シャープのハイスペックモデル「AQUOS R7」をチェック!

既報通り、シャープは5月9日に「AQUOS(アクオス)」ブランドにおける新しいフラッグシップスマートフォン(スマホ)「AQUOS R7(アクオス アールセブン)」を2022年7月以降に発売することを発表した。

通信事業者(キャリア)向けモデルとしてNTTドコモが「AQUOS R7 SH-52C」を2022年7月下旬以降に、ソフトバンクが同社の携帯電話サービス「SoftBank」にて「AQUOS R7」を2022年7月上旬以降に販売開始する予定となっている。

販路はNTTドコモではドコモショップや量販店などのドコモ取扱店および公式Webストア「ドコモオンラインショップ」など、SoftBankではソフトバンクショップや量販店などのSoftBank取扱店および公式Webストア「ソフトバンクオンラインショップ」などで、発売に先立ってNTTドコモではすでに事前予約受付を実施しており、SoftBankでも日程は未定だが、事前予約を受け付ける見込みとなっている。

本体のカラーバリエーションはNTTドコモ版およびSoftBank版ともに「ブラック」と「シルバー」の2色展開だが、NTTドコモではシルバーをドコモオンラインショップ限定カラーとして販売し、シャープと共同の取り組みとして機種代金の1%相当を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応や命を救うさまざまな活動を行う日本赤十字社の活動資金として寄付する。

価格は現時点ではどちらも未定。参考までに2021年6月25日発売の前機種「AQUOS R6(アクオス アールシックス)」は、各種割引施策を適用しない発売時の価格(金額はすべて税込)が、NTTドコモで115,632円、SoftBankで133,920円だった。なお、シャープではオープン市場向けメーカー版(いわゆるSIMフリー版)についてはニーズや市場動向を見ながら検討するとしている。

今回はシャープが5月9日のオンライン発表会後に開催したメディア向け体験会でAQUOS R7に触れることができたので、写真や動画を交えながら外観や基本機能、特徴などをレポートする。

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AQUOS R7の本体正面


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AQUOS R7の本体背面。左がブラック、右がシルバー


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背面パネルは薄い強化ガラス

AQUOS R7は、昨年発売された前機種AQUOS R6の後継機種で、Leica Camera(ライカカメラ:以下、ライカ)と共同開発した「SUMMICRON(ズミクロン)」レンズと1インチセンサーを搭載したカメラが大きな特徴のハイスペックモデル。本体のサイズや重量は未定、ディスプレイは約6.6インチWUXGA+(1260×2730ドット)の「Pro IGZO(プロ イグゾ―) OLED(有機EL)」を搭載する。

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従来機とAQUOS R7とのディスプレイ比較。
明るいだけでなく黒色の締まりが各段に向上している


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ピーク輝度は2000nit


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AI超解像度


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フレーム補間

ディスプレイの最大輝度は2000nit、最大駆動(リフレッシュレート)は240Hz、最大コントラストは2000万:1と、明るいだけでなく従来よりも黒をしっかり表現でき、さらに滑らかな表示を実現している。また、再生される動画を滑らかで高解像な動画へとアップコンバートする「フレーム補間」機能を新たに搭載し、動画の視聴体験をさらに向上させている。

前機種のAQUOS R6ではディスプレイの両端はラウンド形状だったが、今回のAQUOS R7ではディスプレイと側面はフラットな形状に変更されており、背面のカメラ部分も含め本体全体のデザインが刷新されている。

ディスプレイおよび背面を覆うパネルはCorningの強化ガラス「Gorilla Glass Victus(ゴリラ ガラス ヴィクタス)」を採用し、前面だけでなく背面の耐久性も強化している。また、背面ガラスはすりガラス調の加工を施しており、ツルツルともサラサラともいえる触り心地のよい質感と上品な背面カラーを演出している。本体側面のフレーム部分はアルミ製。

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本体正面向かって左側面(上)と右側面(下)(画像=上)、上部側面(上)と下部側面(下)(画像=下)

