Snapdragon 8 Elite搭載の新フラッグシップスマホ「POCO F7 Ultra」をファーストインプレッション!

既報通り、Xiaomiの日本法人である小米技術日本(以下、シャオミ・ジャパン)は27日、Xiaomi傘下のPocoが展開している「POCO」ブランドにおける新商品として5G対応フラッグシップスマートフォン(スマホ)「POCO F7 Pro(型番:24117RK2CG)」および「POCO F7 Ultra(型番:24122RKC7G)」(ともにXiaomi Communications製)を日本市場にて2025年3月27日(木)18時に販売開始しました。

販路は公式Webサイト( https://mi.com/jp/ )内の公式Webストアや直営店「Xiaomi Store」に加えて「Xiaomi公式 楽天市場店」や「Amazon.co.jp」、ビックカメラおよびヤマダデンキ、ヨドバシカメラといった量販店のECサイト、さらに「イオンモバイル」(イオンリテール)および「IIJmio」(インターネットイニシアティブ)といった移動体通信事業者(MVNO)となっています。

販売されるモデルは内蔵メモリー(RAM)と内蔵ストレージの違いによって複数あり、価格(金額はすべて税込)はオープンながら市場想定価格および公式WebストアなどではPOCO F7 Proの12GB RAM+256GBストレージモデルが69,980円、12GB RAM+512GBストレージモデルが79,980円、POCO F7 Ultraの12GB RAM+256GBストレージモデルが99,980円、16GB RAM+512GBストレージモデルが109,980円で、本体色はPOCO F7 Proがブルーおよびブラック、シルバーの3色、POCO F7 Ultraがイエローおよびブラックの2色となります。

また特典として両機種を購入した場合には動画配信サービス「YouTube Premium」の3カ月無料やクラウドストレージサービス「Google One」(100GBプラン)の6カ月無料、購入後1年間(12カ月間)保証や6カ月以内なら1回の画面交換または修理サービスが無料になる特典が付属しているほか、発売特典として両機種を2025年4月15日(火)23:59までに購入した人には最大165W急速充電に対応したモバイルバッテリー「Xiaomi 165W Power Bank 10000mAh (Integrated Cable)」がプレゼントされるということです。

今回はそんなPOCO F7 ProおよびPOCO F7 Ultraのうちのより高性能でPOCOブランドでは初の“Ultra”を冠したPOCO F7 Ultraを事前にメディア向けに開催された説明会にてタッチ&トライしてきましたので、主に外観や基本機能などを中心に写真や動画を交えて紹介したいと思います。

02
POCO F7 Ultraの正面。ディスプレイは6.67インチで、左がブラック、右がイエローですが、正面から見た限りでは区別は付かない模様

POCO F7 UltraはPOCOブランドにおけるフラッグシップスマホ「POCO F」シリーズの最新モデル「POCO F7」シリーズの上位機種で、日本でもPOCO Fシリーズは昨年に「POCO F6 Pro」などが発売されていますが、POCO F7 Ultraは前述通りにPOCOブランドでは初の“Ultra”を冠しており、新たにチップセット(SoC)にはQualcomm製「Snapdragon 8 Elite Mobile Platform」を搭載して現時点では最高性能を備えたハイエンドスマホとなっています。

これにより、POCO F6 ProよりもCPUやGPUだけでなくAI処理性能も大幅に向上しており、さらにAI機能「Xiaomi HyperAI」を搭載し、日常生活や仕事に多彩なAIを活用することが可能で、POCO F7 Ultraについてはベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」ではPOCO F7 Ultraが284万超のハイスコアを実現しているほか、ゲームプレイの際に最高のグラフィック性能を効率よく生み出すための専用チップセット「VisionBoost D7」を新たに搭載しています。

ただし、VisionBoost D7は特定のアプリのみで動作するとしており、プリインストールされているアプリ配信マーケット「App Mall」からダウンロードできるアプリ(ゲーム含む)については基本的にすべて対応しているとし、特に「原神(Genshin Imapact)」や「PUBG Mobile」、「モバイル·レジェンド: Bang Bang(MLBB)」に関しては重点的に最適化してゲーム中では擬似的にフレームレートを向上させるとともにバッテリーの消費を軽減する効果があるということです。

