5G対応の新フォルダブルスマホ「Google Pixel 9 Pro Fold」をファーストインプレッション!

既報通り、Googleが5G対応の新しい横折り型フォルダブルスマートフォン(スマホ)「Pixel 9 Pro Fold」を正式発表し、日本を含む1次販売国・地域ではPixel 9およびPixel 9 Pro XLが2024年9月4日(水)に発売されます。日本ではグーグル(以下、Google Japan)が運営する公式Webショップ「Google ストア」のほか、各機種ともにNTTドコモやKDDI・沖縄セルラー電話の携帯電話サービス「au」、ソフトバンクの携帯電話サービス「SoftBank」からも販売されます。

販路はドコモショップやauショップ、ソフトバンクショップ、量販店、公式Webストア「ドコモオンラインショップ」および「ahamoサイト」、「au Online Shop」、「ソフトバンクオンラインショップ」などで、日本で販売される製品は各販路ともに型番は日本向けモデルである「GC15S」となり、おサイフケータイ(FeliCa)に対応しているほか、Pixel 9シリーズの日本向け製品としては唯一、5GのSub6に加えてミリ波(mmWave)にも対応しています。

また内蔵ストレージの異なる複数のモデルがラインナップされており、Google ストアで取り扱われる内蔵ストレージと本体色としては256GB(Porcelain、Obsidian)と512GB(Obsidian)となっており、NTTドコモなどではこれらのうちの一部は取り扱われなかったり、公式Webストア限定販売だったりします。価格(金額はすべて税込)はGoogle ストアでは256GBモデルが257,500円、512GBモデルが277,500円で、2024年9月9日(月)23:59までに購入すると、57,700円分のGoogle ストア クレジットがプレゼントされます。

また対象スマホを下取りに出すと、最大100,000円が支払額から引かれ、Google ストア クレジットによる還元と合わせて実質99,800円からとなります。さらに有料の補償サービス「Google Preferred Care」は33,000円となっており、Google ストアではPixel 9シリーズの購入時に同時加入できるほか、他の販路も含めて購入後30日以内ならGoogle ストアにて申し込みが可能です。この他にも購入特典としてAIサービス「Gemini Advanced」が使える「Google One」のAIプレミアムプラン(6カ月分)および健康サービス「Fitbit Premium」(6カ月分)、動画配信サービス「YouTube Premium」(3カ月分)の無料トライアルがそれぞれプレゼントされます。

なお、NTTドコモやau、SoftBankで取り扱われるモデルや価格、キャンペーンなどについてはすでに紹介している記事をご覧ください。今回はそんなPixel 9 Pro Foldの日本向け製品を店頭で見てきたので、まずは外観について写真を交えて紹介したいと思います。なお、Google ストアで販売されている製品はオープン市場向けメーカー版(いわゆる「SIMフリーモデル」)となっているほか、NTTドコモやau、SoftBankで販売される製品も購入時にはSIMロックがかかっておらず、ソフトウェア更新のタイミングも同じで各社向けアプリもプリインストールされていないため、Google ストアと同じSIMフリーモデルとなります。

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開いた状態で使うメインディスプレイは8.0インチに大型化。折り目はPixel Foldよりも目立たなくなってはいるものの、やはり気になる印象

Pixel 9 Pro FoldはGoogleブランドで展開しているPixelシリーズの最新フォルダブルスマホで、昨年発売されたGoogle初のフォルダブルスマホ「Pixel Fold」の後継機種として同じように閉じると普通のスマホ、開くとタブレットのような大画面で使える横開き型となっており、新たに2021年に発売された「Pixel 6」および「Pixel 6 Pro」ではじめて搭載された自社カスタムのチップセット(SoC)「Tensor」の最新版「Tensor G4」を搭載し、さらに高性能化してこれまでにないPixel史上最高の機能が満載となっています。

Tensor G4はGoogle史上最も効率的で高性能なSoCで、Google DeepMindと共同で設計したことによって最先端のAI機能を実行するように最適化され、スマホなど向けでは初めてマルチモダリティなオンデバイスAI「Gemini Nano」を実行でき、前世代の「Tensor G3」と比べてオンデバイスAIで3倍の性能となっているほか、毎秒45トークンを処理できるようになっています。またオンデバイスAIをより活用できるように内蔵メモリー(RAM)も増量されて16GBを搭載しています。さらにPixel 9 Pro FoldはPixel Foldに続いてベイパーチャンバーが内蔵されており、安定した性能が発揮できるとのこと。

