つずつ)、充電ケースのバッテリー容量は400mAhで、連続再生時間はイヤホン単体で約7時間、充電ケースが最大23時間、併用すると最大30時間の利用が可能。また、10分の充電でおよそ2時間利用できる「時短充電」にも対応する。
充電ケース背面にはUSB Type-C端子を搭載し、底面には製品のモデル名やバッテリーの仕様、技適マーク、PSEマークなどが記載されている。
充電ケースの形状は横長で、丸みを帯びてはいるが、正面、背面、上面、底面であれば安定して置いておくことができる。片手では決して開けやすいとは言えないが、それでも片手で蓋の開閉はできる。
■EarFun Free Proと比較
ここからは、既存モデルで「Free」の上位モデルでもあるEarFun Free Proと簡単な比較をしていこう。
画像を見てわかるように、EarFun Free Proはイヤホンおよび充電ケースともに角は取れているもののスクエアな形状をしており、それに比べるとEarFun Free 2は丸みを帯びた形状となっている。大きさも一目瞭然で、特にイヤホン本体はサイズが随分と大きくなっていることがわかる。
筆者は、EarFun Free Proが小型軽量で装着感もよく耳への負担が少ない点や、音質も低音重視でANCや外音取り込みモードにも対応している点、タッチセンサーの反応も悪くなく操作しやすい点など、かなり気に入って使っている製品のため、EarFun Free 2は比較してしまうと見劣りするのが正直なところだ。実売価格で1,000円しか変わらないのであれば圧倒的にEarFun Free Proを勧めたいところだが、もちろんEarFun Free 2が優位といえる点もある。
・Bluetooth SoC
Qualcomm QCC3040(EarFun Free 2)
Airoha AB1562(EarFun Free Pro)
・対応コーデック
SBC / AAC / aptX(EarFun Free 2)
SBC / AAC(EarFun Free Pro)
・防水性能
IPX7(EarFun Free 2)
IPX5(EarFun Free Pro)
あとは、細かい点ではあるが前述のようにタッチ操作で曲戻しの操作が追加されている点もだ。
筆者にとってはメリットだと思える「小型軽量」も人によっては失くしやすい、忘れやすいなどの理由でデメリットになってしまう場合もあるだろう。また、低音についてもそれほど重視していない人であればEarFun Free Proの低音の強さは違和感を抱いてしまう人もいなくはないだろう。
もちろんEarFun Free 2もしっかり低音は出ており、大音量でも音が割れるなどのこともなく音質も良いが、EarFun Free Proに比べると低音の主張は激しくはないと感じた。
そうした音の違いや好みに加え、タッチ操作のしやすさ、防水性能の高さなどメリットを感じる部分はあるため、EarFun Free 2も十分に検討できる製品といえる。
最後にEarFun Free 2の開封からペア設定、試聴、タッチ操作までを試した動画を紹介する。
EarFun
EarFun
記事執筆:2106bpm(つとむびーぴーえむ)
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