3万円台の液タブ「Parblo Coast10」をレビュー! |
以前に紹介したようにAmazon.co.jpで3万円台で購入できる液晶タブレット「Parblo Coast10」。実際に購入して試している自腹レビューの第2回目は、筆圧対応のペイントソフトでの描き心地を確認し、他の筆圧対応デバイスとの比較をしてみたいと思います。
購入したのは専用キーボードが付属したセット「Parblo Coast10 10.1インチ 液晶グラフィックモニター お描き液晶ペンタベレット HD IPS バッテリーフリーペン+メカニカルキーボード+3 pcs マイクロベルクロケーブルタイ+2指グローブ+ポータブル高速4ポートUSB3.0ハブ+ウールライナースリーブキャリングバッグ+ペンスリーブホルダなどが付き」で、購入時と同様に2016年9月4日現在でも34,999円(税込)で販売されています。その他、最小構成で30,999円(税込)からと3万円台どころかほぼ3万円で購入可能です。
今回、比較用に用意した筆圧対応デバイスは、以前より使っている東芝のWindowsタブレット「dynabook Tab S68」および板タブレット「Bamboo Fun CTE-650」と「Bamboo Funペン EP-155E」、ペン比較のみで「WACOM Bamboo Stylus feel for Samsung Galaxy Note」です。
まずペン軸の太さ比較からしておきますが、左からParblo Coast10およびdynabook Tab S68、EP-155E、WACOM Bamboo Stylus feel for Samsung Galaxy Note、三菱鉛筆のボールペン「JETSTREAM」となります。
Parblo Coast10のペンはストンとしたシルエットで、手触りはサラサラとしています。また、バッテリーフリーで約10gと軽いのも特長。なお、三菱鉛筆のJETSTREAMも約10gと普通のボールペンと同じくらいで、手に馴染む軽さだと思います。逆に重みがある程度欲しい人は注意が必要かもしれません。
仕組みとしては、Parblo Coast10のペンは「電磁タッチ(Electromagnetic Touch)方式」を採用。一方、dynabook Tab S68には、東芝とワコムが共同開発したペン技術「アクティブ静電結合方式」が採用されており、単6電池が必要となる約17gと少し重め。
Bamboo FunのCTE-650+EP-155Eのペン入力読取方式は「電磁誘導方式」で、バッテリーの必要ない約14gのペン。それぞれワコムのペナブルテクノロジーのペンが搭載されています。
また、WACOM Bamboo Stylus feel for Samsung Galaxy Noteは「電磁誘導方式」(Sペン)となっています。ただし、EP-155Eの「電磁誘導方式」と同じ名称ですが、違う技術であるため互換性はありません。
また、dynabook Tab S68のペンとBamboo Fun CTE-650+EP-155Eのペンにも互換性はありません。なお、Parblo Coast10は画面を指などでタッチしての操作には対応していません。
まず、Parblo Coast10に他のペンは使えるかを確認したいと思います。Parblo Coast10に付属していたペン以外の手持ちのすべてのペンで反応がありません。当然と言えば当然なのですが、他のペンでは描けないようです。
続いて、筆圧対応のアプリで描き心地を試していきます。現在、筆者の環境にはParblo Coast10を含めモニターが3枚ある状態なので、まずはマッピングの確認をします。
Parblo Coast10の設定画面では、右下のCalibratボタンで四隅をタッチしペンのずれを補正できます。また、マッピングではどの範囲を認識させるかを選びます。3番目がParblo Coast10なのでマッピングも3番目のモニターに合せます。
Windowsアプリ「CLIP STUDIO PAINT」をParblo Coast10に全画面表示してみます。各デバイスで、すべてCLIP STUDIO PAINTの同じ設定のペンで書いています。また、すべてのペン設定は筆圧の調節はしておらずデフォルトの状態です。
Parblo Coast10では、筆圧感知は思い切り力を入れないと感知しないなどということもなくスムーズです。ペンの入りや抜きも滑らかです。さらに遅延も特に感じません。
Parblo Coast10とBamboo Fun
CTE-650+EP-155Eではペンを逆さまにすると消しゴムになりますが、これもスムーズに使えました。
Parblo Coast10とdynabook Tab S68にてCLIP STUDIO PAINTを使って実際に絵を描いてみました。これもすべてCLIP STUDIO PAINTの同じ設定のペンで描いており、すべてのペン設定は筆圧の調節はしておらずデフォルトの状態です。
それぞれ問題なく描けています。一方、Bamboo Fun CTE-650+EP-155Eを基準と考えると、Parblo Coast10では強めに、dynabook Tab S68では弱めに線が出やすいようです。
