ゲーミング機能も充実したハイエンドスマホ「POCO F4 GT」をフォト&ムービーレビュー!

既報通り、POCO Japanは23日、日本市場に新たに参入し、5G対応のフラッグシップ級のハイエンドスマートフォン(スマホ)「POCO F4 GT(型番:21121210G)」(Xiaomi Communications製)を2022年6月23日(木)に発売すると発表しました。販売される製品は内蔵メモリー(RAM)と内蔵ストレージが8GB+128GBモデルと12GB+128GBモデルがあり、オンライン専売製品となっています。

販路は8GB+128GBモデルがMi.comおよびXiaomi公式 楽天市場店、12GB+128GBモデルがAmazon.co.jpといったECサイトとなっており、価格(金額はすべて税込)は8GB+128GBモデルが74,800円、12GB+256GBが84,800円で、6月23日(木)19:00〜6月26日(日)23:59までは「早割キャンペーン」が実施され、8GB+128GBモデルが64,800円、12GB+256GBが79,800円で、両モデルともにオープン市場向けのメーカー版(いわゆる「SIMフリー」)です。

また同社ではPOCO F4 GTを購入した人を対象に動画・音楽配信サービス「YouTube Premium」(通常1,180円/月)の無料トライアルを最大2カ月間延長できるキャンペーンが実施されるほか、購入後6カ月間は1回に限って画面修理サービスを無料で受け取るプレミアムスターサービスを提供するということです。

本記事ではそんなPOCO F4 GTの製品版をPOCO Japanよりお借りしたのでまずは開封して外観や同梱品、基本機能を写真や動画を交えて紹介したいと思います。なお、本体色は両モデルともにステルスブラックおよびナイトシルバー、サイバーイエローの3色展開で、お借りしたのは12GB+256GBモデルのステルスブラックとなります。

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POCO F4 GTのパッケージ(箱)

POCO F4 GTはXiaomi傘下として展開されている「POCO」ブランドにおけるフラッグシップ「POCO F」シリーズ(Flagshipの「F」)の中でも特に上位機種となる「POCO F GT」の最新機種で、海外ではゲーミングスマホとして紹介されていたりもしますが、日本ではゲーミング機能も充実した普段使いができるフラッグシップ級の高性能なハイエンドスマホという位置付けで販売されます。

特長は4nmプロセスで製造されたQualcomm製チップセット(SoC)「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載し、最大3.0GHzで動作するオクタコアCPUを備え、CPU性能が20%向上し、GPU性能が最大50%向上したことに加え、RAMは最大6400MbpsのLPDDR5、内蔵ストレージはUFS 3.1でロード時間を短縮して高速に動作してゲームだけでなく普段からさまざまな用途で快適に使え、それでいて価格が抑えたれている点でしょう。なお、microSDカードなどの外部ストレージスロットは非搭載です。

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POCO F4 GTの箱を開けたところ

POCO JapanではPOCO F4 GTを他社のSnapdragon 8 Gen 1を搭載したフラッグシップスマホと比べて半額もしくは半額以下で購入できるとし、高性能機をより手軽に購入できるようにしたとしています。その理由は開発から販売まで一貫して無駄を省いたことにあるといい、その一例がプロモーションなどをせずに口コミを中心とし、オンライン専売にしたことにあるとのこと。さらに円安でなければ、もっと安くできたと説明されていました。

パッケージはXiaomiが展開する他の「Xiaomi(Mi)」ブランドや「Redmi」ブランドとはまた異なり、POCOのブランドカラーとなるビビットな色合いの黄色と黒色を合わせた箱で、白を基調とした非常にシンプルなRedmiブランドと比べると、無駄を省きつつもこだわりを感じるものとなっています。また箱はACアダプターなどが同梱されていることもあり、最近の製品としてはやや大きめです。

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スリーブケースの下にPOCO F4 GTの本体が収納されています


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POCO F4 GTの同梱品一覧。ローカライズのひとつとしてACアダプターの端子が日本向けになってます


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POCO F4 GTの本体を保護している半透明のシートを外して背面に貼られているシールを剥がします