03
POCO F7 Ultraを持ってみたところ。画面には円偏光技術が採用され、光の環境に左右されず安定した画面表示が可能に

また動画についても「YouTube」や「Netflix」といったアプリに対応し、視覚的に解像度やフレームレート、HDR効果を向上することができ、DRMがかかっているコンテンツにも対応しているということです。なお、VisionBoost D7は「Redmi K80 Pro」に搭載されているXiaomi独自の12nm製造ゲーミング用チップ「D1」と同等の機能性を有しているとしています。実際にVisionBoost D7が適用されている場合と適用されていない場合を比べることはできませんでしたが、POCO F7 Ultraでは動画やゲームは滑らかかつ綺麗に動作していました。

画面は上部中央にハンチホールを配置したアスペクト比9:20.6の縦長な約6.67インチWQHD+(1440×3200ドット)AMOLED(有機EL)「フロードットディスプレイ」(約526ppi)で、最大120Hzリフレッシュレートや最大480Hzタッチサンプリングレート、最大2560Hzインスタントタッチサンプリングレート(ゲームターボモード時)、最大輝度3200nits(ピーク時)、12bitカラー(680億色表示)、最大3840Hz PWM調光、Dolby Vision、HDR10+などをサポートし、パンチホール部分には約2000万画素CMOS+広角レンズのフロントカメラが内蔵され、顔認証に対応しています。また生体認証としては画面内指紋センサーも搭載し、新たに超音波式となったことから認証速度と正確性が向上しています。

04
POCO F7 Ultraのイエローの背面。POCOカラーのイエローが映え、下部のマットな部分はサラサラとした質感で持ち心地も良いです


05
POCO F7 Ultraのブラックの背面。各色ともに光沢のある上部とマットな下部のバイテクスチャに

外観はリアカメラ部分が流行りの円形となっているものの、真ん中ではなくて左に寄っており、POCO F7 UltraにはPOCOのブランドカラーであるイエローがあり、カラーバリエーションはイエローおよびブラックの2色がラインナップされています。また画面は強化ガラス「POCO Shield Glass」で覆われており、背面パネルもガラス素材が用いられ、側面などのフレームはアルミニウムが採用されているとのこと。さらに新たに防水・防塵(IP68)にも対応しています。

前機種のPOCO F6 Proの大理石のような質感も好評だったということですが、やはりPOCOのブランドカラーであるイエローがあるのはフラッグシップモデルとしては嬉しいところでしょうか。大きさとしては6.67インチなので最大級といったほどではないですが、やはり大画面スマホの部類に入り、サイズは約160.26×74.95×8.39mm、質量は約212gと、重さも210gをオーバーしているため、それなりに大きくずっしりした感じではあります。とはいえ、持ちにくいわけではないので、大画面スマホでも大丈夫な人なら問題ないと思います。

06
POCO F7 Ultraのリアカメラの出っ張り具合。POCOは以前に高性能によるゲーミング機能を推していましたが、説明会では現在はカメラも良くなっていて普段使いできる製品に仕上がっていることがアピールされていました

リアカメラは以下のトリプル構成で、POCO史上最高のカメラ性能を搭載し、メインの約5000万画素CMOSカメラは大型のXiaomi独自のイメージセンサー「Light Fusion 800」を採用し、POCO史上最高のダイナミックレンジで明暗のコントラストをしっかり捉え、さらに約5000万画素CMOSの焦点距離60mm相当(35mm換算)の望遠カメラも搭載しており、ポートレート撮影に最適なだけでなく、光学式手ブレ補正(OIS)やPOCO初のフローティング機構を搭載してマクロ撮影にも対応します。

・約5000万画素CMOS(1/1.55型、1画素1.0μm、4in1、Dual Pixel PDAF)+広角レンズ(F1.6、焦点距離24mm、6P、OIS)
・約3200万画素CMOS+超広角レンズ(F2.2、焦点距離15mm、画角120°、光学0.6倍)
・約5000万画素CMOS(1/2.76型、1画素0.64μm、4in1)+望遠レンズ(F2.0、焦点距離60mm、OIS、光学2.5倍)

