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単なる価格勝負のMVNOからの脱却を目指す楽天モバイル

楽天は28日、同社がNTTドコモから回線を借り入れて仮想移動体通信事業者(MVNO)として提供している携帯電話サービス「楽天モバイル」( http://mobile.rakuten.co.jp )における「2016夏 新サービス・新商品発表会」を都内にて開催しました。

楽天モバイルは2014年より事業を開始し、昨今の格安SIMブームの火付け役となった事業者の1つでもあります。当初より豊富なスマートフォン(スマホ)などのラインナップや充実したサービス内容などを売りとしてきましたが、今回の発表でもその流れをさらに後押しする形での大幅なサービス拡充を発表しました。

楽天だからこそできた新サービスとは一体どのようなものなのでしょうか。今回はそんな楽天モバイルの狙いなども含めて発表された内容を紹介していきたいと思います。

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楽天副社長執行役員の平井康文氏

登壇冒頭に「LTEという言葉が一般に普及し、格安スマホやMVNOというキーワードもまた浸透してきました。」と切り出したのは楽天副社長の平井氏。MVNOという存在が確実に人々の生活基盤に根付きつつある現状を踏まえ、「MVNOはさらに進化していきます。その中でも風雲児と呼ばれる楽天モバイルは色々なことに積極的にチャレンジしていきます。」と力強くアピールしました。


■楽天スーパーポイントで月額料金を実質無料に!
今回楽天モバイルが新サービスとして最も強調したのは「楽天スーパーポイント」との連携です。楽天モバイルでの支払いに楽天スーパーポイントを充てることができるようになり、楽天市場の利用状況によっては楽天モバイルの利用料金が実質無料にもなる点を強調。

平井氏の次に登壇した楽天モバイル事業長の大尾嘉氏は「楽天会員のうち160万人以上が月1,350ポイント以上を獲得していますが、この方々が楽天モバイルを利用すれば月額料金が実質無料になります。」と、その適用範囲の広さも強くアピールしました。

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楽天モバイル事業長 大尾嘉宏人氏


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通話対応SIMの利用率上昇をピックアップし「MVNOをメイン利用にする消費者が増えている」と語る平井氏


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楽天モバイルの最大の狙いは楽天スーパーポイントを利用した「囲い込み」にある


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ポイントを割引に充当できるサービスは多いが全額利用で実質無料にできるサービスは珍しい


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すでに楽天を利用している消費者の実際の数字という点に現実味がある

大尾嘉氏はさらに総務省が発表する一般家庭の支出を例として取り上げ、光熱費や食費など楽天市場や楽天カードでの支払いをシミュレート。そこで得られるポイント数をピンポン玉で表現するパフォーマンスも披露しました。

透明なアクリルケージに1玉1ポイントで次々に投入されるピンポン玉の数はみるみるうちに貯まっていき、あっという間に月額1,350円のベーシックプランのラインを突破。さらに理美容費や旅行費、生活雑貨費なども追加していくと5GBプランも超えました。

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楽天カードに支払いをまとめた場合のポイント数の多さに驚く


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どんどん貯まっていくピンポン玉に自信の色を見せる大尾嘉氏。手にしているのは楽天カード


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生活にかかる費用や実際の食材などを並べることで具体性を強調


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ピンポン玉はついに5GBプランの料金ラインを突破。一般家庭の支出で1人分のスマホ料金が十分補えてしまうのは衝撃だ

楽天スーパーポイントでの支払い適用は2016年8月請求分からとなり、月額基本使用料、通話料、各種のオプション料金が対象となるほか、事務手数料やMNPなどの初期費用、端末代金(分割払いは対象外)、違約金も対象となります。


■スマホ3機種を対象に「コミコミプラン」を導入
発表会ではスマホの新製品として「arrows M03」(富士通コネクテッドテクノロジーズ製)や「AQUOS mini SH-M03」(シャープ製)、「ZTE BLADE E01」(ZTE製)なども発表されましたが、この新機種であるarrows M03とZTE BLADE E01、そして、すでに販売開始している新製品「HUAWEI P9 lite」(Huawei Technologies製)を対象に通話料金とデータ通信料金、さらに端末代金までをセットにした「コミコミプラン」を7月1日から提供を開始します(コミコミプランSおよびMが受付開始、コミコミプランLが予約開始)。

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プランはそれぞれ端末価格などに応じてS、M、Lと分けられている

「コミコミプランS」はZTE BLADE E01が対象で2GBのデータ通信と「5分かけ放題オプション」がセットになり、1年目は月額1,880円(税抜き)、2年目が月額2,980円(税抜き)、3年目以降が月額2,446円(税抜き)となります。

「コミコミプランM」はHUAWEI P9 liteが対象で2GBのデータ通信と「5分かけ放題オプション」がセットとなり、1年目は月額2,480円(税抜き)、2年目が月額3,480円(税抜き)、3年目以降が月額2,230円(税抜き)となります。

「コミコミプランL」はarrows M03が対象で4GBのデータ通信と「5分かけ放題オプション」がセットとなり、1年目は月額2,980円(税抜き)、2年目が月額3,980円(税抜き)、3年目以降が月額2,613円(税抜き)となります。

これらのコミコミプランは2年間の最低利用期間が設けられた、いわゆる「2年縛り」となっており、中途解約時には違約金として12,000円がかかります。

月額1,880円という安さについては発表会後半で登壇した楽天モバイル事業チーフプロダクトオフィサーの黒住氏も「イチパッパ!イチパッパ!」と何度も連呼するなど強くアピールしており、その後の質疑応答でも「マーケットが期待している1つの方向性」と述べるなど、価格に対する自信を見せていました。

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楽天モバイル事業チーフプロダクトオフィサーの黒住吉郎氏


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実店舗での販路拡大も積極的に行っている


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今回新たにエディオンやゲオ、ITXなどの一部店舗でも取り扱いを開始した


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シニア層の潜在顧客を取り込むための施策にも積極的だ


■その他新サービスや新プランも多数発表
海外からの外国人観光客をターゲットとしたプリペイド方式の「楽天モバイル プリペイドSIM」は6月28日から販売を開始、チャットやリモート操作でスマホの使い方の相談などができる「あんしんリモートサポート」を7月中旬より提供開始、留守番電話に登録された音声をテキストメッセージとして表示できる「スマート留守電」を7月下旬より提供開始するなど、MVNOとしては異色のサービスの広さ。

安さだけではない「楽天モバイルならでは」のメリットへのアプローチが印象的な発表会でした。NTTドコモなどの大手携帯電話会社の利用料金の高止まりに対し、月数百円から利用できることで話題になっている格安SIMですが、一方でサポートやサービス面で心配が残り、その隙を大手携帯電話会社のサブブランド「Y!mobile」などが突いてきています。

それに対し、楽天モバイルも単なる料金競争から大手携帯電話会社ほどではないにしろ、きちんとしたサポートやサービスを提供していく方針を打ち出しており、独自の店舗展開やブランド力も含めての総合力で攻めてきており、今後も期待できそうな勢いを感じました。

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1GBが30日間有効、2GBが90日間有効。それぞれ容量の追加購入が可能だ


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周辺機器の販売なども行う


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スマホ初心者でも使いやすいMVNO事業者を目指す


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壇上では大尾嘉氏があんしんリモートサポートを実際に使ってみる小芝居なども




記事執筆:あるかでぃあ


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