Googleスマホ「Pixel 7」と「Pixel 7 Pro」にて無料で使えるようになったVPN by Google Oneを実際に試してみた! |
既報通り、Googleは5日(現地時間)、同社が開発・販売する「Pixel」ブランドのスマートフォン(スマホ)における月次アップデートの2022年12月分を提供開始し、セキュリティー更新や機能改善、不具合修正に加えて「Pixel Feature Drop」による新機能の追加を行っています。
すでにソフトウェア更新はネットワーク経由によるアップデート(OTA)が配信開始されているほか、ファクトリーイメージも公開され、対象となる「Pixel 4a」以降のPixelスマホにて無料でソフトウェア更新が可能となっており、更新後のビルド番号はカナダ向けのPixel 4aが「TQ1A.221205.011.B1」、イギリスのO2向けのPixel 6aおよびPixel 7、Pixel 7 Proが「TQ1A.221205.012」、それ以外の製品では共通して「TQ1A.221205.011」となっています。
特に最新フラッグシップスマホ「Pixel 7」と「Pixel 7 Pro」には無料でVPNサービスが利用できるようになったり、通話時に相手がいる場所の騒音などのバックグラウンドノイズが低減されて相手の声がはっきり聞こえる「クリア 音声通話」機能などが追加されているほか、すでに紹介しているように日本においては無線LAN(Wi-Fi)の6GHz帯の「Wi-Fi 6E」(IEEE802.11ax)が利用できるようになっています。
今回はそんなPixel 7およびPixel 7 Proなら無料で使えるようになったVPNサービス「VPN by Google One」を使ってみたので使い方などを紹介したいと思います。なお、VPN by Google Oneはクラウドストレージなどのサービスを含むサブスクリプションサービス「Google One」の2TB以上のプランを契約している場合はPixel 7やPixel 7 Pro以外でもAndroidだけでなくiPhoneやiPad、パソコンなどでも特典として使えます。
スマホなどでインターネットを利用してWebページを閲覧したり、アプリを使ったりする場合、一部のWebサイトやアプリでは暗号化の方式が古かったり、脆弱だったり、まったく暗号化されていないなどの場合もあり、保護されていないデータは転送中にハッカーによって傍受、改ざんされる可能性があります。
それによってプライバシーとセキュリティーに影響する恐れがあるほか、オンラインサービスを利用した履歴にアクセスされたり、アクセスしたWebサイトからIPアドレスに基づいてトラッキングされたりする可能性もあります。そうした問題を回避するためにネットワークトラフィックを暗号化するVPNサービスを利用することが望まれます。
VPNサービスはトラフィックを暗号化するプロキシサーバー経由して再ルーティングされるため、より使っているWebブラウザーやアプリに関係なくオンラインの利用が保護でき、例えば、空港やカフェなどの暗号化されていない公衆無線LAN(Wi-Fi)サービスを利用する場合でもより安全にインターネットを使ったWebサイトを閲覧したりアプリを利用できます。
またVPN by Google OneはGoogleが提供しているので安心できるほか、Google One VPNでは利用している国・地域に合わせて適切なコンテンツがWebページに表示されるようにIPアドレスが割り当てられるほか、高度な暗号技術を駆使して、Googleを含む第三者がトラフィックを利用者と関連付けられないようにしているということです。
また利用者の正確な位置情報を特定することはできず、トラフィックやIPアドレスは記録されず、GoogleがVPN接続を使用してオンラインを利用した履歴を追跡・記録、販売することは一切ないということです。なお、IPアドレスの地域を変更するオプションはありません。
ただし、VPNサービスの安全性とパフォーマンスを確保するため、全体的なスループットや稼働時間、レイテンシなどの情報は完全に匿名化された状態で収集されるほか、プライバシーを損なうことなく全体的なサービスの向上、デバッグ、不正行為の防止を実施するために以下のデータが収集される場合があるとのこと。
・過去28日間のサービス利用履歴:この指標では過去28日間のサービス使用頻度が収集されますが、サービスが使用された具体的な日時、使用時間、データ使用量はトラッキングされません。
・VPNセッションの確立を試みた最近の回数:これは許可されている同時セッション数の上限を利用者が超えていないことを確認するために収集されます。ユーザーIDは暗号化されるため、同時セッションの確認により個人が特定されることはありません。
・サーバーエラーログ:これはリクエストデータやレスポンスデータは除きます。
Google Oneアプリの通知を「許可」した場合には通知エリアにVPN by Google Oneを利用しているときに常時「VPN に接続しました」という項目が表示されます。なお、これはGoogle Oneの通知のうちの「VPN」のみをオフにすれば、他のGoogle Oneアプリの通知は受けつつ、VPNの通知は表示しないことも可能です
VPN by Google Oneの利用方法はPixel 7およびPixel 7 ProでGoogle Oneの2TB以上のプランを利用していない場合でも利用するにはGoogle Oneアプリのインストールが必要です。初期設定時に追加アプリとしてインストールしていない場合には別途、アプリ配信マーケット「Google Playストア」(「Playストア」アプリ)からインストールしましょう。
インストールしたらGoogle Oneアプリを起動した「ホーム」タブにある「VPN」の項目で「使ってみる」を選んでから「OK」を押して「VPN の使用」のチェックボックスをオンにします。なお、Google Oneアプリの「特典」タブにある「VPN によるセキュリティ対策」の「詳細を表示」からでもオンにできます。
またクイック設定パネルに「Google One の VPN」を追加することもでき、ボタン1つでVPN by Google Oneのオン/オフができるほか、ボタンの色でオンになっているかどうかもわかります
一度、VPN by Google Oneをオンにした場合にはPixel 7およびPixel 7 Proの「設定」→「ネットワークとインターネット」の「VPN」に「Google One」が追加され、ここからもオン/オフが可能になるほか、各種設定が行えます
また一度、Google OneアプリでVPN by Google Oneをオンにしたら後はクイック設定パネルに「Google One の VPN」ボタンを追加してボタンを押すか、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「VPN」における「Google One」を押すだけでオン/オフできます。
なお、VPN by Google Oneをオンにしている場合、Pixel 7やPixel 7 Proで利用するネットワークは基本的にVPN by Google Oneのプロキシサーバーを経由しますが、少なくとも筆者が試した限りではテザリングで他のパソコンなどの機器からPixel 7やPixel 7 Proに接続したときにはVPN by Google OneがオンでもVPN by Google Oneのプロキシサーバーを経由せずに直接元のネットワークとなっていました。
VPN by Google Oneは前述通りにGoogle Oneの2TB以上のプランを契約している場合にはPixel 7やPixel 7 Pro以外でも利用でき、対応機種はAndroidだけでなくiPhoneやMac、Windowsも含まれているため、パソコンでもVPN by Google Oneを利用したい場合はPixel 7やPixel 7 Proにて無料で使えるVPN by Google Oneではなく、Google Oneの2TB以上を契約する必要があるようです。
またGoogle Oneの2TB以上を契約している場合に使えるVPN by Google Oneはプランごとに6台までの複数の製品から利用できるほか、Google Oneのプランをファミリー グループで共有している場合にはファミリー メンバーも VPN を使用できるため、子供や親などとGoogle Oneをファミリー グループで共有しているなら2TB以上のプランを契約するのも良さそうです。
記事執筆:memn0ck
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