アップルの新スマホ「iPhone SE(第2世代)」は新旧製品の組み合わせで低コスト化を実現!

既報通り、日本でもAppleから4月24日に発売された最新スマートフォン(スマホ)「iPhone SE(第2世代)」。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響もあってようやく本日5月11日にNTTドコモやau、SoftBankからも発売されます。

そんなiPhone SE(第2世代)について発売直後の恒例とも言えるiFixitなどの修理業者や調査会社によって分解が行われており、分解したことによる部品によってAppleが公開していない製品の詳細な仕様が判明しています。

発売時から本体価格が税込49,280円(Apple直販のSIMフリー版の場合)からと「iPhone」シリーズとしてはかなり低価格に設定されたiPhone SE(第2世代)はどういった部品で構成されているのでしょうか?本記事ではざっくりと主な仕様とともに紹介したいと思います。

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iPhone SE(第2世代)は名称こそ4.0インチサイズの「iPhone SE」となっていますが、実質的には4.7インチサイズの「iPhone 8」の後継機種で、iPhone 8からSoC強化やカメラ画質向上、eSIM対応などが行われています。

サイズや質量はiPhone 8と同じで、本体カラーは前面の画面周り(ベゼル)が各色ともに黒で統一されており、背面はBlackおよびWhite、(PRODUCT)REDの3色展開。その他の製品情報については以下の記事をご覧ください。

Apple、4.7インチスマホ「iPhone SE(第2世代)」を発表!4月24日発売、4月17日予約開始で、価格は4万9280円から - S-MAX
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バッテリーはAppleでは「電池持ちはiPhone 8とほぼ同じ」としていましたが、実際に分解によって電池パックの容量がiPhone 8と同じ6.96Wh(3.82V/1822mAh)となっており、iPhone SEの6.21Whより多くなっています。

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またチップセット(SoC)はAppleが公表しているように「Apple A13 Bionic」を搭載しており、内蔵メモリー(RAM)はSoCに積み上げられたサムスン電子製「K3UH4H40BM-SGC」でiFixitでは「たぶん3GB LPDDR4X」とのこと。

なお、ベンチマークアプリなどによる情報でも3GBと認識されているので、恐らくそうなのだと思われます。通信チップ(モデム)は上位モデル「iPhone 11」シリーズと同じIntel製「9960 P10PSV」に。

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さらにリアカメラはシングルカメラとしてはiPhoneシリーズ史上最高の画質とAppleでは謳っていますが、センサー自体はこれまでのシングルカメラでは最も画質が良かったと思われる「iPhone XR」よりも小さいとのこと。

そのため、Apple A13 Bionicによる画像処理の効果が大きいのだと推測されています。一方、iPhone 8では対応していましたが、iPhone 11シリーズにて省かれた感圧操作機能「3D Touch」がiPhone SE(第2世代)でも非搭載となっていることが部品からもわかっています。

機種画面大きさ [mm]重さ
[g]
SoCRAM電池容量
[mAh]
iPhone SE (第2世代)4.7型138.4×67.3×7.3148A133GB1821
iPhone 11 Pro Max6.5型158.0×77.8×8.1226A134GB3969
iPhone 11 Pro5.8型144.0×71.4×8.1188A134GB3046
iPhone 116.1型150.9×75.7×8.3194A134GB3110
iPhone XR6.1型150.9×75.7×8.3194A123GB2945
iPhone XS Max6.5型157.5×77.4×7.7208A124GB3179
iPhone XS5.8型143.6×70.9×7.7177A124GB2659
iPhone X5.8型143.6×70.9×7.7174A113GB2716
iPhone 8 Plus5.5型138.1×67.0×6.9202A113GB2691
iPhone 84.7型138.4×67.3×7.3148A112GB1821
iPhone 7 Plus5.5型158.4×78.1×7.5188A103GB2900
iPhone 74.7型138.3×67.1×7.1138A102GB1960
iPhone 6s Plus5.5型158.4×78.1×7.5192A92GB2750
iPhone 6s4.7型138.3×67.1×7.1143A92GB1715

最後にiFixitでは修理のしやすさは総合点で10点満点中6点とし、水没シールによって修理が複雑にしているほか、iPhone 8でも採用されている背面パネルがガラス素材となっていることで割れやすくなっていることなどを挙げています。

ただし、iPhone 11 Proなどと比べると分解はしやすいようで、ほとんどの部品がモジュール式で独立しているので交換可能かつiPhone 8と相互互換性がある部品もあるとしています。実際に設計もiPhone 8のままと言っても過言ではないようです。

ワイヤレスチャージャーやオーディオコーデック、指紋センサーなどの部品はiPhone 8と同じものが使われている一方、SoCの他に無線LAN(Wi-Fi)およびBluetoothのモジュール(村田製作所製)がWi-Fi 6に対応したものに変わっていたりしています。

さらに電源管理ICなどがiPhone 11と同様に自社製に置き換わったり、MEMSセンサーがiPhone XSシリーズと同じだったりと、ここ最近のiPhoneシリーズの新旧製品の部品をうまく流用して低コスト化していることが伺えます。











記事執筆:memn0ck


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