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メインディスプレイは折りたたみ角度が自由に止められるようになっており、超薄型ガラスで覆われているとのこと

またPixel 9 Pro FoldはPixel Foldと比べてより薄く、日本で発売されたフォルダブルスマホの中で最薄となっており、さらに開いたときに利用できるメインディスプレイもより大画面化し、約8.0インチ2076×2152ドットLPTO AMOLED(有機EL)「Super Actua Flexディスプレイ」(約373ppi)で、1〜120Hz可変リフレッシュレートによるスムーズディスプレイやコントラスト比200万:1、24bitカラー(1600万色表示)、HDR対応、最大輝度1600nits、ピーク輝度2700nitsとなっており、Pixel Foldよりも80%明るくなっているため、明るい場所でも画面をくっきりと見ることができるとのこと。

さらに新開発の流体摩擦ヒンジによって本体を平らに開くことができ、大きくて明るいメインディスプレイを楽しむことが可能で、メインディスプレイは超薄型ガラスで覆われ、折り目もより目立たなくなっているということです。一方、外側にあるカバーディスプレイは上部中央にパンチホールが配置されたアスペクト比9:20の約6.3インチFHD+(1080×2424ドット)AMOLED(有機EL)「Actuaディスプレイ」(約442ppi)で、60〜120Hz可変リフレッシュレートによるスムーズディスプレイやコントラスト比200万:1、24bitカラー(1600万色表示)、HDR対応、最大輝度1800nits、ピーク輝度2700nitsとなっています。

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閉じた状態で使うカバーディスプレイはアスペクト比が9:20となってより最近の普通のスマホのように

カバーディスプレイや背面パネルは傷に強い強化ガラス「Gorilla Glass Victus 2」(Corning製)で覆われており、背面は絹のようなマット加工で、ヒンジやフレームは航空宇宙グレードの6000系アルミニウム強化合金カバーを備えた多相合金スチールを採用し、ヒンジは鏡面仕上げ、フレームはサテン仕上げとなっています。また開発において材料の厳選と製造工程の見直しによって前機種と比べて構造を単純化し、使用する部品数を減らすことに成功しており、アルミニウムは100%リサイクル素材を用い、製品の全重量に対してリサイクル素材を18%以上使用、梱包材は100%プラスチックフリー素材とのこと。さらに最大1.5mの水中に30分間浸しても耐えられるIPX8等級の防水性能を実現しています。

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閉じた状態の背面。デザインとしてPixel 9シリーズで統一しているからかヒンジ側は端も角ばっているのに対し、反対側は丸みがあるという非対称なのが少し残念なところ

外観は引き続いてリアカメラ部分が特徴的なカメラバーデザインを踏襲しつつも、ヒンジがあることによってヒンジ側は直線的、反対側は丸みがあるという通常のスマホのように左右対称ではない非対称なフォルムであるため、それと調和が取れるように新たに独自の2列の楕円形カメラを左端に配置しています。これにより、新鮮な印象を与えながらもバランスが取れており、Pixelスマホの特徴を失っておらず、ヒンジを開いたときも閉じたときも美しい見栄えを保ち、他の部分のデザインともマッチしつつ、他のPixel製品との関連性もしっかり感じさせるようになっているということです。

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開いた状態の背面。本体色はPorcelain(白系)とObsidian(黒系)の2色となっており、こちらはObsidianで、背面パネルは他のPixel 9シリーズのProモデルと同様に絹のようなマット加工に

またPixel Foldの開発から5年間に渡ってデザインをSangsoo Park氏が担当しており、Pixel 9 Pro Foldでは自然な操作体験を提供するために製品全体のアスペクト比を再検討してメインディスプレイと周辺要素を全面的に見直したとし、薄さに特にこだわって遥かに洗練された美しいフォルムとなったとしています。また画面の周りの縁(ベゼル)も大幅に見直されて四辺ともベゼルがほぼないフルスクリーンデザインを実現しています。これにより、開いたときに画面がより大きく感じ、画像や動画への没入感をさらに味わえるようになっているとのこと。サイズは閉じた状態で約155.2×77.1×10.5mm、開いた状態で約155.2×150.2×5.1mm、質量は約257g、本体色はPorcelainとObsidianの2色展開。