同じ設定のペンを使っても太さが違うように描画されるのは、ペンの太さや筆圧の設定を変えれば対応できるので、その辺りは使う人が補正すればよいかと思います。
dynabook Tab S68では縮小表示時にはわかりませんが、おおむね70%以上に拡大して確認すると、ひょろっとした線が描かれてしまいます。どんなに気をつけても100%表示で作業してもひょろっとなります。
Parblo Coast10は特に何も気を付けなくてもいつも通りのペン運びで、ひょろっとした線は描かれませんので、手癖の問題ではなくdynabook Tab S68では特質上そのような線が描かれてしまうようです。
Parblo Coast10で描いた際のペンと液晶の物理的な感触ですが、付属の液晶保護フィルムも多少原因になっているかも知れませんが、カツカツとプラスチックが当たる安っぽい音がしますが、特に危うい感じもせず、本体に付いているスタンドもぐらつくことなく描けています。
ペン先の押し込み感はありますが、今のところ無駄に力が入った時のみなので、特に気にするほどではないでしょう。個人的にはペン先の摩擦をもう少し増やしたいので、マットな液晶保護フィルムを近々手に入れる予定にしています。
Parblo Coast10とdynabook Tab S68などと描き比べましたが、Parblo Coast10はペンが約10gと軽いので、長時間使用しても疲れにくく楽と感じました。
また、dynabook Tab S68は電池込みで約17gと数字上ではたいした違いがないように思いますが、電池の重さで重心がペン先と反対側に来るために実際より重く感じ疲れるというところがあります。
Parblo Coast10のペンは軸が細いので、グリップに何か巻きつけるなどした方がより楽に使えると思います。こういったペンは消耗品であり、Parblo Coast10のペンももちろん買い替えや買い足しができますからガシガシ使えますね。
モニターの色味ですが、前回の購入レポートでも触れましたが、少し青っぽいです。モニター環境によって色味が違うように見えるとはいえ、大事な絵は別途、色再現性の高いモニターで確認した方が良いかもしれません。モノクロの絵ならもちろん問題はありませんが。
最後にParblo Coast10の購入時は使い心地など過大な期待はしておらず、作業の足しになったら良いくらいの気持ちでしたが、今では充分に役立ってくれています。少しペンの設定を自分好みにカスタマイズする予定ではありますが。
一方で、Parblo Coast10では液晶の明るさの調節ができないのが地味に辛く感じました。長時間の作業時は少し暗めにして作業したい派なので、そもそもそういった機能や設定がないのでこの点についてはどうにもならないといったところです。部屋を明るくして使わないと厳しいですかね。
次回、付属キーボードの活用や別用途のサブモニターとして使ってみたレビューを紹介したいと思います。
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・ワコムの新しいペン技術「アクティブ静電結合方式」を採用した東芝のWindows 8.1搭載8インチタブレット「dynabook Tab S68」で絵を描いてみた【レビュー】 - S-MAX
・Parblo Coast10 10.1 inches Graphics Monitor
・parblo.com
まずペン軸の太さ比較からしておきますが、左からParblo Coast10およびdynabook Tab S68、EP-155E、WACOM Bamboo Stylus feel for Samsung Galaxy Note、三菱鉛筆のボールペン「JETSTREAM」となります。
Parblo Coast10のペンはストンとしたシルエットで、手触りはサラサラとしています。また、バッテリーフリーで約10gと軽いのも特長。なお、三菱鉛筆のJETSTREAMも約10gと普通のボールペンと同じくらいで、手に馴染む軽さだと思います。逆に重みがある程度欲しい人は注意が必要かもしれません。
仕組みとしては、Parblo Coast10のペンは「電磁タッチ(Electromagnetic Touch)方式」を採用。一方、dynabook Tab S68には、東芝とワコムが共同開発したペン技術「アクティブ静電結合方式」が採用されており、単6電池が必要となる約17gと少し重め。
Bamboo FunのCTE-650+EP-155Eのペン入力読取方式は「電磁誘導方式」で、バッテリーの必要ない約14gのペン。それぞれワコムのペナブルテクノロジーのペンが搭載されています。
また、WACOM Bamboo Stylus feel for Samsung Galaxy Noteは「電磁誘導方式」(Sペン)となっています。ただし、EP-155Eの「電磁誘導方式」と同じ名称ですが、違う技術であるため互換性はありません。
また、dynabook Tab S68のペンとBamboo Fun CTE-650+EP-155Eのペンにも互換性はありません。なお、Parblo Coast10は画面を指などでタッチしての操作には対応していません。
