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AppleがiOS 10の正式版を9月13日に提供開始! |
既報通り、Apple(アップル)は7日(現地時間)、米カリフォルニア州クパチーノにあるビル・グラム・シビック・オーディトリアム(Bill Graham Civic Auditorium)にてプレス向け発表会「Apple Events - Keynote September 2016」を行い、今年6月に発表したスマートフォン(スマホ)およびタブレットなどのモバイル製品向け最新プラットフォーム「iOS 10」を2016年9月13日(火)より提供開始すると発表しています。
恐らく日本時間では9月14日早朝(通常通りなら2時頃)より配信開始されると見られます。対応機種はiPhone 5以降およびiPad 4・iPad Air・iPad mini 2・iPad Pro以降、iPod touch(第6世代)の合計17機種となっており、それぞれ無料でダウンロードしてアップデートすることが可能です。
同時に発表された新しいスマホである「iPhone 7」および「iPhone 7 Plus」にはプリインストールされていて購入時から利用可能。なお、iOS 9が提供されているiPhone 4SやiPad 2、iPad 3、iPad mini、iPod touch(第5世代)が対象外となっているのでご注意ください。
iOS 10についてはすでにAppleが今年6月に開催した開発者向けイベント「WWDC 2016」において発表されており、正式版の提供開始が今秋とされていました。今回、正式版が9月13日にリリースされることが案内されました。
発表会ではすでにWWDC 2016で発表していたためか、ほぼiOS 10についての詳細な説明はなく、ほぼiPhone 7やiPhone 7 Plus、Apple Watch Series 2といった新製品に時間が割かれました。
発表会でははじめにApple CEOのTim Cook氏が車に乗りながら車内でカラオケをしつつ、会場に到着するといった演出が行われ、その流れで音楽配信サービス「Apple Music」が好調で1700万契約に達したことを紹介。
続いて、アプリ配信マーケット「App Store」からのダウンロードはトータルで1400億ダウンロード(DL)を超え、直近の2ヶ月のDL数は前年比106%と増加傾向にあり、他のアプリ配信マーケットと比べて開発者の収益は2倍になっていることを強調。
もはやiPhoneやiPadは最もポピュラーなゲーム機だとし、App Storeには50万個を超えるゲームアプリが配信されているとし、前半のサブライズとして任天堂が今年12月に配信予定のゲームアプリ「スーパーマリオラン」が発表されました。
これらを支えるのがiOSとなり、最新のiOS 10は既存の「iOS 9」を強化した形となっており、同時に発表されたmacOSの新機能として紹介されていたMacやiPhone、iPadなどでコピーしたクリップボードを共有できる機能などにも対応しています。
また細かい点ですが、使い勝手について改善されており、最も大きいのがロック画面をデザインし直したとのこと。見た目もわかりやすくなったほか、より情報量の多い通知やクイック機能、拡張された感圧操作「3D Touch」によるウィジットの動作改良などが行われています。
これにより、ロック画面からのカメラ起動がより簡単になっていたり、Wi-Fiなどのオン・オフができるクイックパネルが利用できたりするようになっているほか、解除も指紋認証「Touch ID」に加え、横になったiPhoneを起こすと、ボタンを押さなくてもiPhoneのロックが解除できるなどの設定が可能になっています。
さらに音声検索機能「Siri」をApple以外のサードパーティーの開発者に開放し、コミュニケーションアプリ「WeChat」などで音声入力が可能となります。Siri対応アプリは順次拡大予定ということです。
そして、このSiriの人工知能(AI)機能を活用し、位置情報や時間、カレンダー、連絡先などから予測してより素早く文字入力が行える新しい「QuickType」機能を導入。ただし、こちらは日本語には非対応。
写真アプリは、撮影した写真から顔認証を行って人物ごとのアルバム作成が可能になるほか、記憶を管理するものであるとして同じくSiriインテリジェンス機能によって「Googleフォト」などにあるように旅行や日付、人物、トピックをAIで自動抽出する「Memories」という機能が導入されます。
またハイライトだと思われる写真を大きく表示したり、動画も自動的に編集してくれ、新しい「Adovanced Computing」機能によって写真や動画、音楽を自動選択してショートムービー風にまとめてくれ、Mood(気分)を切り替えるとその雰囲気に合うように内容が自動編集されます。さらにOSレベルでRAW現像に対応。
地図(マップ)アプリも新しいユーザーインターフェース(UI)に改良され、同様にProactiveによってカレンダーのスケジュールなどから次の行動を提案してくれるようになるとのこと。またナビゲーションでは、交差点に近づくと自動的に地図が拡大し、交差点を過ぎると縮小表示するなどの状況に応じたUIになり、さらに拡張機能に対応し、例えば、レストランの予約やUberによるタクシーの配車、Apple Payによる支払いを地図アプリで利用可能になります。
音楽アプリではApple Musicも新UIになり、見た目がシンプルになって、より見やすく美しくなります。これにより、直感的で親しみやすいものになったとのこと。また歌詞表示が可能になるほか、キュレーション機能「For You」がパワーアップします。ラジオも自国以外のトップチャートを聞くことが可能になり、新しいApple MuiscはiOSだけでなく、MacやAndroidで使用可能。
基本機能の電話でもSiriを活用し、留守番電話の内容を認識してテキストで表示してくれるほか、留守電のスパムにも対応。さらにVoIP(Voice over IP)機能を使うことで、電話以外の通話アプリでも連絡先の表示が可能になります。
メッセージではリンクを入力するとその内容を表示させることができる「リッチリンク」機能に対応。リッチリンクではApple Musicのリンクを貼れば、メッセージアプリ内でその楽曲を聴くこともできます。
また絵文字は大きさを3倍表示可能になり、絵文字の予測機能も搭載します。これは文章をすべて入力した後に途中の単語をiOSが自動的に絵文字に変換してくれ、日本では従来型の携帯電話(フィーチャーフォン、いわゆる「ガラケー」)にもあった機能です。吹き出しの拡大機能や隠しリンク機能、手書きの機能、デジタルタッチ、フルスクリーンエフェクト、指でなぞると表示される「インビジブルリンク」、全画面エフェクトなどに対応。
さらにiMessageのAPIも開発者に提供され、プログラムを書かなくてもスタンプやアニメーションに利用が可能になったり、iMessageから相手に支払いを行うことができたりします。
その他、iOS 10では、iPadのSafariのウインドウを2つ表示させることができたり、Live Photoの編集の可能になったりするそうです。最後に個人情報の管理について説明され、クラウドで解析する内容はエンドツーエンドで暗号化されてすべて匿名で処理されます。
記事執筆:memn0ck
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