ソフトバンクが有線給電ドローン無線中継システムを石川県輪島市門前町にて9月30日に運用! |
ソフトバンクは30日、同社が提供する携帯電話サービス「SoftBank」や「Y!mobile」、「LINEMO」、ソフトバンク回線を用いた仮想移動体通信事業者(MVNO)による携帯電話サービスなどのモバイルネットワークの復旧に向けた取り組みとして石川県輪島市門前町の一部エリアで「有線給電ドローン無線中継システム」を2024年9月30日(月)に運用したと発表しています。
有線給電ドローン無線中継システムは上空を停留飛行するドローンから通信サービスを提供することによって半径数Kmのサービスエリアを確保できるソリューションで、同社では災害時にサービスエリアを迅速に復旧するために2022年7月より関東エリアのネットワークセンターで運用を開始し、順次全国に配備しており、2022年9月18日(日)から20日(火)にかけて日本列島を縦断して襲った大型の台風14号にて九州で初実践していました。
なお、行政機関への申請および石川県の関係機関と連携の上で有線給電ドローン無線中継システムの運用を行っているとのこと。その他、ソフトバンクでは低気圧と前線による大雨によって被災された人に心から見舞い申し上げ、総務省が公開している「9月20日からの大雨に関する被害状況等について(第19報)」では2024年10月1日(火)7:30時点でソフトバンクは石川県内における停波している基地局が前日の26局から21局になり、5局が復旧しています。
有線給電ドローン無線中継システムは双葉電子のドローンをベースにソフトバンクおよび東京工業大学、双葉電子が共同で有線給電対応に改造し、ソフトバンクと東京工業大学が共同開発した無線中継装置と有線給電システムを搭載しており、地上に設置した無線中継装置(親機)とドローンに搭載した無線中継装置(子機)で構成され、親機と子機間の通信はRoF(Radio on Fiber)技術を用いた光ファイバーで行います。これにより、親機に接続した基地局無線装置とモバイルネットワークの接続は基本的に衛星通信経由で行うため、基地局などの地上設備の被災の影響を受けずに迅速に臨時のサービスエリアを構築できます。
また装置は小型化・軽量化されており、システムに必要な装置一式を1台のワンボックスカーで運搬できるほか、設置準備が容易なため、現地到着後30分以内に利用を開始してソフトバンク回線を利用する人が通信できるようになります。なお、ドローンと無線中継装置(子機)に必要な電力を地上から有線給電するため、連続100時間(4日間)以上の利用が可能で、ドローンを地上100mに停留飛行させることによって郊外では半径3km以上、見通しの良いエリアでは半径5km以上のサービスエリアを確保できます。
通信方式は4G LTE(Band 1:2.1GHz帯)に対応しており、通信速度は下り最大150Mbpsとのこと。なお、無線中継装置(子機)を搭載したドローンは自律飛行を基本としていますが、急な天候の変化などに柔軟に対応するため、ソフトバンクと東京工業大学が共同開発した遠隔地からの目視外での手動操縦を可能にする「ケータイドローン飛行制御システム」を利用でき、無線中継装置の運用・監視やシステムの制御も、携帯端末を介して遠隔で行うことが可能です。
これまで2022年9月に九州にて初めて実践投入されていましたが、今回、9月20日からの石川県における大雨における被害に対しても運用が行われたとのこと。なお、有線給電ドローン無線中継システムは2020年6月22日(月)の電波法関係審査基準の改正によってドローンに無線中継システムを搭載可能になったことで実現し、システムの仕様は改正された電波法関係審査基準に準拠しているということです。
記事執筆:memn0ck
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