KDDIが「au通信障害(進捗)に関する記者説明会」を開催! |
既報通り、KDDIおよび沖縄セルラー電話が提供する携帯電話サービスにおいて全国で2022年7月2日(土)1時35分頃より音声通話およびデータ通信を利用しづらい状況が発生しました。原因は7月2日未明に設備障害によってVoLTE交換機でトラヒックの輻輳が発生しているためだということです。
これに対し、KDDIは4日、オンラインにて「au通信障害(進捗)に関する記者説明会」を開催し、すでにネットワーク状況は障害発生前の水準に戻っており、音声通話やデータ通信を含めて全国的にほぼ回復しているものの、現在も異常がないか監視を続けてる状況だと説明しました。
その上で“全面復旧”となる本格再開時間を判断するのは7月5日(火)夕方頃になる見込みだということです。なお、引き続いて音声通話おやデータ通信が利用しづらい場合は利用しているiPhoneやAndroidなどの電話機の電源をオフ/オンの操作を試すように案内しています。
KDDIおよび沖縄セルラー電話では全国の携帯電話サービスにおいて7月2日1時35分頃より設備障害によって音声通話やデータ通信が利用しづらい状況が発生し、当初は電波は入っているものの、音声通話の発信や着信ができなかったり、データ通信が遅かったりしていました。
その後、トラヒックの輻輳を軽減するため、流量制御などの対処を講じたことによってケースによっては圏外になったりしていました。なお、UQコミュニケーションズではKDDIおよび沖縄セルラー電話の障害の影響か、WiMAX 2+によるデータ通信についても全国で7月2日7時20分頃より利用しづらい状況が発生していました。
対象は携帯電話サービス「au」および「UQ mobile」、「povo」、au回線の仮想移動体通信事業者(MVNO)や楽天モバイルのau回線ローミングを含めたau回線を利用したすべてのサービスに加え、ホームプラス電話、ホーム電話、auフェムトセルとなっており、これらのサービスにて音声通話およびSMS送受信、データ通信が利用しづらくなっていたとのこと。
そうしたことからKDDIでは7月3日に「2022年7月2日の音声・データ通信サービスがご利用しづらい状況について」と題した記者会見を開催し、KDDI 代表取締役社長の高橋誠氏らが改めて謝罪した上で障害についての説明を行いました。
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これまでに障害の影響数は今後に最終的に精査するものの、最大3915万回線(個人・法人向けが3580万、MVNOが140万、IoTが150万、ホームプラスが45万)であることを明らかにしており、その後、西日本では7月3日11時頃、東日本では7月3日17時30分頃に復旧作業を終了しました。
一方、復旧作業は終了したため、全国的にデータ通信を中心として徐々に回復し、7月4日14時頃にはデータ通信は概ね回復したものの、ネットワーク試験の検証中につき、流量制御などの対処を講じているため、音声通話が引き続いて利用しづらい状況が継続していましたが、7月4日16時頃には音声通話についても全国的にほぼ回復しました。
7月4日に開催されたau通信障害に関する記者説明会にはKDDI 取締役執行役員専務 技術統括本部長の吉村 和幸氏およびKDDI 執行役員 技術統括本部 副統括本部長 兼 エンジニアリング推進本部長の山本 和弘氏が登壇。まずは会見の後に東日本を含めて7月3日に復旧作業が予定通り終了したことを説明しました。
その後、ネットワークの試験や検証の中で障害の原因となったVoLTE交換機と加入者DBの負荷が想定よりも十分に軽減しなかったことから継続して流量制限などの対処を講じていることを公式Webサイトなどで案内していたということです。また7月4日12時18分~13時18分までに18台中あるうちの6台のVoLTE交換機から加入者DBへ不要な過剰信号を送出していたことが判明したため、それに対処したとのこと。
VoLTE交換機を加入者DBから一旦切り離し、過剰信号の加入者DBへの送信を停止したことよって加入者DBの負荷が低減し、これに伴ってVoLTE交換機の負荷も低減が図れたということです。またデータ不一致解消作業は7日3日の時点で終わっており、負荷低減もこれで解消されたと考えているということです。
これにより、現時点では障害発生前の水準になり、音声通話の発着信成功率も大幅に向上しており、7月4日14時51分に無線設備の流量制限を解除してすべての作業を終えたとのことです。ただし、まだネットワークやトラフィックの状態監視を続けており、各サービスの利用状況を確認して最終的な完全復旧の判断を7月5日夕刻をめどに行いたいと説明しました。
記事執筆:memn0ck
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