GoogleがAndroid 12 Beta 1をリリース!Pixel 3以降で利用可能に |
Googleは18日(現地時間)、オンラインにて2020年5月18日(火)から20日(木)までの3日間に渡って開催される開発者向けイベント「Google I/O 2021」( https://events.google.com/io/ )の基調講演を行い、スマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けプラットフォーム「Android」の次期バージョン「Android 12」について新たに大幅にデザインを変更して新たに好みの色などにできる「Material You」を導入すると発表しています。
また同日より一般向けベータ版「Android 12 Beta 1」を公開したとお知らせし、すでに同社のスマートフォン(スマホ)「Pixel」における「Pixel 3」シリーズ以降にて一般向けベータ版「Android Beta Program」( https://g.co/androidbeta )からネットワーク経由によるソフトウェア更新(OTA)で導入できます。
Android 12 Beta 1はPixel製品ではビルド番号が「SPB1.210331.013」となっており、Pixel製品以外でもAndroidエミュレーターでも試せます。またAndroidセキュリティーパッチレベルは「May 2021」になり、Google Play servicesも「21.12.13」となっているほか、APIレベルも正式版の「S Beta 1」となりました。
なお、Pixelシリーズ以外の他のメーカーの製品についても今後数週間のうちに利用できるようになるとしており、対応予定のメーカーとしてASUSやOnePlus、OPPO、realme、SHARP、TECMO、TCL、vivo、Xiaomi、ZTEが挙げられていました。その他、基調講演の他に「What's new in Android」もすでに公開されています。
Android 12は現在の最新バージョンの「Android 11」の次のメジャーアップデートとなる予定のバージョンで、最近の流れであるセキュリティーやプライバシーをより強化しており、ITのシンプルさと実用性、プライバシーと生産性を向上させる多くの機能が導入されているほか、新たにMaterial Youという新デザインが採用されることが発表されました。
正式版のリリースまでのスケジュールは今年2月に提供開始されたDeveloper Preview 1、そして前回のDeveloper Preview 2、Developer Preview 3を開発者向けプレビュー版がリリースされ、今回、初のベータ版となる「Beta 1」が提供されたため、今後は6〜7月に「Beta 2」および「Beta 3」、8月にPlatform Stability版となる「Beta 4」が提供され、その後、数週間でRC(Release candidate)版を経て正式版がリリースされる予定となっています。
Androidは世界中で選択肢を広げるオープンエコシステムを提供していることによって30億を超えるアクティブな製品で利用されているプラットフォームに成長し、スマホだけでなくタブレットやスマートウォッチ、ルーター、車などのさまざまな製品に搭載されています。
一方、当初よりAndroidではパーソナライズを重視しており、Android 12では好みに合った非常にパーソナルなスマホにできるような新デザインを採用したほか、デフォルトで安全で設計上プライベートなプラットフォームを提供し、すべての製品の連携を強化することに重点を置いているということです。
新たに導入される新デザインのMaterial YouはこれまでのMaterial Designを自分の好きな色や形、光、動きなどの体験全体をカスタマイズできるようになっており、GoogleではAndroid史上最大のデザイン変更だとしています。これにより、Android 12はこれまで以上に表現力豊かで、ダイナミックで、パーソナルになったとのこと。
例えば、Android 12以降を搭載したPixelシリーズではカスタムカラーパレットと再設計されたウィジェットを使用して完全にパーソナライズできるようになっており、色抽出と呼ばれる機能を使って壁紙を選択すると、システムはどの色が優勢でどの色が補完的でどの色が見栄えがよいかを自動的に判断します。
次に通知シェードやロック画面、ボリュームコントロール、新しいウィジェットなど、システム全体にこれらの色を適用します。これらはソフトウェアだけでなく、ハードウェアとデザインの各チーム間の緊密なコラボレーションで行われており、ソフトウェアとハードウェアのエコシステムをMaterial Youと呼ぶ単一の設計言語で統合しています。
またタップやスワイプ、スクロールをするたびに、その製品がどのように機能するかを実感でき、スムーズな動きとアニメーションで素早くタッチに反応します。例えば、ロック画面で通知を閉じると、時計が大きく表示されるのですべてが追いついたことがわかる、といった具体です。
さらに画面を下にスワイプして通知シェードに移動すると、Google Payとデバイスコントロールのクイック設定が表示されるようになり、通知シェードやクイック設定、さらには電源ボタンなど、最も重要な場所のいくつかは、使い勝手を意図的に再考したとしています。
通知シェードはより直感的で遊び心があり、現在聞いているものや見ているものを問わず、アプリの通知を一目で確認でき、クイック設定ではスワイプしてシステム全体を実質的に制御可能で、見た目や雰囲気が違うだけではなく、Google Payとホームコントロールを含むように再構築されており、カスタマイズもできるので最も必要なものすべてを1か所に簡単にアクセスできます。
一方、インタラクションを簡素化し、基盤となるシステム全体を作り直してエクスペリエンスをより流動的かつ効率的にしており、速度と応答性が向上して電力効率が向上したため、充電なしでより長く使用可能となったとのこと。これにより、コアシステムサービスに必要なCPU時間を最大22%削減し、システムサーバーによるビッグコアの使用を最大15%削減するなど、内部的な改善によって達成しています。
またAndroid 12にはデータにアクセスしているアプリの透明性を高める新機能とアプリがアクセスできる個人情報の量について情報に基づいた選択を行えるようにするためのより多くのコントロールが含まれています。新しいプライバシーダッシュボードでは権限設定やアクセスされているデータ、頻度、アプリを1つに表示可能で、ダッシュボードから直接アプリの権限を簡単に取り消すことができます。
ステータスバーの右上に新しいインジケーターが追加されたため、アプリがマイクやカメラにアクセスしていることがわかり、システム全体でこれらの機能へのアプリアクセスを削除する場合にはクイック設定に2つの新しいトグルを追加しました。
またアプリと共有する情報の量をより細かく制御できるようになり、新しいおおよその位置情報の権限によってアプリは正確な位置ではなく、おおよその位置のみを表示するように制限可能で、例えば、天気予報アプリでは正確な予測を提供するために正確な場所は必要ありません。
Android 12のこれらの新しいプライバシー機能に加えてプライバシー保護をOSに直接組み込んでおり、 AIを使用して役立つ新機能を作成する機会はこれまでになく増えていますが、これらの機能は強力なプライバシーと組み合わせる必要があります。そのため、Android 12では「Android Private Compute Core」を導入し、設計上プライベートな空間を導入できるようになり、個人情報を安全かつプライベートに、そしてローカルに保つことができます。
Android Private Compute Coreは「Live Caption」や「Now Playing」、「Smart Reply」などの機能にて有効で、すべての音声と言語の処理はプライバシーを保護するためにネットワークから分離された製品上で行われ、他のAndroidと同様にAndroid Private Compute Coreの保護はオープンソースで、セキュリティーコミュニティによって完全に検査および検証できます。
今年後半にはさらに多くの機能が登場し、視覚障害者向けのユーザー補助機能の改善、スクリーンショットのスクロール、お気に入りの人をホーム画面に表示する会話ウィジェット、すべてのデバイスをより適切に連携させる方法などが導入され、今後も限界を押し広げ、最高水準のプライバシー、セキュリティ、安全性を維持する方法を模索していきます。
記事執筆:memn0ck
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