GoogleがAndroid 13 Beta 3をリリース!初の安定版に

Googleは8日(現地時間)、スマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けプラットフォーム「Android」の次期バージョン「Android 13」における一般向けベータ版第3弾「Android 13 Beta 3」を公開したとお知らせしています。すでに同社のスマートフォン(スマホ)「Pixel」シリーズにおける「Pixel 4」シリーズ以降で利用可能なほか、Pixelシリーズ以外の他のメーカーの製品についても順次配信されるようになる見込みです。

Android 13 Beta 3ではAndroid 13における初の安定版(Platform Stability)となっており、動作の安定性が増し、各種不具合も修正されているほか、最終的なAndroid 13におけるAPIとSDKも含まれているため、同社ではアプリなどの開発者に向けにAndroid 13へ対応したアップデートに着手し、正式版のリリースに間に合うように対応するよう促しています。

なお、Pixel製品では一般向けベータ版「Android Beta Program」( https://g.co/androidbeta )にアクセスし、対象製品をAndroid Beta Programに登録すれば、通常のソフトウェア更新と同様にネットワーク経由でアップデート(OTA)ができます。一方、シャープでは6月7日に「AQUOS sense6 SH-M19」向け「Android 13 Developer Preview Program for AQUOS sense6」の第2弾を提供開始しています。

Pixel製品におけるAndroid 13 Beta 3はビルド番号が「TPB3.220513.017」となっており、Pixel製品以外でもAndroidエミュレーターでも試せます。またAndroidセキュリティーパッチレベルは「2022年6月5日」になり、Google Play servicesも「22.18.19」となっているほか、APIレベルは新たに最終APIということでベータが外れて「API 33」となっています。

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Android 13は現在の最新バージョンの「Android 12」の次のメジャーアップデートとなる予定のバージョンで、最近の流れであるセキュリティーやプライバシーをより強化しており、さらに大画面やフォルダブル向けに提供される「Android 12L」で導入された新しい機能のいくつかも提供され、正式版に向けて徐々にAndroid 13の新機能を追加していくということです。

正式版のリリースまでのスケジュールはこれまで開発者向けプレビュー版が2月より、一般向けベータ版が4月より、ベータ版第2弾のBeta 2が5月より提供されていましたが、今回、最初の安定版である「Beta 3」がリリースされ、今後は7月に正式版に近い最終テストとなる「Beta 4」が提供され、その後にAOSPとエコシステム向けの正式版がリリースされる予定となっています。

またAndroid 13では新しい通知権限やフォトピッカーなどのプライバシー機能、テーマ別のアプリアイコン、クイック設定タイル配置、アプリごとの言語サポートなど、優れたユーザーエクスペリエンス(UX)、HDRビデオやSpatial Audio、Bluetooth Low Energy Audioなど、オーディオとビデオの最新の標準機能など、さらに多くの機能にも対応しています搭載されています。

・Wi-Fiの近くにあるデバイス権限
無線LAN(Wi-Fi)のアクセスポイント(AP)の近くにあるデバイスへの接続を管理するにはデバイスの位置情報へのアクセスを必要とせずにWi-Fiのスキャンなどによる新しいNEARBY_WIFI_DEVICESランタイム権限を使うようになります。Wi-Fi APIのいくつかの機能はアプリがこの新しい権限に対応する必要があります。詳細は https://developer.android.com/about/versions/13/features/nearby-wifi-devices-permission より。

・きめ細かなメディア権限
Android 13ではアプリが共通のストレージからメディアファイルを読み取る場合にREAD_EXTERNAL_STORAGE権限ではなく、新しいきめ細かい権限をリクエストする必要があります。詳細は https://developer.android.com/about/versions/13/behavior-changes-13#granular-media-permissions より。

・ボディセンサーの権限の変更
Android 13ではボディーセンサーを使っているときのアクセスが導入され、アプリがバックグラウンドからボディーセンサー情報にアクセスする必要がある場合は新しいBODY_SENSORS_BACKGROUND権限を宣言する必要があります。詳細は https://developer.android.com/about/versions/13/behavior-changes-13#body-sensors-background-permission より。

・インテントフィルターは一致しないインテントをブロックします
アプリがAndroid 13(API 33)以降をターゲットとする別のアプリのエクスポートされたコンポーネントにインテントを送信する場合に受信アプリのインテントフィルターと一致する必要があります。詳細は https://developer.android.com/about/versions/13/behavior-changes-13#intent-filters をより。

・PlaybackStateから派生したメディアコントロール
Android 13ではPlaybackStateアクションからより多くのメディアコントロールを派生させ、デバイスタイプ間で一貫したより豊富なコントロールのセットを表示します。アプリがこれらの変更を処理することを確認してください。詳細は https://developer.android.com/about/versions/13/behavior-changes-13#playback-controls より。

Android 13はAndroid 12Lで導入されたタブレットやフォルダブルスマホなどの大画面製品に最適化した機能が導入されているため、テストの一環としてアプリがタブレットなどの大画面製品で最適に表示されることを確認するよう案内されています。確認は開発環境「Android Studio」でAndroidエミュレーターをセットアップすることで大画面機能をテストできるほか、Android 13 Betaで提供されている大画面製品で行えます。その際に注意すべきいくつかの点は次の通りです。

・タスクバーの相互作用
大画面で新しいタスクバーを表示したときにアプリがどのように応答するかを確認します。アプリのユーザーインターフェース(UI)がタスクバーによって途切れたりブロックされたりしていないことを確認してください。詳細は https://developer.android.com/about/versions/13/features/large-screens#multitasking より。

・マルチウィンドウモード
アプリの構成に関係なく、すべてのアプリでマルチウィンドウモードがデフォルトで有効になっているため、アプリが分割画面を適切に処理するようにしてください。アプリを分割画面モードにドラッグ&ドロップし、ウィンドウサイズを調整することでテストできます。詳細は https://developer.android.com/about/versions/13/features/large-screens#dev-test-splitscreen より。

・互換性エクスペリエンスの向上
固定方向を使用したり、サイズ変更できないなど、アプリがタブレットなどの大画面製品向けにまだ最適化されていない場合はレターボックスなどの互換モードの調整にアプリがどのように反応するかを確認してください。詳細は https://developer.android.com/about/versions/13/features/large-screens#compatibility より。

・メディアプロジェクション
アプリでメディアプロジェクションを使用している場合は大画面でメディアを再生またはストリーミング、キャストしているときにアプリがどのように応答するかを確認してください。フォルダブルスマホでもデバイスの向きや開閉といった状態の変化を考慮してください。詳細は https://developer.android.com/about/versions/13/features/large-screens#media-projection より。

・カメラプレビュー
カメラアプリの場合はアプリがマルチウィンドウモードまたは分割画面モードで画面の一部に制限されているときにカメラプレビューUIが大画面でどのように応答するかを確認します。また折りたたみ式デバイスの姿勢が変化したときにアプリがどのように反応するかを確認してください。詳細は https://developer.android.com/training/camera2/camera-preview より。

その他、Android 13のタブレット機能とテスト対象について詳しくは https://developer.android.com/about/versions/13/features/large-screens をご覧ください。また現在提供しているアプリのAndroid 13での互換性をテストし、アプリがAndroid 13のデフォルトの動作変更の影響を受けるかどうかを確認して欲しいとのこと。

なお、Android 13には新しいプラットフォームをターゲットにしている場合にのみアプリに影響するオプトインの動作の変更があるため、これらの変化を早期に理解して評価することは非常に重要となっており、テストを簡単にするために変更のオンとオフを個別に切り替えることができるようになっています。



記事執筆:memn0ck


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