新スマホ「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」が分解!通信チップはQualcomm製と判明

日本ではNTTドコモやau、SoftBank、Appleなどから10月23日に発売された最新スマートフォン(スマホ)「iPhone 12」および「iPhone 12 Pro」ですが、発売直後の恒例とも言えるiFixitなどの修理業者を中心に分解がさっそく行われています。

Appleが公開している製品仕様では内蔵メモリー(RAM)や電池パックの容量などの詳細なスペックが明らかにされていませんが、すでに各種認証機関などによってある程度判明していましたが、今回、分解したことによる部品によってそれらの数値が確定しました。

またiPhone 12シリーズの大きなトピックのひとつである5G対応ですが、通信チップはQualcomm製「Snapdragon X55 5G modem(SDX55M)」であることが判明しました。昨年のiPhone 11シリーズではIntel製でしたが、5G対応モデムとしてQualcommに変更されました。

その他、各種の搭載部品や修理のしやすさなど、分解してわかったことをまとめて紹介したいと思います。なお、iPhone 12シリーズはこの後、11月16日に小型モデル「iPhone 12 mini」と上位モデルの大画面機種「iPhone 12 Pro Max」も発売予定となっています。

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iPhone 12 Proの新色パシフィックブルー

まずiPhone 12およびiPhone 12 Proはすでに紹介しているようにSIMカードスロットが本体左側に変更されていることと相関があると思われますが、分解する場合に右側から左に開くようになっています。これまでのiPhoneシリーズではiPhone 5シリーズやiPhone 6シリーズでは上側から下へ、iPhone 7シリーズ以降は左側から右に開くようになっていました。

またTaptic EngineがiPhone 11では26.9×11.18×3.44mmでしたが、iPhone 12とiPhone 12 Proでは22.25×9.48×3.56mmと小型化しているとのこと。バッテリー容量は認証機関などにて判明していたように両機種ともに2815mAh(3.83V/10.78Wh)となっており、iPhone 11シリーズなどで採用されていたL字型ではなく、普通の長方形となっています。

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iPhone 12およびiPhone 12 Proの分解後の各部品(写真はiFixitより転載)

チップセット(SoC)の「Apple A14 Bionic」は型番「APL1W01」となっており、Micron製内蔵メモリー(RAM)「D9XMR MT53D512M64D4UA-046 XT:F」(iPhone 12は 4GB、iPhone 12 Proは6GBのLPDDR4 SDRAM)が乗っており、内蔵ストレージは「KICM224AY4402TWNA12029」と記載されているため、サムスン電子製のようだとのこと。

また通信周りはQualcomm SDX55M 5G modem-RF systemとQualcomm SDR865 5G and LTE transceiver、SMR526 intermediate frequency ICで構成されており、このことが「Pixel 5」などと同じくデュアルSIMにすると4Gに制限される仕様の原因となっていそうです。さらに5G対応へのコスト増のため、他の部品のコスト削減が行われていると噂されています。UWBチップはiPhone 11シリーズと同じ「Apple U1」を採用。その他、MagSageは18個の磁石からなっているということです。

03iPhone 12およびiPhone 12 Proのロジックボード(写真はiFixitより転載)

最後に分解のしやすさについてもiFixitではiPhone 11シリーズなどと同じ「6」(10段階評価)としており、同様にマイナス点はApple独自のネジ用ドライバーを用意する必要がある点や防水仕様に対応させなければいけない点、そしてやはり最大の問題は前面と背面のガラスパネルが割れやすく、割れてしまうとすべての部品を取り出して全体を交換しないといけないことが大きいとしています。









記事執筆:memn0ck


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