NTTレゾナントがgooサービスへAI技術を本格導入開始! |
NTTレゾナントは同社が運営するポータルサイト「goo」の新サービスなどを発表する「NTTレゾナント メディアカンファレンス」を9月20日に開催し、AIが旅行計画の手助けをする「goo旅行」のAIチャットサービス「旅行相談AI」の開始やAIによる生活支援および行動支援を実現させる「gSntk(グーエスエヌティーケー)」のPoC(概念実証)開始などを発表しました。
同社はこれまでgooサービスで培ってきた言語処理技術をベースとしたAI技術の開発に取り組んできましたが、今回「goo旅行」サービスへ導入されたAIによる旅行計画作成支援を行うという新たな試みは、今後AI技術を生活支援に幅広く活用するための試金石としての意味もあります。
同社が考えるAIと人間との関わり方や目指す未来とはどのようなものなのでしょうか。発表会の模様とともに新サービスやその技術について解説します。
■ぼんやりとした「気持ち」をAIが具体化する
AIを活用したgoo旅行の「旅行相談AI」サービスは発表会当日の9月20日よりサービスが開始されており、こちらのURLより無料で利用可能となっています。
本サービスはAIによるチャットボットとの対話形式によって旅行プランを計画することが出来るようになっており、ユーザーはAIに「相談」するような形でプランを考えられます。
使い方としては、綿密に旅行計画を立てるのではなく、「どこか遠くに行きたい」とか「美味しいものが食べたい」など、漠然とした「気持ち」を具体化させてくれるようなサービスとなっています。
AIが提示してくれる旅行プランや旅先の情報はgooが持つ独自の旅行データや同社の運営するブログサイトなどの情報を参考にしており、現在のところは企業とのタイアップなどはないとのことで、「まずは皆様に使って頂きそこからのフィードバックを元に更に使いやすく改良していきたい(担当者)」とのことでした。
■すべてのサービスを対話型へ
技術解説として登壇した同社メディア事業部 ポータルサービス部門の鈴木基久氏は「gooのすべてのサービスを対話型へ作り替えていきたい」と語り、AIがもたらすネットの利用形態の変容も示唆しました。
これまでの検索システムはユーザーがキーワードを打ち込みそのキーワードにヒットする結果を出力するといったものでしたが、AIによる検索サポートではAIがユーザーの感情や状況を判断してキーワードを「提案」することで、そもそもユーザーがキーワードを打ち込む必要すら無くなる可能性があります。
今回同社が本サービスで実現したかった部分こそがこの「提案」の実現です。「京都に行きたい」「沖縄の海が見たい」といったような具体的なイメージがあるユーザーではなく、どこへ行こうか迷っている人への提案をAIがどこまでできるのか、というチャレンジでもあります。
■AIによる「生活支援」を目指すgSntkプロジェクト
同社がAIによるサービスで目指す未来は「生活支援」や「行動支援」です。これはグループ企業であるNTTドコモなどが常に標榜し目指しているサービスの在り方でもあり、NTTグループ全体が生活支援サービスに向かって技術開発を行っている背景が垣間見えます。
AIによる生活支援および行動支援とは、IoT技術を駆使して各種センサーなどから得られた情報をAIが分析・判断し、ユーザーへ生活上の提案やサポートを行うというものです。NTTドコモではこの実証実験として今年6月よりスマートホームのモデルハウスを公開していますが、NTTレゾナントはこのアプローチにgooの持つ膨大なデータベースと言語処理技術のノウハウを活用しようというもので、これが「gSntk」プロジェクトになります。
gSntkプロジェクトでは天気予報やニュースなどの各種検索機能の対話型AIへの置き換えや各種IoTデバイスのコントロールなどを大きな目標としており、今回発表されたgoo旅行でのAIチャットサービスはこういったサービスを実現するための足がかりでもあります。
gSntkプロジェクトが目指す生活支援の在り方については以下の動画もご参照ください。
【NTTレゾナント】IoT時代の 「あうんの呼吸」を実現する日本発のプロジェクト
動画リンク:https://youtu.be/88j8dKBtENE
gSntkプロジェクトでは9月20日より首都圏内に住む家族を対象としたモニター募集やIoTデバイスの開発や製造、AIコンテンツを扱うパートナー事業者の追加募集なども開始しており、こちらの公式サイトより応募ができます。
人がインターネットにアクセスし、そこで何かを探す「一方通行」の時代はもうすぐ終わろうとしています。次の時代は「AIが人に提案をする時代」です。AIと人が対話をしながら生活の質を向上させていく。そんな未来を同社は思い描いているのかもしれません。
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