GoogleがNexusやPixelシリーズ向けにAndroid 8.0 Oreo正式版を配信開始! |
Googleは29日(現地時間)、スマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けプラットフォーム「Android」の最新バージョン「Android 8.0(開発コード名:Oreo)」( https://www.android.com/oreo )の正式版について「Nexus 5X」や「Nexus 6P」、「Pixel C」、「Pixel」、「Pixel XL」向けに提供開始しています。
Android 8.0 Oreoは今月21日に正式発表され、各携帯電話会社などのテストを経て近日中に正式版の配信が開始される予定であることが案内されていましたが、ようやく正式版がリリースされました。なお、Android 8.0 Oreoの提供予定機種のうちでは「Nexus Player」向けのファクトリーイメージはまだ公開されていません。
なお、正式発表時点でソースコード「AOSP(Android Open Source Project)」やテストに用いていた開発者向けのファクトリーイメージが公開されていましたが、新たに公開された正式版のファクトリーイメージもビルド番号は同じとなっており、ビルド番号がNexus 6PやNexus 5Xでは「OPR6.170623.013」、PixelおよびPixel XLでは「OPR6.170623.012」、Pixel Cでは「OPR6.170623.010」となっています。
またアメリカの携帯電話会社であるVerizon Wirelessは29日(現地時間)、同社が販売するPixelおよびPixel XLに対してAndroid 8.0 Oreo(ビルド番号:OPR6.170623.012)へのネットワーク経由によるソフトウェア更新(OTA)を配信開始したとお知らせしています。Verizon Wirelessが配信開始したということで、近いうちに日本でもNexus 5XやNexus 6PのOTAははじまるのではないしょうか。
Model | Version | Download | HA-1 Checksum |
Pixel XL "marlin" | 8.0.0 (OPR6.170623.012, Aug 2017) | Link | 6304451dd6744b1a2faadd7921f28a217e8dbe4bf20c6cfc20bf350b1e0f07df |
Pixel "sailfish" | 8.0.0 (OPR6.170623.012, Aug 2017) | Link | 8ada9373e6f86cac20023bd6c7889edb0449fc7085913d1e45f8a1491b17942c |
Pixel C "ryu" | 8.0.0 (OPR6.170623.010, Aug 2017) | Link | 81a1479d62eddc5657c6b496a5581bafe07265b61f7e0c3b259430fcc7119758 |
Nexus 6P "angler" | 8.0.0 (OPR6.170623.013, Aug 2017, Not for TMO/USCC/Fi) | Link | a63b2f21ad07d7b163cdb0ff26b4d3aedfa3869462d4b86369dc35d5653895bb |
Nexus 5X "bullhead" | 8.0.0 (OPR6.170623.013, Aug 2017) | Link | 203642e1a27ee0f00302cbf0003adfb8fabfb27821a6f33bad393472a20b97c8 |
Android 8.0 Oreoでは以前のバージョン「Android 7.x(開発コード名:Nougat)」からさまざまな細かな改善を行っており、YouTubeや動画などを小窓で見れる「Picture-in-picture」機能や新しい通知機能「Notification dots」、電話番号やメールアドレス、URLなどをより手軽にコピーできる「Smart Text Selection」、人工知能(AI)による機械学習を用いたサポート機能「TensorFlow Lite」、Android TV向けホーム画面などに対応しています。
またバックグラウンドで動作しているアプリを制限することでバッテリー持続時間を改善する「Background limits」やプッシュ通知の表示を改善した「Notification channels」、Bluetoothオーディオにおいてソニーが推進している「LDAC」のサポートなどが導入されていたほか、主にメーカーやベンダー向けにOSバージョンアップがしやすいようになる「Project Treble」も導入されているとのこと。
さらにより高速な動作(Pixelでは実際に最大2倍の速さになるとのこと)を実現し、これまで以上に迅速にタスクを開始することができ、一旦起動すると自動入力機能「Autofill」などによって使いたいアプリに素早くアクセスできるようになり、権限を許可すればログインして適切な情報を提供してくれます。インストールしなくても使える「Android Instant Apps」もサポートされ、手軽にアプリを試したりすることができるようになります。
その他、絵文字もAndroid 7.x Nougatでかなり増えましたが、さらに増やして60以上の新しい絵文字が追加されているほか、これまであった絵文字についても完全に再設計されているとのこと。すでにGoogle Playの対応するほとんどの製品で導入が開始されている新しいセキュリティー機能「Google Play Protect」も導入され、より安全により安心して使えるようになっているということです。
なお、ファクトリーイメージファイルはWindowsまたはMacOS Xを搭載したパソコンにAndroidの開発環境を構築し、ADBコマンドが利用できる状態で導入することができます。また事前に導入する製品をブートローダーにてアンロックしておく必要があります。
そして、配布ページ( https://developers.google.com/android/nexus/images )から該当機種のファクトリーイメージファイルをダウンロードして解凍(展開)しておきます。その後、導入方法は公式Webページに記載されている通りの手順を行いますが、おおまかには以下の通りとなります。
1. 端末で「開発者向けオプション」を有効にしておく(「設定」→「端末情報」で「ビルド番号」を連打)
2. 「開発者向けオプション」から「USBデバッグ」を有効にする
3. パソコンで端末用のシステムイメージをダウンロードして展開(解凍)しておく
4. 端末とパソコンをUSBケーブルで接続する(RSAキーを認証する)
5. ターミナル(MacOS X)またはコマンドプロンプト(Windows)で「adb reboot bootloader」を実行する(または端末で音量下キーと電源上キー、電源キーの3つを同時に押して起動する)
6. 端末がfastboot modeで起動したらパソコンのターミナルまたはコマンドプロンプトで展開したディレクトリー(フォルダー)に移動して、flash-all(MacOS Xなら「flash-all.sh」、Windowsなら「flash-all.bat」)を実行する
なお、端末のbootloaderがアンロックされていない場合には、5.の後にターミナルまたはコマンドプロンプトで「fastboot oem unlock」を実行し、アンロックする必要があります。
以下、実際にNexus 6PにAndroid 8.0.0 Oreo正式版(OPR6.170623.013)を導入してみた主な画面のキャプチャーを掲載しておきます。すでに開発者向けに公開されていたOPR6.170623.013を導入していましたが、同じビルド番号ですが、タイムスタンプが新しくなっていたので念のため。毎度のことながら、技適マークがあってひとまず安心(;´Д`)
設定はトップ画面がかなり項目が減って整理され、先行してAndroid 7.x NougatでGalaxyシリーズが採用していたものに近い印象。上部にある検索バーから探したりするように。セキュリティーパッチは最新の2017年8月5日のもの
記事執筆:memn0ck
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