箱は上に開け、まずは紙類や保護ケース(透明)、SIMピン、USB Type-C to 3.5mmイヤホンマイク端子変換アダプターが入った黄色いスリーブケースがあり、その下にPOCO F4 GTの本体、さらに下にACアダプターとUSBケーブルが収納されています。付属するACアダプターはPOCOブランドでは初の120Wハイパーチャージに対応しており、USBケーブルもL字型端子を採用してゲームプレイ時や映像視聴時に充電しながらでも使いやすくなっています。

ディスプレイは上部中央にパンチホールを配置したアスペクト比9:20の縦長な約6.67インチFHD+(1080×2400ドット)有機EL「Flat AMOLED DotDisplay」を搭載し、最大120Hzリフレッシュレートや最大480Hzタッチサンプリングレート、コントラスト比500万:1、明るさ800nits、1億色表示、HDR10+、DCI-P3、⊿E ≈ 0.30、JNCD ≈ 0.18、DisplayMate A+、高周波PWM調光(1920Hz)に対応し、Sunlight ModeやReading Modeをサポートしています。

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POCO F4 GTの前面。画面を消した状態


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POCO F4 GTを持ったところ。200gオーバーではあるものの、そこまで重いとか持ちにくいという印象はありません


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大きさ比較として左から5.8インチのiPhone X、POCO F4 GT、6.7インチのiPhone 13 Pro Max。iPhone 13 Pro Maxと比べると縦は若干だけPOCO F4 GTが長いものの、横幅はPOCO F4 GTの方が狭く、側面の形状も含めてPOCO F4 GTの方が持ちやすい

また画面を覆うのは強化ガラス「Corning Gorilla Glass Victus」で、パンチホール部分には約2000万画素CMOS(ソニー製「IMX596」)+広角レンズ(F2.4)のフロントカメラが内蔵され、AI顔認証に対応し、また生体認証としては側面指紋センサーも搭載しています。サイズは約162.5×76.7×8.5mm、質量は約210gで、画面が大きいのでさすがのサイズ感ではありますが、ゲーミングスマホとしてはゴツさは控えめとなっています。

背面のリアカメラは以下のトリプル構成で、リアカメラパーツ部分にRGB Lightを搭載しており、各種の通知やゲーム利用時に点灯させたりすることが可能となっています。またゲームや映像視聴などに向けて左右対称なクアッドスピーカー(ウーファー×2+ツイーター×2)や3つのマイクが搭載され、両手で横持ちしてもスピーカーやマイクの性能が劣化しないようになっており、Dolby Atmosやハイレゾ音源(ワイヤレス対応)に対応しています。

・約6400万画素CMOS(1/1.73型のソニー製「IMX686」、1画素0.8μm、4-in-1やPDAFに対応)+広角レンズ(F1.9)
・約800万画素CMOS+超広角レンズ(F2.2、画角120°)
・約200万画素CMOS+マクロレンズ(F2.4)

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POCO F4 GTの背面。「POCO」ロゴや「5G」などが横向きにデザインされています


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リアカメラモジュールのところに内蔵されたLEDライトを光らせているところ。通知用LEDを兼ねており、「設定」の「特別な機能」→「LEDライト」でゲーム時に光らせるなどの設定が可能

またゲームなど向けに磁気浮上技術によって設計された「マグネット式ポップアップトリガー」が本体右側面の上と下に搭載され、横持ちしたときに人差し指で「L」ボタンと「R」ボタンとして利用できるほか、通常利用時にも便利に使えるようにカスタマイズすることができ、カメラや録画、懐中電灯を起動するショートカットとして日常的にも使用できます。

なお、マグネット式ポップアップトリガーは利用しないときには間違って押してしまわないようにスライド式のオン・オフ機能も備わっており、L・Rボタンとして利用する場合は100以上の人気ゲームでテストされて操作の滑らかさと最高レベルの精度を提供し、150万回の押下に対応しており、安定性、応答性、耐久性に優れた性能を発揮するということです。

その他にもバイブレーターが他のXiaomi製品ではZ軸リニアモーターとなっているところを、振動方向を変えてより振幅が大きなX軸のリニアモーターを搭載しており、通知を知らせるだけでなく、ゲームプレイや映像視聴などでよりしっかりと体感できるフィードバックが得られるようになっています。