本体正面に向かって左側面にはボタンや端子類はなく、右側面には上下(音量)キーと電源キーを搭載している。上部側面にはnanoSIMカード(4FF)とmicroSDカードのスロット、3.5mmイヤホンマイク端子を、下部側面にはUSB Type-C端子を備えている。

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本体上部のスロットを外したところ


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本体(左)とSIMおよびmicroSDカードスロット(右)

本体上部のカードスロットはSIMピンを使って取り外すタイプで、microSDカードは最大1TBまでのmicroSDXCカードに対応している。

nanoSIMカード(物理SIM)はシングルスロットだが、ドコモ版・SoftBank版ともeSIMにも対応したデュアルSIMデュアル5G仕様となっている。5G通信はSub6(6GHz未満の周波数帯)とミリ波(mmWave)に対応している。

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本体背面のカメラ


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シルバーの本体背面

背面のアウトカメラは、
・有効画素数 約4720万画素 CMOSレンズ(19mm相当、F1.9)、電子式手ブレ補正付き
・有効画素数 約190万画素 測距用センサー
これらを搭載している。

ちなみに前機種のAQUOS R6のアウトカメラは、
・約2020万画素CMOSレンズ(19mm相当、F1.9)
・ToFセンサー
だったため、単純に画素数だけを比較しても大幅に向上している。

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ズミクロンレンズと1インチセンサーの展示コーナー


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ズミクロンレンズの解説ボード


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実際のズミクロンレンズを拡大してモニターに表示している


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実際のズミクロンレンズ


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1インチセンサーの解説ボード


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歴代機種のセンサー。左から「AQUOS R5G」、前機種の「AQUOS R6」、今回の新機種「AQUOS R7」


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アウトカメラを構成している各パーツ

ライカと共同開発したズミクロンレンズの展示では、実際の7枚レンズを顕微鏡を介してモニターに拡大表示させていた。明るく歪みが少ないズミクロンレンズに加え、1インチのイメージセンサーを搭載。前機種AQUOS R6との違いは、最大画素数が約4720万画素に、集光量が約1.8倍に向上しており、より美しく高解像度な撮影が可能になっている点だ。

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背面を取り外した本体内部のアウトカメラを正面から見たところ


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背面を取り外した本体内部のアウトカメラを斜めから見たところ

一般的なハイスペックスマホのサイズに、7枚構成のレンズや1インチイメージセンサーといった大きな部品が収められている。

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オートフォーカスデモ


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新AI検出エンジンで被写体追尾も向上


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被写体追尾のデモ

「オートフォーカス(AF)の速さ」と「追尾機能」の2つの機能向上もポイントだ。一見同じような性能に思えるが、AF速度の向上は画素がフォーカス位置を検出できる「全画素Octa Photo Diode Auto Focus (Octa PD AF)方式」に対応したことで実現している。

全画素Octa PD AF方式とは、画素の一部のみをAF用に使用していた従来方式に比べ、全画素をAF用としても使用している点が異なる。AFの高速化と高感度撮影を両立することができる方式とのこと。展示会場では、もぐら叩きのように6カ所の穴からマスクを装着した人物がランダムに顔を出してオートフォーカスまでの速さを体験できるデモを実施していた。

一方の追尾機能については、新しいAI検出エンジンの搭載によって前機種AQUOS R6の約1.5倍のAI処理速度を実現している。これによって、AIがリアルタイムに全身、顔、瞳を検出して被写体を素早く追跡する。展示では、人物や動物が描かれた小さな箱をレールの上で動かしてカメラが追尾するデモを実施していた。この追尾機能は人物および犬や猫に有効な機能となっており、犬や猫を認識した際はカメラ撮影画面では「ペット」の表示が出る仕様になっている。