カメラは以下の構成で、GoogleのハードウェアとAI機能のパワーを活用してどのフォルダブルスマホよりも高性能だとしており、リアカメラの超広角カメラがマクロフォーカスに対応したほか、折りたたんだ状態でも閉じた状態でも顔認証ができるようになるなどの進化をしています。また折りたたみ型のメリットとして「デュアル スクリーン プレビュー」や「テーブルトップ モード」を利用してリアカメラで自撮り撮影などの既存の機能に加え、ベストショットを撮影できる機能「こっちを見て」に対応し、カバーディスプレイにアニメーションを表示して被写体となる人の注意を引いてカメラ目線の笑顔を撮影できるようになっています。なお、生体認証としては側面に指紋センサーも搭載しています。

<フロントカメラ>
・約1000万画素CMOS(Dual PD)+広角レンズ(F2.2、画角87°)

<インナーカメラ>
・約1000万画素CMOS(Dual PD)+広角レンズ(F2.2、画角87°)

<リアカメラ>
・約4800万画素CMOS(Quad PD、1/2型)+広角レンズ(F1.7、画角82°、OIS)
・約1050万画素CMOS(Dual PD、1/3.4型)+超広角レンズ(F2.2、画角127°)
・約1080万画素CMOS(Dual PD、1/3.2型)+望遠レンズ(F3.1、画角23°、OIS、光学ズーム5倍、超解像ズーム最大20倍)

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リアカメラの出っ張りは他のPixel 9シリーズと同じくそれなりにあり、展示機では試せませんでしたが、リアカメラモジュールが他のPixel 9シリーズとは異なり、少し片側に寄っているため、閉じた状態で背面を下にして置いた場合のバランスが気になるところ。なお、FeliCaやNFC Type A/Bのアンテナは目印はないものの、リアカメラの下にある「G」マークの上あたりにあります


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Pixel 9 Pro Foldの閉じた状態の左側はヒンジ部に。ヒンジやフレームは航空宇宙グレードの6000系アルミニウム強化合金カバーを備えた多相合金スチールを採用し、ヒンジ部は他のPixel 9シリーズのProモデルのフレームと同じく鏡面仕上げ

またカメラにもAIが活用されてさまざまな機能が使えるようになっており、優れたカメラ性能と再設計された画像処理によって写真や動画で周囲をより正確に捉えることができ、グループ写真を撮影する時に撮影者はいつも写真に写ることができませんが、新たに追加された「Add Me(一緒に写る)」機能を使えば、三脚を用意したり、周囲の人に撮影をお願いすることなく、その場にいる全員が揃った写真を生成することが可能となります。さらに暗い場所でも高品質のパノラマが撮影できるようになっています。

編集マジックの「オートフレーム」を使用すると、古い写真も新しい写真もフレームや構図を自動調整してくれ、編集マジックの「イマジネーション」では「写真に写っている野原に花を追加する」などのように写真上で見たいものを入力してアイデアを形にでき、動画ブーストはさらに優れた処理を実現し、ビデオ夜景モードの処理速度が2倍になり、さらに望遠カメラを使って動画でも超解像ズームで最大20倍の高解像度ズーム動画を録画することもできるため、ズームインした動画の撮影に役立ちます。その他、マルチゾーン LDAF(レーザー検出オートフォーカス)センサーやスペクトル センサー、フリッカー センサーに対応しています。

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Pixel 9 Pro Foldの閉じた状態の右側面には背面側に指紋センサーが内蔵された電源/ロックキーと音量上下キーが配置され、カバーディスプレイ側には何もない。閉じた状態で背面側とカバーディスプレイ側のアンテナラインがきちんと揃っているのは良いところ

その他、USB Type-C端子(USB 3.2)やステレオスピーカー、マイク×3、空間オーディオ、ノイズ サプレッション、電源キー、音量上下キー、Wi-Fi 7に対応したIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax/be準拠(2.4GHzおよび5GHz、6GHz)の無線LAN(2×2+2×2 MIMO)、Bluetooth 5.3(デュアルバンド)、NFC Type A/B、位置情報取得(デュアルバンドA-GNSS/GPS・GLONASS・Galileo・BeiDou・QZSS・NavICなど)、UWB、近接センサー、周囲光センサー、加速度計、ジャイロメーター、磁力計、気圧計、ホール効果センサー、緊急SOS、災害情報アラート、自動車事故検出、安全確認、Google VPN、セキュリティ コプロセッサー「Titan M2」など。

