GoogleがAndroid 12 Beta 4を公開!近く正式版がリリースへ |
Googleは11日(現地時間)、スマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けプラットフォーム「Android」の次期バージョン「Android 12」における一般向けベータ版第4弾「Android 12 Beta 4」を公開したとお知らせしています。すでに同社のスマートフォン(スマホ)「Pixel」シリーズにおける「Pixel 3」シリーズ以降で利用可能です。
対象のPixel製品では一般向けベータ版「Android Beta Program」( https://g.co/androidbeta )にアクセスし、対象製品をAndroid Beta Programに登録すれば、通常のソフトウェア更新と同様にネットワーク経由でアップデート(OTA)ができます。なお、Pixelシリーズ以外の他のメーカーの製品についても順次配信されるようになる見込み。
Android 12 Beta 4はPixel製品ではビルド番号が「SPB4.210715.011」となっており、Pixel製品以外でもAndroidエミュレーターでも試せます。またAndroidセキュリティーパッチレベルは「2021年8月5日」になり、Google Play servicesも「21.24.18」となっています。なお、APIレベルは最終APIとなったBeta 3と同様に「API 31」です。
Android 12 Beta 4ではプラットフォーム安定版となったため、Android 12におけるAPIとすべてのアプリ向けの挙動が最終版となっており、開発者はアプリのAndroid 12への互換性と品質の確認を行い、Android 12の正式版のリリースに間に合うようにアプリのチェックを行ってアップデートする準備を行うよう案内しています。
Android 12は現在の最新バージョンの「Android 11」の次のメジャーアップデートとなる予定のバージョンで、最近の流れであるセキュリティーやプライバシーをより強化しており、ITのシンプルさと実用性、プライバシーと生産性を向上させる多くの機能が導入されているほか、新たに「Material You」という新デザインが採用されることになっており、ユーザー向けの主な新機能については『Googleのスマホなど向け次期OS「Android 12」の新機能を紹介!全画面キャプチャーや新デザインなど。最終APIになったベータ3が提供中【レビュー】 - S-MAX』をご覧ください。
正式版のリリースまでのスケジュールは今年2月に提供開始されたDeveloper Preview 1、3月にDeveloper Preview 2、4月にDeveloper Preview 3、そして前回、5月にGoogle I/O 2021に合わせて初のベータ版となるBeta 1、6月にBeta 2、7月にBeta 3がリリースされ、今回のPlatform Stability版となるBeta 4と順調に提供され、今後は数週間でRelease Candidate(RC)版を経て正式版がリリースされる予定となっています。
Android 12 Beta 4ではAPIだけでなくアプリに対する仕様もフィックスされ、開発者はアプリをAndroid 12に対応させるのに最終確認ができるようになっているため、正式版のリリースに向けてアプリをAndroid 12に対応させるための作業を開始ように推奨されています。
Googleでは製品がAndroid 12にOSバージョンアップする際にアプリが正常に動作しなかった場合、最終的にアンインストールにつながるとし、そのためにまずはアプリが正しく動くかどうかをテストし、Android 12に互換性のあるアップデートをAndroid 12の正式版のリリース前に準備するべきだとしています。
アプリのAndroid 12への互換性をテストするには、Android 12 Beta 4を導入してアプリを実行し、すべてのフローを確認して機能やユーザーインターフェース(UI)に問題がないかチェックします。なお、Android 12におけるアプリの互換性チェックにおける注意すべき主な変更点は以下の通り。
・プライバシーダッシュボード
「設定」の新しいダッシュボードを使用すると、利用者はどのアプリがどの種類のデータにいつアクセスしているかを確認できます。利用者は必要に応じて権限を調整でき、アクセスの理由についてアプリに詳細をリクエストできます。詳細は https://developer.android.com/about/versions/12/features#privacy-dashboard より。
・マイクとカメラのインジケーター
Android 12ではアプリがカメラまたはマイクを使用しているときにステータスバーにインジケーターを表示します。詳細は https://developer.android.com/about/versions/12/behavior-changes-all#mic-camera-indicators より。
・マイクとカメラの切り替え
クイック設定の新しい切り替えによって利用者はすべてのアプリのマイクとカメラへのアクセスを即座に無効にできます。詳細は https://developer.android.com/about/versions/12/behavior-changes-all#mic-camera-toggles より。
・クリップボード読み取り通知
アプリがクリップボードから予期せずデータを読み取ると、トーストで警告されます。詳細は https://developer.android.com/about/versions/12/behavior-changes-all#clipboard-access-notifications より。