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本体正面上部のカメラ部分

ディスプレイ上部の小さなパンチホールには有効画素数約1260万画素のCMOS(27mm相当、F2.3)を搭載している。

なお、カメラデモ以外の展示機ではカメラアプリを利用できなかったため、画面表示や具体的な機能および撮影モードなどの仕様チェックはできなかった。

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左が「ホーム」画面、右が「アプリ一覧」画面


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左が「デバイス情報」の画面、右が「ストレージ」の画面

OSはAndroid 12、チップセット(SoC)はSnapdragon 8 Gen 1 Mobile Platform(2.9GHz + 1.7GHz オクタコア)、内蔵メモリー(RAM)は12GB、内蔵ストレージ(ROM)は256GBを搭載し、外部メモリーは前述の通り最大1TBまでのmicroSDXCに対応している。

AQUOS R7の携帯電話ネットワーク対応周波数帯は以下の通りで、最大通信速度はNTTドコモの5Gで下り最大4.9Gbpsおよび上り最大1.1Gbps、4G LTEで下り最大1.7Gbpsおよび上り最大131.3Mbpsとなっており、SoftBankはいずれも測定中とのこと。

<AQUOS R7 対応バンド>
5G NRsub6n3 / n28 / n77 / n78 / n79
ミリ波n257
4G LTEFDD-LTE1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 11 / 12 / 13 / 17 / 18 / 19 / 20 / 21
TD-LTE38 / 39 / 40 / 41 / 42
3GW-CDMA1 / 2 / 4 / 5 / 8
2GGSM850 / 900 / 1800 / 1900

Wi-FiはIEEE802.11a/b/g/n(Wi-Fi 4)/ac(Wi-Fi 5)/ax(Wi-Fi 6)に、Bluetoothはバージョン5.2に対応する。

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ブラックの正面


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ブラックの背面


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シルバーの正面


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シルバーの背面

本体には5000mAhのバッテリーを内蔵し、USB Type-Cによるケーブルチャージの他にワイヤレス充電にも対応している。IPX5、IPX8の防水性能およびIP6Xの防塵性能を備え、おサイフケータイ(FeliCa)やNFCをサポートしている。また生体認証は顔認証と3D超音波指紋センサー「Qualcomm 3D Sonic Max」を備える指紋認証にも対応。

最後に会場の担当者に主な特長などを聞いた動画を紹介する。


S-MAX:シャープ製の5G対応フラッグシップスマートフォン「AQUOS R7」の主な特徴などを聞いてみた!



2022夏 スマートフォンAQUOS コンセプトムービー


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<AQUOS R7の主な仕様>
製品名AQUOS R7
サイズ未定
質量未定
本体色ブラック、シルバー
ディスプレイ約6.6インチWUXGA+(1260×2730ドット)
有機EL「Pro IGZO OLED」
HDR表示
チップセット(SoC)Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1
CPUオクタコア(2.9GHz×1+2.4GHz×3+1.7GHz×4)
GPUAdreno 730(最大818MHz)
内蔵メモリー(RAM)12GB(LPDDR5)
内蔵ストレージ256GB(UFS 3.1)
外部ストレージmicroSD/microSDHC/microSDXC(最大1TB)
リアカメラ約4720万画素CMOS/超広角カメラ(F1.9)
約190万画素CMOS/深度カメラ(F2.5)
フロントカメラ約1260万画素CMOS/広角レンズ(F2.3)
バッテリー容量5000mAh(取外不可)
接続端子USB Type-C
ワイヤレス充電
生体認証○(顔、指紋)
防水/防塵/耐衝撃○/○/ー
おサイフケータイ(FeliCa/NFC)○/○
ワンセグ/フルセグー/ー
ハイレゾ音源
テザリング同時接続数[Wi-Fi/USB/Bluetooth]10台/1台/4台
無線LAN(Wi-Fi)IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax準拠
BluetoothVersion 5.2
最大通信速度(5G)[受信時/送信時]4.9Gbps/1.1Gbps
VoLTE/VoLTE(HD+)○/○
SIMnanoSIMカード+eSIM
OSAndroid 12
メーカーシャープ








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