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Pixel 9 Pro Foldの閉じた状態の上側面には背面側にmmWaveアンテナカバーと上部マイク、カバーディスプレイ側に上部スピーカーが配置。ヒンジ部以外の側面フレームはPixel 9と同じマットなサテン仕上げになっています


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実際に実機を試してみると、確かにPixel Foldよりも実用的になったと感じるものの、先により完成度の高い「Galaxy Z Fold6」を試してしまっていると、まだ一歩二歩遅れている印象は拭い切れないように思われました


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Pixel 9 Pro Foldの閉じた状態の上側面には背面側に下部マイクおよびUSB Type-C端子、下部スピーカー、カバーディスプレイ側に気圧計およびSIMカードトレイが配置。SIMカードトレイは付属するSIMピンを刺して引き出すタイプ

一方、3.5mmイヤホンマイク端子やワンセグ、フルセグ、赤外線通信、温度センサー、microSDカードなどの外部ストレージスロットは非対応。バッテリーは容量がPixel Foldでは4821mAhでしたが、薄型化の影響なのか4650mAhに減っており、急速充電は最大21Wで、ワイヤレス充電(Qi)およびバッテリーシェアにも対応。携帯電話ネットワークは日本市場向け製品は対応周波数帯が以下のようになっており、SIMカードはnanoSIMカード(4FF)サイズのスロットが1つあるほか、eSIMを搭載しています。OSはAndroid 14をプリインストールし、OSバージョンアップおよび新機能「Pixel Feature Drop」の追加、セキュリティーアップデートは7年間提供されます。

5G NR: n1, n2, n3, n5, n7, n8, n12, n14, n20, n25, n26, n28, n30, n38, n40, n41, n48, n66, n70, n71, n75, n76, n77, n78, n79, n257, n260, n261
4G LTE: Band 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 13, 14, 17, 18, 19, 20, 21, 25, 26, 28, 29, 30, 32, 38, 39, 40, 41, 42, 46, 48, 66, 71
3G W-CDMA: Band I, II, IV, V, VI, VIII, XIX
2G GSM: 850, 900, 1800, 1900MHz


機種Pixel 9 Pro FoldPixel Fold
大きさオープン時:155.2×150.2×5.1mm
クローズ時:155.2×77.1×10.5mm
オープン時:139.7×158.7×5.8mm
クローズ時:139.7×79.5×12.1mm
重さ257g283g
本体色Porcelain
Obsidian
Porcelain
Obsidian
内側画面8.0インチLTPO OLED
2076×2152ドット
373ppi
1〜120Hz
ピーク輝度2700nits
超薄型ガラス保護層
7.6インチOLED
2208×1840ドット
380ppi
最大120Hz
ピーク輝度1450nits
プラスチック保護層
外側画面6.3インチOLED
1080×2424ドット
442ppi
60〜120Hz
ピーク輝度2700nits
Gorilla Glass Victus 2
5.8インチOLED
1080×2092ドット
406ppi
最大120Hz
ピーク輝度1500nits
Gorilla Glass Victus
SoCTensor G4Tensor G2
RAM16GB12GB
ストレージ256GB
512GB
256GB
512GB
電池容量4650mAh4821mAh
急速充電最大21W最大21W
背面カメラ48MP(広角)
10.5MP(超広角)
10.8MP(望遠)
光学ズーム5倍
超解像ズーム最大20倍
8MP(広角)
10.8MP(超広角)
10.8MP(望遠)
光学ズーム5倍
超解像ズーム最大20倍
前面カメラ10MP(広角)9.5MP(広角)
内側カメラ10MP(広角)8MP(広角)
生体認証顔、指紋(側面)顔、指紋(側面)
防水/防塵⚪︎(IPX8)/ー⚪︎(IPX8)/ー
FeliCa/NFC⚪︎/⚪︎⚪︎/⚪︎
緊急SOS
UWB
OSAndroid 14Android 13








記事執筆:memn0ck


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