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リアカメラの出っ張り具合。そこまでではないものの、背面を下にして置いた場合はカタカタするので、気になる人はケースを装着するなどで対処してください。付属のケースを装着すればカタカタはしなくなりました

バッテリーは4700mAh(2350mAh×2)の大容量電池を搭載しているほか、マルチプルタブワインディング(MTW)技術とデュアルチャージポンプ設計によって充電の効率化を図り、バッテリー寿命を最適に保つためにアダプティブチャージ機能にも対応し、バッテリーが80%から100%の充電範囲で過充電するのを防いでくれ、急速充電による電池パックへのダメージがほとんどないということです。また付属するACアダプターは120Wに対応しており、約17分で空の状態から満充電にすることが可能とのこと。

さらにSnapdragon 8 Gen 1の性能を最大限に引き出すために通常は長時間に渡ってゲームなどの高負荷な処理を続けるとパフォーマンスが低下する可能性がありますが、POCO F4 GTでは発熱の元であるSoCやICチップを分散して搭載しており、さらにそれらを4860mm2のデュアルベイパーチャンバー(VC)や複数のグラファイトシートなどによる業界で最も先進的な冷却システム「LiquidCool Technology 3.0」で高負荷な処理でも長時間安定して利用できるように設計されているということです。

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POCO F4 GTの上下側面。上側には外部スピーカーとマイク、赤外線端子、下側には外部スピーカーとマイク、USB Type-C端子が配置されています


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POCO F4 GTの左右側面。左側にはnanoSIMカード(4FF)カードスロット、音量上下キー、マイク、右側面にはポップアップトリガーおよび電源キーが配置されています


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カードスロットを付属のSIMピンを刺して引き出したところ。NTTドコモ回線やau回線、ソフトバンク回線、楽天モバイル回線で利用可能

その他の仕様ではWi-Fi 6Eに対応したIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax準拠(2.4GHzおよび5GHz、6GHz)の無線LANやBluetooth 5.2、NFC Type A/B、赤外線リモコン、位置情報取得(デュアルバンド対応のA-GPSやGLONASS、Galileo、BDS、QZSS)、近接センサー、環境光センサー、色温度センサー、ジャイロセンサー、加速度センサー、フリッカーセンサー、SARセンサー、電子コンパスなど。

SIMはnanoSIMカード(4FF)が2つのデュアルSIMデュアル5Gに対応し、携帯電話ネットワークは5G NR方式のSAとNSAをサポートしており、対応周波数帯は以下の通り。なお、特に日本市場向けに大きくはカスタマイズはされておらず、おサイフケータイ(FeliCa)やワンセグやフルセグ、FMラジオ、ワイヤレス充電には対応しておらず、防水・防塵はIP53準拠の生活防水・防塵となっています。

5G NR: n1/3/5/7/8/20/28/38/40/41/77/78
4G LTE: B1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26/28/38/40/41(2545~2650MHz)
3G W-CDMA: B1/2/4/5/6/8/19
2G GSM: 850/900/1800/1900MHz

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付属のケースは比較的柔らかめながら装着したら簡単には取れないと思われます


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Xiaomi製品の付属ケースはUSB Type-C端子部分に蓋があったりしますが、POCO F4 GTの付属ケースは蓋はありません


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付属ケースを装着した状態でもポップアップトリガーを含めてきちんと利用でき、付属のL字型USBケーブルもしっかりとどちらの向きでも装着できます

OSはAndroid 12ベースの独自ユーザーインターフェース「MIUI13」をプリインストールしており、RAM拡張やゲームターボ、サイドバーなどの機能が利用できます。個人的にはWi-Fiを親回線にしたWi-Fiテザリング(他社では「Wi-Fiブリッジ」などと呼称)や通話の自動録音に対応していないのが気になりますが、多くのAndroidスマホではこれらは対応していませんし、大抵の人には問題ないかと思われます。

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通知(画像=左)とコントロールパネル(画像=右)。MIUI13なので最近のiOSのように画面の左半分で上から下になぞると通知、右半分で上から下になぞるとコントロールパネルが表示され、通知とコントロールパネルは左右になぞることで表示が切り替えられます


