今度は内側を比較!国内モデルと香港3Gモデルとの差は?

高い質感と完成度であるにもかかわらず、比較的低価格で提供されているASUSTeK Computer(以下、ASUS)製のSIMフリースマートフォン「Zenfone 5」。

売れ行きも上々なようで一部店舗では、品切れを起こすところも出てくるなど、SIMフリースマートフォンとしては頭1つ出た人気となっているようです。

さて、前回の比較記事では国内向けLTEモデルと香港で販売されている3Gモデルの個装箱や外観の違いなどを紹介しましたが、今回は中身の部分における両機種の違いを写真を交えてレポートします。

◯起動画面が違う
トップ画像に両機種の起動時の違いを並べた写真を掲載していますが、見て分かる通り、3GモデルにはCPUにIntel製「Atom」を搭載しています。そのため、外箱や外観の比較でも紹介したように3Gモデルの起動時には画面下部に「Intel inside」のロゴマークが表示されます。
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なお、インテルのロゴ以外の起動時の挙動は共通



◯クイック設定の項目が違う
さて、起動後ではホーム画面にて画面上部から下へ向かってスワイプすると表示される「クイック設定」に表示される項目が異なります。
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国内向けLTEモデル(写真=左)および香港向け3Gモデル(写真=右)

まず、香港向け3GモデルはデュアルSIMカードスロット搭載のため、SIMカード切り替えマネージャーへのショートカットがあり、逆に国内向けモデルでは「インスタント辞書」の項目がありますが、香港向け3Gモデルにはありません。

その他、国内向けには「手袋モード」や「着信拒否」とされている部分が、香港向け3Gモデルでは「グローブモード」や「Do not disturb」となっています。


◯モバイルネットワークのメニューが違う
LTEモデルと3Gモデルと初めから言っているので、違うといえば当然なのですが、設定の「モバイルネットワーク」の項目で「優先ネットワークタイプ」を選ぶとLTE対応モデルでは「LTE/GSM/WCDMA 自動」および「WCDMAのみ」、「GSMのみ」、「GSM/WCDMA 自動」の4つの項目から選択ができるのに対し、3Gモデルでは「2Gネットワークのみ使用」にチェックを入れるかどうかの2択となります。
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幅広い設定項目から選べるのはLTEモデルのみ(写真=左)



◯カメラのシャッター音の設定の有無が違う
日本国内向けのZenFone 5にはカメラ起動時の設定に「カメラサウンド」という項目がありません。これは恐らく、LTEモデルと3Gモデルの違いというよりも「日本国内向けとそれ以外のモデルの違い」ではないかと思われます。
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海外モデルにのみ存在する「カメラサウンド」の項目(写真=右)

国内向けのほとんどのスマートフォンは防犯上の観点からカメラのシャッター音を必ず鳴るようになっており、逆に海外ではスマートフォンでカメラのシャッター音を切ることができるようになっている機種もあります。

例えば、SIMフリーモデルの「Xperia Z3」は国内向けのSIMカードを挿入すると必ずシャッター音が鳴るようになっているなどといったことがあります。

このため、国内向けのZenFone 5ではシャッター音を消すことができません。

余談ですが、昨年発売されたASUSのハイエンドスマートフォン「PadFone 2」では、国内モデルであるにもかかわらず、シャッター音を消すことができたりします……(だからといって悪いことに使っちゃダメですよ!)。


◯ベンチマークスコアで違いをチェック!
最後に搭載チップセット(CPUやGPU)の異なる両者のベンチマークテストの結果を比べてみたいと思います。利用したベンチマークテストアプリは定番の「Antutu Benchmark」と主にゲームアプリなどへの3D性能をテストする「3D Mark」、そして、3Dモデルを踊らせてスコアを計測する「LukaLuka Bench」(ミクでなく、ルカにしたのは筆者の趣味)で比べてみたいと思います。
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チップセット情報確認アプリ「CPU-Z」で表示した両者の端末情報、写真左が国内向けモデルで、右側が香港向け3Gモデルのもの

国内向けLTEモデルはクアッドコアCPUで3GモデルはデュアルコアCPUですが、Intel製「Atom Z2560」はデュアルコアCPUの4スレッド動作のため3GモデルもCPUの項目が4列になっています。


・Antutu Benchmarkのテスト結果
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国内向けのスコア(写真=左)と香港向け3Gモデルのスコア(写真=右)

Atomを搭載した3Gモデルの方がややスコアを上回っていますが、どちらも「Good」と同じ評価レベルとなっており、筆者の感触では実際の操作感も、ほとんど差は感じられません。

・3D Markのテスト結果
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こちらでも3Gモデルのスコアが勝っている

3D Markのスコア結果でも香港向け3Gモデルが勝っています。モバイル回線の面においては国内向けLTEモデルが勝るので、ちょっと歯がゆいかもしれませんね。

両者のスコアを見てみると、国内向けLTEモデルは「AQUOS CRYSTAL 305SH」とほぼ同スコア、3Gモデルが「Xperia SX SO-05D」と似た数値であることがわかります。

・LukaLuka Benchのテスト結果
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LTEモデル(写真=左)が大きく3Gモデル(写真=右)を突き放した

3Dモデルのキャラクターが踊るベンチマークのLukaLuka Benchでは3Gモデルに大きな差をつけて国内向けLTEモデルが勝っています。

テスト中の3Gモデル側はほとんどコマ送り状態で常時3fps(秒間3フレーム)で動作していました。これは恐らく、アプリ側が「Atomでの動作に対応していない」ものと思われます。

ですので、LukaLuka Benchでのテストはあまり参考にならなさそうです。


◯比較結果を振り返って
外観での素材や国内でのカメラに関する事情による違いなど、比べてみると思った以上に多くの違いが確認できました。

しかし、モバイル通信に関してはLTE対応の可否の時点で国内向けモデルの方が実用度が高いのは間違いありません。

カメラ機能や操作感覚に、端末そのものの質感など、非常に高いコストパフォーマンスのある端末です。海外へ渡航する際のお供としても、サブ機としても優秀なスマートフォンであると思います。

未体験な方には是非、一度店頭などで触って体験してみてはどうでしょうか?

記事執筆:河童丸


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