SIMフリースマホ「moto g30」をファーストインプレッション!

既報通り、モトローラ・モビリティ・ジャパン(以下、モトローラ)がSIMフリースマートフォン(スマホ)「moto g10(型番:XT2127-2)」および「moto g30(型番:XT2129-2)」(ともにMotorola Mobility製)を3月26日に発売しています。

価格(金額はすべて税込)はオープンながら市場想定価格および公式Webショップ「Moto ストア」ではmoto g10が21,800円、moto g30(イヤバッズセット)が27,800円で、Amazon.co.jpやヨドバシ.comなどではポイント還元を含めた実質負担額はmoto g10が19,620円、moto g30が23,220円となっています。

なお、販路はMoto ストア以外に量販店やECサイトのほか、NifMoなどの仮想移動体通信事業者(MVNO)が取り扱っています。今回はそんな2機種のうちの上位機となるmoto g30について外観や同梱品、基本機能を写真や動画を交えて紹介したいと思います。

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moto g30の同梱品一覧

moto g30もモトローラのミッドレンジモデル「moto g」ファミリーの最新モデルで、主な違いはチップセット(SoC)がQualcomm製「Snapdargon 460」のmoto g10、Qualcomm製「Snapdragon 665」のmoto g30となっており、その他は概ねカメラの画素数や画面のリフレッシュレート、本体カラーや背面パネルの質感くらいの差異となっています。

パッケージ(箱)は黒をベースにし、横から開けるタイプで、箱を開けるとすぐにmoto g30の本体が収納されています。本体を取り出すと、下に付属品があり、ACチャージャー(10W)およびUSB Type-C ケーブル、クリアケース、ヘッドセット、SIM取り出しピン、クイックスタートガイドなどの紙類が同梱されています。

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本体のディスプレイ面に貼られている保護シートを剥がしているところ

ディスプレイは上部中央にしずく型ノッチ(切り欠き)が配置されたアスペクト比9:20の縦長な約6.52インチHD+(720×1600ドット)IPS液晶「Max Vision Display」(約269ppi)となっており、moto g30ではミッドレンジモデルながら90Hzのリフレッシュレートに対応しています。この点もmoto g10との違いです。

サイズは約165.22x75.73x9.14mm(最薄部)、質量は約200gと6.5インチサイズであるため、それなりに大きく重く、本体カラーは写真で紹介している薄いシルバーピンクといった感じのパステルスカイ(型番:PAML0005JP)に加え、グレーっぽいダークパール(型番:PAML0010JP)の2色展開です。

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moto g30を起動したところ。起動時の「Hello, moto!」の音は「設定」の「音」にてオフにすることも可能


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moto g30の初期設定を終えたところ


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moto g30を持ってみたところ

またノッチ部分には約1300万画素CMOS(1画素1.12μm)/広角レンズ(F2.2)を内蔵し、生体認証としては本体背面の「M」ロゴ部分に指紋センサーを備えています。画面は解像度は高くなく、高解像度の製品と並べるとさすがに違いはわかりますが、普段使っていて画面がみにくいということはありません。

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moto g30の背面。指紋センサーやリアカメラが配置。リアカメラは左側の上から超広角カメラ、広角カメラ、深度カメラ、右側の上からLEDフラッシュライト、マクロカメラと並んでいます

背面パネルはプラスチック製だと思われ、高級感はありませんが、防滴仕様で無難な質感といったところでしょうか。むしろパステルスカイは色味が独特で、シニア層には受けそうな渋いピンクとなっています。また背面には指紋センサーに加え、以下のクアッド構成のリアカメラが搭載されています。

・約6400万画素CMOS(1画素0.7μm)/広角レンズ(F1.7)
・約800万画素CMOS(1画素1.12μm)/超広角レンズ(F2.2、画角118°)
・約200万画素CMOS(1画素1.75μm)/マクロレンズ(F2.4)
・約200万画素CMOS(1画素1.75μm)/深度カメラ(F2.4)

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リアカメラの出っ張りはあまりなく、付属のクリアケースを装着すればほぼフラットとなっていました

主な仕様は4GB内蔵メモリーおよび128GB内蔵ストレージ、microSDXCカードスロット(最大512GB)、5000mAhバッテリー、USB Type-C端子(USB 2.0)、3.5mmイヤホンマイク端子、モノラルスピーカー、加速度計、近接センサー、環境照度センサー、ジャイロスコープ、位置情報取得(A-GPS、GPS、Glonass、Galileo)など。

また本体側面には電源キーや音量上下キーに加えて「Google アシスタント」を起動できる専用キーも搭載されています。なお、FMラジオ(録音可能)も搭載していますが、同社の他の製品と同様に対応周波数帯が87.5〜108.0MHzとなっているのでご注意ください。

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moto g30の左右側面。本体を縦に持ったときの右側には上からGoogle アシスタントボタン、音量上下ボタン、電源ボタンが配置され、左側にはnanoSIMカードおよびmicroSDXCカードのスロットがあります


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moto g30の上下側面。上側には3.5mmイヤホンマイク端子、下側にはマイクおよびUSB Type-C端子、外部スピーカーが配置されています

通信面ではIEEE802.11a/b/g/n/ac準拠(2.4GHzおよび5GHz)の無線LAN(Wi-Fi)およびBluetooth 5.0、携帯電話ネットワークは4G(LTE方式)および3G(W-CDMA方式)、2G(GSM方式)をサポートし、対応周波数帯は以下の通り。SIMカードはnanoSIMカード(4FF)のスロットが2つあり、デュアルSIMデュアルVoLTE(DSDV)に対応していますが、片方のスロットはmicroSDカードと共有となっています。