07
POCO F7 Ultraの左右側面。右側に音量上下キーと電源キー、アンテナライン、左側にはアンテナラインのみが配置されています

バッテリー容量は5300mAhで、最大120Wの有線による急速充電に加え、最大50Wのワイヤレス充電にも対応しており、新しくアップグレードされた「Xiaomi Surging P3スマート急速充電チップ」と「Xiaomi G1バッテリー管理チップ」によって充電効率を大幅に向上させており、34分で0%から100%まで充電可能となっているとのこと。また120Wの急速充電に対応したACアダプター(試供品)が付属します。

またより安定して動作するためにPOCO初の3Dデュアルチャンネルによる5400mm2という大きな面積のアイスループシステム「LiquidCool Technology 4.0」も搭載され、SoCの温度を3℃低く保つことができるようになっているとしています。なお、同梱品は他にスマホ本体のほか、USB Type-Cケーブル(試供品)やSIM取り出しピン(試供品)、ソフトケース(試供品)、貼付済み保護フィルム(試供品)、クイックガイドなどの紙類となっています。

08
POCO F7 Ultraの上下側面。上側にアンテナラインのみ、下側にはSIMカードスロットのトレイやマイク(送話口)、USB Type-C端子、外部スピーカー、アンテナラインが配置されています


09
SIMカードスロットのトレイをSIMピンで引き出したところ。SIMはnanoSIMカード(4FF)が2枚装着でき、eSIMには非対応となっています

その他の仕様はUSB Type-C端子(USB 2.0、OTG、Display Port)、近接センサー、環境光センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、フリッカーセンサー、電子コンパス、赤外線リモコン、X軸リニア振動モーター、NFC Type A/B、Hi-Res(ハイレゾ音源)、Hi-Res Audio Wireless、Dolby Atmos、ステレオスピーカー、マイク×3、位置情報取得(トリプルバンドA-GNSSなど:GPS、GLONASS、Galileo、BeiDou、QZSS、NaviIC)。

なお、無線LANはWi-Fi 7や2x2 MIMO、MU-MIMO(8x8サウンディング)、Wi-Fi Direct、Miracast、マルチリンクに対応したIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax/be準拠(2.4および5GHz)で、6GHzには対応していないため、Wi-Fi 6Eには非対応となっています。またBluetoothはVersion 6.0で、デュアル接続に対応。携帯電話ネットワークは5G NR方式のNSAおよびSAをサポートし、対応周波数帯は以下の通りで、SIMはnanoSIMカード(4FF)スロットが2つとデュアルeSIMのデュアルSIMデュアルVoLTE(DSDV)に対応しており、安定して高速な通信が可能となっているとのこと。

5G NR: SA - n1, 2, 3, 5, 7, 8, 20, 26, 28, 38, 40, 41, 48, 66, 77, 78 NSA - n1, 3, 5, 7, 8, 20, 28, 38, 40, 41, 66, 77, 78
4G LTE: FDD - Band 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 18, 19, 20, 26, 28, 66 TDD - Band 38, 40, 41, 42, 48
3G W-CDMA: Band I, II, IV, V, VI, VIII, XIX
2G GSM: 850, 900, 1800, 1900MHz


10
POCO F7 Ultraのアプリ一覧(ドロワー)

OSはAndroid 15ベースの独自ユーザーインターフェース「Xiaomi HyperOS 2.0」をプリインストールしており、AI機能もGoogleの「Gemini」に対応して「かこって検索」などが利用できるほか、独自のAIアシスタントも搭載し、AI文章作成やAI音声認識、AI通訳、AI検索などが利用できます。またiPhoneとのファイル転送にも対応しており、Wi-Fiを使って簡単に写真や動画などを送受信できるようになっています。なお、ファイル転送はiPhoneにアプリ「Xiaomi Interconectibity」を導入する必要があるのでご注意ください。