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アプリ切り替え(画像=左)とロック画面(画像=右)。アプリ切り替えでは「✕」ボタンを押すとまとめて消せます


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音量調節メニュー(画像=左)と電源オフメニュー(画像=右)。電源オフメニューは電源キーの長押しで表示され、電源キーの長押しをGoogle アシスタントの起動に設定していてもさらに長く押し続けることで表示されます


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初期状態のアプリ一覧(ドロワー)。POCO F4 GTではMIUI13ではあるものの、ドロワーがあるタイプのホームアプリが設定されています


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左からプリインストールされているアプリ一覧(システムアプリを除く)、そのうちのアンインストールできるアプリ一覧、設定の第1階層目


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設定の「デバイス情報」(画像=左)とデバイス情報の「すべての仕様」(画像=右)。MIUIバージョンは「MIUI Global 13.0.3 安定版」となる「13.0.3.0(SLJMIXM)」で、MIUI for POCOとなっています


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ストレージ容量は初期設定直後で256GBのうちの27.5GBを使っています。日本向けの認証(いわゆる「技適」)の番号は電波法に基づく工事設計認証(R)「018-220047」、電気通信事業法に基づく技術基準適合認定(T)が「ADF210233003」


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メモリ増設は初期状態でオンになっており、3GBが追加され、12GB+256GBモデルでは合計15GB RAMとなります。リフレッシュレートは初期状態で動的に可変させる「デフォルト(推奨)」となっており、手動で「カスタム」に設定して120Hzに優先させることが可能です


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設定の「特別な機能」にてアプリのショートカット機能「サイドバー」や「フローティング・ウィンドウ」、「セカンド・スペース」、「LEDライト」、「ポップアップトリガー」の設定が行えます


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ポップアップトリガーはゲーム以外でもショートカット機能として利用でき、各トリガーにそれぞれ「2回押す」と「長押し」にカメラやビデオ録画、画面録画、録音、懐中電灯、サイレントモード、ヴァイブレーションを割り当てられます


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設定の「追加設定」にて「ジェスチャーショートカット」や「クイックボール」、「スクリーンレコーダー」、「片手操作モード」、「ユーザー補助」、「メモリ増設」などの設定が行えます


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設定の「アプリ」では「デュアルアプリ」も利用できます。また「ゲームターボ」では「Mi WiFiスピードブースト」や「ボタンとジェスチャーを制御」などのより集中してゲームを楽しめる機能が搭載されています。なお、POCO F4 GTではゲームなどをするときに横持ちで本体を両手で塞いでも通信環境が悪くならないようにWi-Fiや4G・5Gなどのアンテナを複数搭載しているということです


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標準カメラアプリのファインダー(撮影)画面。グリッド線は6分割のみ。初期状態で「写真」の他に「ビデオ」や「プロ」、「ポートレート」がタブに設定されています


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さらにタブ「もっと見る」にて「ショートビデオ」や「Vlog」、「ムービー効果」、「クローン」、「64MP」、「ドキュメント」、「タイムラプス」、「デュアルビデオ」、「夜景」、「パノラマ」、「モーション」、「長時間露光」といったモードが利用でき、設定で独立したタブにすることも可能です


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マクロカメラを搭載していますが、モードではなく設定から「マクロ」は利用します。また設定では他に「ムービーフレーム」や「チルトシフト」、「タイムバースト」なども行えます


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標準カメラアプリの詳細な設定。写真は保存形式にHEIF形式(拡張子は「.heic」)にも対応しています


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ベンチマークアプリ「Geekbench 5」と「3DMark」の結果。Geenbench 5はCPUのシングルコアが1228、マルチコアが3663、3DMarkのWild Life Extreme(Vulkan)が2602(平均15.60fps)。それぞれ3回測定した中央値を掲載

このようにPOCO F4 GTは非常に高性能ながらも価格を抑えていることが大きな魅力となっており、また高性能製品にありがちな熱問題にもゲーミング機能を強化していることもあってしっかりとした冷却システムを搭載して安定動作が可能なのも特にSnapdragon 8 Gen 1では発熱が大きいようなので嬉しいところではないでしょうか。最後にPOCO F4 GTを開封して外観や同梱品、基本機能を紹介している動画を掲載しておきます。









記事執筆:memn0ck


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