Jアラートなどの緊急速報メールが共通受信仕様を策定!

電気通信事業者協会(TCA)は25日、NTTドコモおよびKDDI、ソフトバンクの3社とともに安全・信頼性協議会 緊急速報メールサブワーキンググループにおいて各社が提供する緊急速報「エリアメール」および「緊急速報メール」のそれぞれについてGoogleが提供するスマートフォン(スマホ)など向けプラットフォーム「Android 8.1(開発コード名:Oreo)」向けに共通受信仕様を策定したとお知らせしています。

これまでAndroidスマホなどにおいてエリアメールおよび緊急速報メールを受信するためには専用のアプリが必要で仕様が公開されていないため、これらの会社向けに製品を開発・製造しているメーカー以外では仕様がわからずに受信できるかわからないといった状況でした。

そのため、TCAでは各社のメッセージ受信に関わる部分をAndroid 8.1 Oreo向けに共通受信仕様として策定したとのことで、これにより、今後はSIMフリー製品においてもエリアメールおよび緊急速報メールを受信することが期待できるとしています。

今回、共通受信仕様が策定されたのは、気象庁が発表する「緊急地震速報」や「津波警報」、また国や各自治体が住民に避難勧告等を発令する「Jアラート」で配信される「国民保護情報」を含む「災害・避難情報」を一斉配信するサービスです。

NTTドコモではエリアメール、auやSoftBank、Y!mobileでは緊急速報メールという名称でサービスを提供しており、基本的にこれらのNTTドコモやau、SoftBank、Y!mobileの製品でそれぞれの契約回線(SIMカード)を装着している場合には受信できるようになっています。

また各社から回線を借り入れて仮想移動体通信事業者(MVNO)として提供されている携帯電話サービスにおいても受信は可能なものの、一方で、スマホなどの製品側が対応していないと受信できないため、SIMフリー製品では一部で受信できないといった問題がありました。

特に新興メーカーなどでこれらのNTTドコモなどに製品を納品していないところは仕様がわからず、例えば、SIMフリースマホ「NuAns NEO [Reloaded]」を開発・販売するトリニティでは独自に実装して実際のJアラートの配信で確かめるなどと苦労している様子が伺えました。

今回、Android 8.1 Oreo向けに共通受信仕様が策定されたことで、今後はAndroid 8.1 Oreo以降であればJアラートを含むエリアメールおよび緊急地震速報を受信可能になると見られます。すでにAndroid 8.1 Oreoでは実装されており、Android 8.1 Oreo以降を搭載すれば標準で利用可能(ただし、メーカーが機能をオフにしていない限り)。

すでにAndroid 8.1 Oreoが配信開始されている「Nexus 6P」や「Nexus 5X」では「設定」の「音」や「アプリと通知」に「緊急速報メール」の項目があります。なお、TCAの安全・信頼性協議会 緊急速報メールサブワーキンググループでは、今後もサービス品質の向上をめざし、共通的な課題の検討を行っていくとしています。

記事執筆:memn0ck


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