またゲーム機能は「WildBoost Optimization 4.0」に進化し、CPUとGPUの効率を最大化して超スムーズで持続的なゲームプレイを実現するほか、レスポンスが向上したタッチ・コントロールや独自開発の画像アルゴリズムで画質を向上し、さらにイヤホン使用時に足音や声などの効果音を正確に捉えるようになっているということです。その他、RAMはLPDDR5X、ストレージはUFS4.0で、さらに今後に提供されるソフトウェア更新によってUFS4.1にアップグレードされるということです。

11
POCO F7 Ultraの通知画面


12
POCO F7 Ultraのクイックパネル画面


13
ゲームセンターからゲームアプリをダウンロード可能


14

15
「設定」画面(第1階層目)。独自のAI機能は「Xiaomi HyperAI」にて設定が可能


16
「設定」→「デバイス情報」。OSはAndroid 15ベースのXiaomi HyperOS 2.0.4がプリインストールされ、ストレージはデモ機では43.5GBを利用中


17
SoCはSnapdragon 8 Eliteを搭載し、CPUは最大4.32GHzに。RAMはデモ機ではハードウェアの16GBに加え、ソフトウェア的に6GBを追加して22GBで利用していました


18
日本向けの認証(いわゆる「技適」)の番号は電波法に基づく工事設計認証(R)が「020-240366」、電気通信事業法に基づく技術基準適合認定(T)が「ADF240108020」。なお、中国製(Made in China)


19
標準カメラアプリのファインダー画面。モードは「写真」や「ビデオ」、「ドキュメント」、「ポートレート」、「夜景」、「プロモード」、「パノラマ」、「50MPモード」などが利用可能


20
標準カメラアプリの簡易設定画面。グリッド線やAIカメラ、スーパーマクロなどは素早く変更可能


21

22

23
標準カメラアプリの詳細設定画面。ベータ機能ながらもAIを使って画質を鮮明にする「ウルトラズーム」機能なども利用可能




<POCO F7 Ultraの主な仕様>
製品名(読み方)POCO F7 Ultra(ポコ エフセブン ウルトラ)
型番24122RKC7G
サイズ約160.26×74.95×8.39mm(突起部除く)
質量約226〜212g
本体色イエロー、ブラック
ディスプレイ約6.67インチWQHD+(1440×3200ドット)AMOLED(有機EL)
HDR表示
チップセット(SoC)Qualcomm Snapdragon 8 Elite Mobile Platform(型番:SM8750-AB)
CPUオクタコア「4.32GHz Oryon V2 Phoenix Lコア×2+3.56GHz Oryon V2 Phoenix Mコア×6」
GPUドデカコア「1.2GHz Adreno 830」)
内蔵メモリー(RAM)12GB、16GB(LPDDR5X)
内蔵ストレージ256GB、512GB(UFS 4.0)
外部ストレージ
リアカメラ約5000万画素CMOS/広角レンズ(F1.6)、約3200万画素CMOS/超広角レンズ(F2.2)、約5000万画素CMOS/望遠レンズ(F2.0)
フロントカメラ約3200万画素CMOS/広角レンズ(F2.0)
バッテリー容量5300mAh(取外不可)
接続端子USB Type-C(USB 2.0)
急速充電最大120W
ワイヤレス充電最大50W
生体認証指紋(画面内・超音波式)、顔
防水/防塵/耐衝撃○(IPX8)/○(IP6X)/ー
おサイフケータイ(FeliCa/NFC)ー/○
ワンセグ/フルセグー/ー
FMラジオ/ワイドFM/ハイブリッドラジオー/ー/ー
ハイレゾ音源
無線LAN(Wi-Fi)IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax/be準拠(2.4、5GHz)
BluetoothVersion 6.0(デュアル)
VoLTE/VoLTE(HD+)○/○
SIMnanoSIMカード×2(デュアルSIM)
OSAndroid 15/HyperOS 2.0
メーカーXiaomi Communications







記事執筆:memn0ck


■関連リンク
エスマックス(S-MAX)
エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
S-MAX - Facebookページ
POCO F7 Ultra 関連記事一覧 - S-MAX
POCO F7 Ultra - Xiaomi Japan