・ストレッチオーバースクロール
新しい「ストレッチ」オーバースクロール効果はシステム全体で以前の「グロー」オーバースクロール効果を置き換えます。詳細は https://developer.android.com/about/versions/12/overscroll より。
・アプリのスプラッシュ画面
Android 12ではアプリの新しいアニメーション起動画面で起動します。詳細は https://developer.android.com/about/versions/12/features/splash-screen より。
・Keygenの変更
いくつかの非推奨のBouncyCastle暗号化アルゴリズムが削除され、Conscryptバージョンが優先されます。アプリでAESで512ビットキーを使用する場合は、Conscryptでサポートされている標準サイズのいずれかを使用する必要があります。詳細は https://developer.android.com/about/versions/12/behavior-changes-all#bouncy-castle より。
またアプリのライブラリーとSDKの互換性をテストすることも忘れないようにしてください。SDKの問題を見つけた場合、SDKの最新バージョンに更新するか、開発者にサポートを依頼してみてください。
Android 12にアプリを対応させたバージョンを公開したら、アプリのtargetSdkVersionを更新するプロセスを開始できます。 Android 12対応アプリの動作の変更を確認し、互換性フレームワークを使用して問題をすばやく検出できるようにします。なお、変更された一部は以下の通り(これらはアプリのtargetSdkVersionがAPIレベル31以上の場合に適用されます)。
・フォアグラウンドサービスの起動制限
アプリはフォアグラウンドサービスをバックグラウンドから起動できなくなりました。優先度の高いバックグラウンドタスクの場合、代わりにWorkManagerで優先ジョブを使用してください。詳細は https://developer.android.com/about/versions/12/foreground-services より。
・おおよその場所
アプリが正確な場所の許可を要求するときに利用者は正確な場所またはおおよその場所のいずれかを付与することを選択できるようになりました。詳細は https://developer.android.com/about/versions/12/behavior-changes-12#approximate-location より。
・正確なアラームの新しい権限
正確なアラームを使用するアプリは新しい通常の権限SCHEDULE_EXACT_ALARMを要求する必要があります。詳細は https://developer.android.com/about/versions/12/behavior-changes-12#exact-alarm-permission より。
・WebViewでの最新のSameSiteCookieの動作
アプリでWebViewを使用している場合は新しいSameSiteCookieの動作でアプリをテストします。詳細は https://developer.android.com/about/versions/12/behavior-changes-12#samesite より。
・コンポーネントのより安全なエクスポート
アプリはインテントフィルターを使用するアプリコンポーネントのandroid:exported属性を明示的に指定する必要があります。詳細は https://developer.android.com/about/versions/12/behavior-changes-12#exported より。
・カスタム通知
システムはアプリ名やアプリアイコン、展開/折りたたみデータのアフォーダンスを用いて標準の通知テンプレートを完全にカスタムの通知に適用します。詳細は http://developer.android.com/about/versions/12/behavior-changes-12#custom-notifications より。
・通知トランポリンの制限
通知は「トランポリン」(ターゲットアクティビティーを開始する中間ブロードキャストレシーバーまたはサービス)を使用してアプリを起動できなくなりました。詳細は https://developer.android.com/about/versions/12/behavior-changes-12#notification-trampolines より。
テストはアプリでの制限付きの非SDKインターフェースの利用にも注意し、代わりにそれらをパブリックSDKの同等のインターフェースに移動します。制限付きAPIについては https://developer.android.com/preview/non-sdk-12 をご覧ください。
「設定」→「デバイス情報」においてAndroidのバージョン部分を連続タップすると表示される「イースターエッグ」もAndroid 12バージョンに変更され、新しく時計となり、12(0)時に合わせると「12」が表示されるように
記事執筆:memn0ck
■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・S-MAX - Facebookページ
・Android 12 関連記事一覧 - S-MAX
・Android Developers Blog: Android 12 Beta 4 and Platform Stability
・Android 12 Developer Preview | Android Developers