GSM 850MHz/900MHz/1800MHz/1900MHz
W-CDMA B1/B2/B5/B8
LTE B1/B2/B3/B5/B7/B8/B18/B19/B20/B26/B28/B38/B40

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カードスロットを引き出したところ。トリプルスロットではないのは残念


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サイズ比較としてmoto g30(左)とmoto g8(右)を並べてみたところ。若干ですが、moto g30のほうが縦に長くなっています


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こちらは同じくmoto g30(左)とmoto g8(右)を背面にして横幅を比べてところ。幅はほぼ同じ


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左から6.1インチのiPhone XR、6.5インチのmoto g30、6.7インチのiPhone 12 Pro Maxで、縦はmoto g30が最も長いです


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一方、幅はiPhone 12 Pro Maxよりも狭く、おおよそiPhone XRと同じとなっていました

OSはAndroid 11を搭載し、ほぼ素の状態に近い“Pure Android”なユーザーインターフェース(UI)となっており、プリインストールされているアプリもかなり少なめで、スプレッドシート、スライドやドキュメント、Facebook、Google Pay、Google ニュース、Google Fit、Google Home、Google Podcastsあたりはアンインストールが可能です。

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初期設定直後のアプリ一覧(画像=左)とアプリ切替(画像=右)


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moto g30の設定画面の第1階層目


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初期設定直後の内蔵ストレージの利用状況(画像=左)と規制情報(画像=右)。ストレージは空きが約110GB、認証情報は電波法(R)が「202-SMI074」、電気通信事業法(T)が「ADF20-0021202」


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設定の「端末情報」におけるソフトウェア情報(画像=左)とハードウェア情報(画像=右)


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ベンチマーク結果。左がCPU性能を測る「Geekbench 5」、右がグラフィック性能を測る「3DMark」でそれぞれ3回測定した中央値。スコアはGeekbench 5のシングルコアが305、マルチコアが1269、3DMarkのSling Shot Extreme Unlimited - OpenGL 3.1が1183で、ざっくりとどちらの結果もmoto g8やmoto g8 powerとほぼ同じといったところ


IMG_20210320_073541236_HDR
メインの広角カメラによるカメラ撮影例(屋外、曇り)。通常は4つの画素を1つにまとめて1600万画素相当として撮影しています


IMG_20210320_073533818_HDR
超広角カメラによるカメラ撮影例(屋外、曇り)。ボタンをタップするだけで簡単に切り替えられ、メインの広角カメラに対して光学0.5倍のワイド撮影が可能


IMG_20210320_072243667_MF_PORTRAIT
カメラ撮影例(屋外、曇り)。背景をぼかすポートレートモードで撮影


IMG_20210322_042610120_MF_PORTRAIT
カメラ撮影例(屋内、蛍光灯)。デプスカメラやマクロカメラも搭載しているため、近づいた撮影や背景ぼかしにも対応


IMG_20210322_043157992
カメラ撮影例(屋外、夜)。暗いと自動的にナイトモードに切り替わります

moto g30は既存の昨年発売された「moto g8」や「moto g8 power」と性能はそれほど違いませんが、NFCや無線LAN(Wi-Fi)の5GHz帯やIEEE802.11acに対応するなど、しっかりとスペックアップしており、さらに内蔵ストレージが128GBに増量され、ディスプレイも90Hzのリフレッシュレートに対応するなど、ミッドレンジモデルながらもちょっと上位機の仕様を取り入れつつ、実売2万円ちょっとと低価格なのが魅力となりそうです。

また同社ではさらに下位の「moto e」シリーズから「moto e7」と「moto e7 power」も今年2月に発売していますが、こちらもmoto g8などのようにNFCおよびWi-Fiの5GHz帯やIEEE802.11acなどに非対応だったり、Android 10だったりに加え、これらはともにSoCにMediaTek製「Helio G25」と性能も劣っているため、価格差を考えても可能ならmoto gシリーズのほうをオススメしたいです。最後にmoto g30とmoto g10を操作しているところの動画を掲載しておきます。



【moto g30およびmoto g10、moto g8、moto g8 powerの主な仕様】
製品moto g30moto g10moto g8moto g8 power
画面6.5型HD+
(ノッチ)
90Hz
6.5型HD+
(ノッチ)
6.4型HD+
(パンチホール)
6.4型HD+
(パンチホール)
大きさ165.22x75.73x9.14mm165.22×75.73×9.19mm161.27×75.8×8.95mm156.0×75.9×9.6mm
重さ200g180g188.3g197g
SoCSnapdragon 662Snapdragon 460Snapdragon 665Snapdragon 665
CPU2.0GHz×81.8GHz×82.0GHz×4+1.8GHz×42.0GHz×4+1.8GHz×4
GPUAdreno 610Adreno 610Adreno 610Adreno 610
RAM4GB4GB4GB4GB
内蔵ストレージ128GB64GB64GB64GB
電池容量5000mAh5000mAh4000mAh5000mAh
Wi-Fia/b/g/n/aca/b/g/n/acb/g/nb/g/n
NFC
背面カメラ64MP(広角)
8MP(超広角)
2MP(マクロ)
2MP(デプス)
48MP(広角)
8MP(超広角)
2MP(マクロ)
2MP(デプス)
16MP(広角)
8MP(超広角)
2MP(マクロ)
2MP(デプス)
16MP(広角)
8MP(超広角)
8MP(望遠)
2MP(マクロ)
前面カメラ13MP(広角)5MP(広角)8MP(広角)16MP(広角)





記事執筆:memn0ck


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