秋吉 健のArcaic Singularity:謹賀新年、2023年元旦のコラム初め!スマホ市場やモバイル通信業界の「今年」を考える【コラム】


2023年のモバイル通信業界について考えてみた!

みなさま、新年明けましておめでとうございます。本年もS-MAXと本連載コラム「Arcaic Singularity」を何卒宜しくお願い申し上げます。

2022年はモバイル業界にとって比較的穏やかな年でしたが、円安による端末価格の高騰が2023年への不安を引きずる要因として残り続けた年でもありました。一方で、新たな技術やデバイスデザインなどの革新的な進化や話題に乏しく、停滞を感じさせる年だったようにも思います。

果たして2023年はどのような年になっていくのでしょうか。2023年に期待したい技術、予測できる進化、そして依然残る不安など、年頭所感ならぬ年頭雑感としてつらつらと書き綴りたいと思います。

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モバイル通信の進化は止まらない

■不安が続くスマホ価格の高騰
私たちの生活に直結する部分では、やはりスマートフォン(スマホ)価格の高騰が気になるところです。

2022年春頃から始まった過激な円安の流れはウクライナ戦争や米国の金利引き上げ、さらには日銀の利上げなどによって激しく乱高下し、全く先が読めない状況です。

スマホ市場は輸入端末のみならず、国内生産している国産端末でさえ部品の調達などに大きな影響を及ぼしており、今後も価格の上昇が不安視されます。

生活に密着するあらゆる場所で値上げが続き、ただでさえ家計が苦しくなっている中、スマホの買い替えや新規契約はますます冷え込むことが予想されます。

この流れから、スマホの中古市場はさらに人気を増していくのではないでしょうか。スマホ性能の成熟化によって2~3年型落ちのスマホであっても何ら問題がなくなった現在、中古スマホや型落ちとなるスマホのニーズが高まることは必然です。

私たち消費者も、通信キャリアが推す最新の高性能スマホばかりに目を向けるのではなく、多少なりとも知識を持ち、自分の使い方に合ったスマホを正しく選択できるようになりたいものです。

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中古スマホや型落ちスマホは学生や仮想移動体通信事業者(MVNO)ユーザーからの支持が高い

■中華スマホブームの再来となるか?
スマホ市場ではもう1つ、筆者が注目していることがあります。それは中国・台湾系メーカーの再進出です。

2015~2016年頃にスマホ市場が成熟期を迎えたとき、日本では中国系メーカーの進出が相次ぎ、いわゆる「中華スマホ」がにわかにブームとなったことがありました。HUAWEI製の「HUAWEI P9」という名前を聞いて、懐かしさや当時の感動を思い出すモバイルガジェットマニアの方もいるでしょう。

それ以前から日本国内で知名度を上げてきていたASUSやHTCといった台湾系メーカーも巻き込み、中華スマホブームは大きな流れとなるかと思いましたが、その後米中貿易摩擦を発端とするHUAWEIのスマホ市場からの事実上の撤退などもあり、国内では中華スマホブームが終わってしまいました。

しかし2022年はXiaomiやASUSのスマホが非常にユニーク且つコストパフォーマンスに優れていたことで再び脚光を浴び、再び中華スマホブームの兆しが見えています。

前述のスマホ価格の高騰も、価格の安い中華スマホを強く後押ししています。品質やサポート力で十分な信頼を勝ち取った中国・台湾系メーカーは、恐らく2023年も強気の販売戦略を行ってくるはずです。

ピンチはチャンスを体現し、したたかに商機を見出す中国・台湾系メーカーのバイタリティとモノづくりへの執念は見習うところが多くあります。2023年にはソニーやシャープ(シャープも台湾・鴻海資本だが)といった国内メーカーとの切磋琢磨が見られることを願っています。

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ソフトバンクとタッグを組み、日本市場でのシェア拡大を狙うXiaomi
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常に新しいアイデアとマーケティングでオープンマーケット市場を牽引するASUS

■5Gの本格普及とWi-Fi 6Eへの期待
通信技術の面でもさまざまに期待が高まっています。

2020年から始まった5Gサービスも今年で3年目を迎えました。移動体通信事業者(MNO)によるエリア展開も順調に進み、現在は駅での接続体感率が80%以上に、自宅からの接続体感率も50%を超えたというアンケート結果もあり(MM総研調査データより引用)、いよいよ「身近にあって当たり前の技術」になってきたと実感している昨今です。

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スマホ利用率の高い場所での5G体験の向上にこそ意義がある(2022年12月・MM総研)

2023年はさらにこの体感と体験が加速し、5Gを前提としたサービスやインフラも十分に導入の検討を行える段階になってくるのではないでしょうか。

例えば5G対応ホームルーターなどは、2021年あたりにはまだまだオススメできる状況ではありませんでした。しかし2023年であれば「ぜひ試してみて欲しい」と言えるほどになっているでしょう。

光回線のラストワンマイルとしてのWi-Fi 6Eも2023年の注目技術です。2022年12月のコラムでも取り上げましたが、現在はWi-Fi 6対応ホームルーターへの買い替えが大本命です。

2023年にはここにWi-Fi 6Eが加わり、対応機種が次々と登場します。超高速10gbpsの光回線をそのままの速度で無線化できるWi-Fi 6Eは、快適なモバイル生活のための強力な道具として期待できます。

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技術が普及し、また次の技術がやってくる

■困難が予想される2023年だからこそ
このほかにも2023年には、

・povoの0円スタートプランは継続されるのか

・加速するロボット産業(労働人口減少の深刻化)

・停滞するメタバースの行方(xR技術の舵取り)

このように期待や不安が入り混じった話題の焦点や課題が多くあります。

みなさんが2023年のモバイル通信業界やスマホ市場に期待することは一体何でしょうか。スマホの価格を安くして欲しい。5Gエリアをもっと広げて欲しい。さまざまに要望や期待があると思います。

筆者は今年もモバイル関連技術とその進化を追いかけ、人々のモバイルライフに注目し、Arcaic Singularity(古拙な特異点)の名の下に、日々思ったことを物事の原点から俯瞰しながら書き連ね続けたいと思います。

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臥薪嘗胆。苦しい時代だからこそ未来を見据えて進もう
記事執筆:秋吉 健

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