au WALLET会員の1,000億円相当の資産がどう動く?KDDIのコード決済サービス「au PAY」も始動

KDDIは12日、都内にて「au経済圏拡大に向けた取り組みに関する発表会」を開催し、決済・金融事業の強化を目的にグループ各社の決済・金融関連会社をauブランドに統一して金融持株会社「auフィナンシャルホールディングス」を設立すると発表した。

これにより、auフィナンシャルホールディングスがKDDIグループの決済や金融の関連事業を携帯電話サービス「au」と連携させ、スマートフォン(スマホ)を中心としたスマホ・セントリックな決済&金融体験を提供する「スマートマネー構想」の実現をめざす。

auフィナンシャルホールディングスの傘下にはじぶん銀行およびKDDIフィナンシャルサービス、ウェブマネー、KDDIアセットマネジメント、KDDI Reinsurance、カブドットコム証券がそれぞれ社名をauじぶん銀行およびauフィナンシャルサービス、au PAY、auアセットマネジメント、au Reinsurance、auカブコム証券と変更して配置される。

またauではこれまで貯まったポイントを携帯電話の料金などでも利用可能な「au WALLET」(プリペイドカード・クレジットカード)による決済を展開してきたが、今回の統合によってウェブマネーが発行・販売する電子マネー「WebMoney」および電子決済サービスに加え、スマホなど向けコード決済サービス「au PAY」も4月よりスタートする。

このau PAYは、au WALLETが持つ加盟店に加えて楽天が提供するスマホなど向けコード決済サービス「楽天ペイ」と協業することで、QRコードやバーコードによる決済が開始時から多くの加盟店で利用可能という強みを持つ。

さらに同社ではスマホなど向け決済サービス「メルペイ」を提供開始したメルカリともサービス拡大に向けた基本合意を2月20日に締結しており、スマホなど向け決済サービスの導入を相互に推進していく予定となった。

その他、発表会ではauの一部サービスがau以外の人でも使えるキャリアフリー化を今夏より行うことが明らかにされた。今回はそんなKDDIによるauのスマートマネー構想について解説していく。

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KDDIが推し進めるスマートマネー構想は、これまでのauの契約者の体験価値を高めるためのサービスとして回線サービスだけではなくショッピングやサブスクリプションサービス、でんき、固定回線をつなげるというau経済圏の更なる充実をめざすものである。

その外枠にさらに保険やローン、投資、銀行などをスマホにつないでいく。その中心となるのがau WALLETだ。これまでのau WALLETは、auの料金引き落としやクレジットカードによるチャージが使えるプリペイドカードという枠組だったが、4月からはスマホの中にある財布となってさまざまなサービスで利用できるように拡大していく。

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その1つがQRコードやバーコードによる決済であるau PAYとなる。au PAYはau WALLETの利用やau料金の支払いで発生したポイントをau WALLETにチャージすることができるため、少なく見積もってもすでに1,000億円相当の残高があるとしている。

この残高は先行する他社の“PAY”サービスにはない強みであり、この金額が動くということが加盟店へのアピールポイントとなる。なお、au PAYのサービス開始に合わせて「au WALLET アプリ」も2019年4月より段階的に刷新し、au PAYが利用できるほか、家計診断やライフプラン診断などの機能を段階的に拡充していく予定だとのこと。

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このスマホでの決済サービスの範囲を金融の分野にも広げたのがスマートマネー構想となる。これによってスマホから預金をしたり、送金したりすることがじぶん銀行でできるほか、投資やローン、保険や年金などライフプランに合わせた使い方がau WALLETを中心に広がっていくというわけだ。

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とはいえ、範囲が広すぎて今ひとつピンと来ないサービス展開であると感じるかもしれない。ただし、ひとつ言えるのはこれまでは携帯電話の料金や生活費などに使われているau WALLETだが、これをもっと大きな金額を流すためのインフラにしようとしているというのが今回の構想となる。

そして、サービスが利用されることで手数料が発生して利益が生まれる。この循環を活発化させるためのさまざまなサービスの開始・統合なのである。

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今回、KDDIが中間金融持株会社とするau フィナンシャルホールディングスの設立し、グループ企業を統合するのは、銀行(auじぶん銀行)、決済(auフィナンシャルサービスおよびau PAY)、投資運用(auアセットマネジメント)、保険(au Reinsurance)、そして損害保険(au損保)、証券(auカブコム証券)がauブランドクオリティのサービスであるということを示すことが狙いである。

さらにこのスマートマネー構想の中心が「au ID」を持つau契約者だったところを、各種サービスをキャリアフリー化してauの契約者以外にもオープンにすることで、誰でもサービスを享受できるようにする。特に付加サービスや経済圏と縁遠い格安SIMなどの仮想移動体通信事業者(MVNO)の契約者などはうまくく利用すると得することもあるだろう。

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これまでauはユーザーを囲い込むための「スマートバリュー」(通信と固定回線契約で割引を行う)などの施策を展開してきているが、これからは“KDDIの視点”の経済圏を創り出し、au契約者以外にも利用して貰うことでうま味が出るサービスの仕組みができたとみていいだろう。


動画リンク:https://youtu.be/8H6oL8DQBBE

このオープン化の動きは、昨年夏ごろから「ブックパス」や「ビデオパス」などのau契約者向けサービスを開放することから始まっている。

一方、先行するNTTドコモはサービスのオープン化やdポイントカードなどのサービスをすでに展開している。KDDIの動きは遅すぎるのか慎重なのかどちらだったのかは、今後どれだけ魅力的なサービス、どれだけの体験価値を提供できるのかに掛かっている。



記事執筆:mi2_303


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