まず、Parblo Coast10に他のペンは使えるかを確認したいと思います。Parblo Coast10に付属していたペン以外の手持ちのすべてのペンで反応がありません。当然と言えば当然なのですが、他のペンでは描けないようです。
続いて、筆圧対応のアプリで描き心地を試していきます。現在、筆者の環境にはParblo Coast10を含めモニターが3枚ある状態なので、まずはマッピングの確認をします。
Parblo Coast10の設定画面では、右下のCalibratボタンで四隅をタッチしペンのずれを補正できます。また、マッピングではどの範囲を認識させるかを選びます。3番目がParblo Coast10なのでマッピングも3番目のモニターに合せます。
Windowsアプリ「CLIP STUDIO PAINT」をParblo Coast10に全画面表示してみます。各デバイスで、すべてCLIP STUDIO PAINTの同じ設定のペンで書いています。また、すべてのペン設定は筆圧の調節はしておらずデフォルトの状態です。
Parblo Coast10では、筆圧感知は思い切り力を入れないと感知しないなどということもなくスムーズです。ペンの入りや抜きも滑らかです。さらに遅延も特に感じません。
Parblo Coast10とBamboo Fun
CTE-650+EP-155Eではペンを逆さまにすると消しゴムになりますが、これもスムーズに使えました。
Parblo Coast10とdynabook Tab S68にてCLIP STUDIO PAINTを使って実際に絵を描いてみました。これもすべてCLIP STUDIO PAINTの同じ設定のペンで描いており、すべてのペン設定は筆圧の調節はしておらずデフォルトの状態です。
それぞれ問題なく描けています。一方、Bamboo Fun CTE-650+EP-155Eを基準と考えると、Parblo Coast10では強めに、dynabook Tab S68では弱めに線が出やすいようです。
同じ設定のペンを使っても太さが違うように描画されるのは、ペンの太さや筆圧の設定を変えれば対応できるので、その辺りは使う人が補正すればよいかと思います。
dynabook Tab S68では縮小表示時にはわかりませんが、おおむね70%以上に拡大して確認すると、ひょろっとした線が描かれてしまいます。どんなに気をつけても100%表示で作業してもひょろっとなります。
Parblo Coast10は特に何も気を付けなくてもいつも通りのペン運びで、ひょろっとした線は描かれませんので、手癖の問題ではなくdynabook Tab S68では特質上そのような線が描かれてしまうようです。
Parblo Coast10で描いた際のペンと液晶の物理的な感触ですが、付属の液晶保護フィルムも多少原因になっているかも知れませんが、カツカツとプラスチックが当たる安っぽい音がしますが、特に危うい感じもせず、本体に付いているスタンドもぐらつくことなく描けています。
ペン先の押し込み感はありますが、今のところ無駄に力が入った時のみなので、特に気にするほどではないでしょう。個人的にはペン先の摩擦をもう少し増やしたいので、マットな液晶保護フィルムを近々手に入れる予定にしています。
Parblo Coast10とdynabook Tab S68などと描き比べましたが、Parblo Coast10はペンが約10gと軽いので、長時間使用しても疲れにくく楽と感じました。
また、dynabook Tab S68は電池込みで約17gと数字上ではたいした違いがないように思いますが、電池の重さで重心がペン先と反対側に来るために実際より重く感じ疲れるというところがあります。
Parblo Coast10のペンは軸が細いので、グリップに何か巻きつけるなどした方がより楽に使えると思います。こういったペンは消耗品であり、Parblo Coast10のペンももちろん買い替えや買い足しができますからガシガシ使えますね。
モニターの色味ですが、前回の購入レポートでも触れましたが、少し青っぽいです。モニター環境によって色味が違うように見えるとはいえ、大事な絵は別途、色再現性の高いモニターで確認した方が良いかもしれません。モノクロの絵ならもちろん問題はありませんが。
最後にParblo Coast10の購入時は使い心地など過大な期待はしておらず、作業の足しになったら良いくらいの気持ちでしたが、今では充分に役立ってくれています。少しペンの設定を自分好みにカスタマイズする予定ではありますが。
一方で、Parblo Coast10では液晶の明るさの調節ができないのが地味に辛く感じました。長時間の作業時は少し暗めにして作業したい派なので、そもそもそういった機能や設定がないのでこの点についてはどうにもならないといったところです。部屋を明るくして使わないと厳しいですかね。
次回、付属キーボードの活用や別用途のサブモニターとして使ってみたレビューを紹介したいと思います。
Parblo
記事執筆:Hisumi
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