楽天モバイルが衛星通信ネットワークサービス「スペースモバイル」でエリアカバー率100%へ!

楽天グループは26日、都内およびオンラインにて「楽天新春カンファレンス2023」を開催し、傘下の楽天モバイルが移動体通信事業者(MNO)として自社回線(以下、楽天回線)を構築して提供している携帯電話サービス( https://network.mobile.rakuten.co.jp/ )において提供を計画している衛星通信ネットワークについて2024年末から2025年をめどに開始するべく進めていることを明らかにしました。

登壇した楽天グループ 代表取締役会長兼社長 最高執行役員および楽天モバイル 代表取締役会長を務める三木谷 浩史氏は「私の友人のイーロン・マスクがやっているスターリング(Starlink)を上回る衛星通信ネットワークサービスを実現する。衛星から直接、iPhoneとかAndroidフォンを使えるようになる。」と説明。

続けて「北海道のど真ん中とか富士山の頂上とか、海でも飛行機の中でも携帯電話が繋がるようになるよう、2024年末から2025年にかけて実現をするプロジェクトを今走らせている。」と語り、これまで直近では2024年に開始予定としていた衛星通信ネットワークサービス「スペースモバイル(SpaceMobile)」の提供時期を改めて2024年末から2025年に開始予定であるとしました。

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楽天モバイルでは楽天回線による正式サービス「Rakuten UN-LIMIT」を2020年4月に開始し、楽天回線エリアにおけるデータ通信は使い放題で月額3,278円(金額はすべて税込)で使え、さらに何度かアップグレードされて現在は2022年7月から新料金のRakuten UN-LIMIT VIIが提供されており、3GB以下ならげ月額1,078円、20GB以下なら月額2,178円、使い放題で月額3,278円となっています。

またコミュニケーションサービス「Rakuten Link」での音声通話・SMSはカウントフリーとなっているいて無料で使えるほか、Rakuten UN-LIMIT VIIの提供開始に合わせてキャリアメールサービス「楽メール」も提供開始されました。なお、楽天回線エリア以外ではパートナー(au)回線のローミングサービスにて月5GBまでは追加料金なしで高速データ通信が使え、月5GBを超えても最大1Mbpsで利用できます。

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また同社ではRakuten UN-LIMITの提供開始の発表に合わせ、2020年3月に楽天グループ(当時は「楽天」)がAST & Science(以下、AST)に出資してASTが開発している衛星通信ネットワークサービスであるスペースモバイルを日本で提供する計画を発表し、当初は2022年第4四半期(Q4=10〜12月)頃に日本でのサービス開始をめざしていました。

その後、サービス開始時期は少しずつ遅れ、昨年11月時点で2024年に提供開始となる計画であるとしていましたが、今回、さらに2024年末から2025年に開始するように進められていることが明らかにされました。なお、ASTでは昨年9月に衛星通信ネットワーク網「BlueBirds」のプロトタイプとなる人工衛星「BlueWalker 3」が打ち上げられ、昨年11月にはアンテナが無事に開かれています。

最終的にはスペースモバイルでは高度500〜800Km程度の低軌道に168基の人工衛星による衛星通信ネットワーク網を構築する計画で、日本でも屋外カバー率100%で携帯電話が利用できることをめざしています。なお、楽天モバイルでは昨年11月にスペースモバイルの日本での提供に向けて通信試験・事前検証用の実験試験局予備免許を取得し、ASTの衛星通信ネットワークに楽天シンフォニーのソフトウェアを統合して日本国内で低軌道衛星とのエンドツーエンド試験を数か月以内に開始 すると発表しています。

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ゲートウェイ実験試験局




記事執筆:memn0ck


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