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iPadにアナログモデリングシンセサイザーKORG iMS-20登場
iMS-20の紹介を前編「これを読めばアナログシンセサイザーが分かる」、後編「各パートの紹介とパターン・ソング作成」と、2回に分けてお届けします。

今回は後編、各パートの紹介とパターン・ソングの作成について紹介していきます。

iMS-20は、アナログモデリングシンセサイザー×7の贅沢仕様

モノフォニックシンセサイザーMS-20を再現したiMS-20ですが、実際にはパッチングまで再現されたシンセサイザー部分と、6パートのアナログモデリングリズム音源で構成されています。
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16×6行のドラムシーケンストリガーボタンと、リアルタイム入力が可能なドラムパッドが画面下にある。
ドラムパッドは、同社のリムズマシンのDDD-1/5風で思わずニヤリ。
アナログモデリングリズム音源って何?!と思われる方も居るかと思いますが、要はシンセサイザーでドラムの音まで作っちゃおうと言うシロモノ。
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アナログリズムマシンで有名なROLAND TR-606、TR-808、TR-909等は、キック専用の調整パラメーター、スネア専用のパラメーターで、曲のBPM(テンポ)や雰囲気に合わせて、メリハリをつける程度の調整のみでしたが、iMS-20の場合はそれぞれのチャンネルに、丸々一台MS-20相当の機械が割り当てられている贅沢仕様です。

6チャンネルのドラムパートとして括られていますが、実はキーボードやKAOS PADでの入力も可能なので、ベースやシーケンスフレーズ、複数チャンネルを利用したコードでのバッキングなど、かなり自由度は高い物になっています。「KORG グッジョブ!!」と言わずにいられません。
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カオスパッドやキーボードに切り替えて入力も可能。
カオスパッドの横には、ドラムパートを選ぶスイッチが付いているので、作業も早い!

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また、これらの7チャンネルの音源のミキシングや、最終エフェクトへの送りを設定出来るミキサーも用意されています。
エフェクターを真空管エミュレーターのVALVE FORCEを選び、エフェクトノブを右へ回すとミキサーの右に仕込まれた真空管が発光します。


ドラムパートとシンセサイザーパートのサウンドエディットの違いは?

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左がシンセサイザーパート、右がドラムパート
ドラムパートとシンセサイザーパートのサウンドエディットは基本的に共通ですが、ドラムパートでは以下のパラメーターが省略されています。

・ポルタメント(前の音と次の音を繋げて連続的に音程を変化させる)
・EG1/2のリリースタイム
・EG2のホールドタイム
・MGのキーシンク

これらのパラメーターは、ドラムパートの特性上無くて困ることはありませんが、ドラムパートをベースや他の楽器パートとして使う場合、表現力の幅が狭くなる事があります。
メイン以外のパートで、ポルタメントを使用するパートがある場合は、曲構成の段階でシンセサイザーパートに割り振る工夫が必要です。
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パッチはそのまま使えますので、効果音的に凝ったサウンドエディットに腕を奮いましょう。。


パターン・ソングの作成

パターン及びソングとは、昔の言葉で言うと自動演奏機能の事で、パターンは1小節分の音符データをまとめた物、ソングはそのパターンを並べた楽曲データとなります。
パターンは最大16個まで登録出来、ソングは最大256個のパターンを登録出来ます。

通常のDTMの場合はソングデータが完成版となりますが、iMS-20はライブで使える様に、パターンの切り替えをボタン一つで行えます。画面下にはミキサー画面が用意されていますので、パートの抜き差しもこの画面で行えるます。
この他にも、カオスパッドを使用したアドリブ演奏と言う使い方も活用したいところです。

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シンセサイザーパートでは、下へスワイプさせて表示するアナログシーケンサーの画面で音程、オクターブ、音長をノブで設定します。
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この他に、キーボード(鍵盤)によるリアルタイムレコーディングや、カオスパッドによるフィーリングによるレコーディングが用意されています。
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指でなぞるだけで、音程や音長、音色変化をさせることが出来る2つのカオスパッド
偶然性を求めるなら、アナログシーケンサーやカオスパッドでの入力を、しっかりとしたメロディーを打ち込みたい場合はキーボードでの入力と覚えておくと良いでしょう。
キーボードやカオスパッドで入力したデータは、アナログシーケンサーの画面に反映され、音長や音の強さ、パン(左右の定位)を更に細かく調整することも可能です。

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ドラムパートは、16分音符を模した16ステップのボタンで打ち込む方法と、画面下に用意されたドラムパッドを利用してリアルタイムに入力する方法があります。
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各パートに用意されているSEQ EDITボタンでこの画面に
ベースやシーケンスフレーズなどを入力するときに便利な、キーボードやカオスパッドも使えます。

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ソングデータは、上記の方法で入力したパターンをいわゆる楽譜の並び通りに配置していきます。
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9小節目にパターンを設定している様子
ユーザーインターフェイスは、16個のボタンが16小節の一つのブロックになっていて、ボタンの上のスライダーを一つ進める毎に、次のブロックへ移動します。イメージ的には、16小節が16ページあると理解すると良いでしょう。

こうして作成したソングやオーディオデータを音楽配信共有サービスSoundCloudで共有する機能も用意されています。
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オーディオデータならリンクをブログやtwitterに貼り付けるだけで、みんなに聞いてもらえます。
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サウンドクラウドで世界中のユーザーとつながる
この様な楽曲の発表の他にも、「このデータを誰かいじって下さい」的な使い方で世界中の仲間でコラボレーションする事も可能となっています。


iMS-20は買いか?!

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各パート毎にエフェクターが1系統用意されている
良くも悪くも元がオールドアナログシンセですので、一世を風靡したトランス系の煌びやかで分厚いサウンドは苦手ですが、工夫次第では7パートを重ねて分厚い音を作ることも可能です。

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アナログシーケンサーのREST TRIG INと4ステップ目をパッチして、シーケンサーが4ステップでループするように変更
アナログシーケンサーで思ったフレーズを作ることはなかなか難しいのですが、予想も付かないフレーズが生まれるのもアナログシーケンサーの面白いところ。
キーボードやカオスパッドで入力したデータを、アナログシーケンサーで調整するのも、メカ好きにはたまりません。
シーケンサーを走らせながら、パラメーターを変更したり、マルチタッチを利用して、同時に複数パラメーターを変えられるのも実機さながら。

パターンの作成・編集用にDTMソフトで当たり前の、表計算ソフトのようなピアノロール画面では無く、アナログシーケンサーのみにした事で、結果的にiMS-20のビジュアルイメージを統一することに成功しています。こういう意味のあるかっこよさも、「KORG グッジョブ!!」です。

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シンセサイザー7台分で¥3,800と思えば断然お買い得!
特に2011年1月31日までは、更に割引の発売記念プライス¥1,800となっています、購入はお早めに。


記事執筆:mi2_303


アプリ名:KORG iMS-20
価格:¥3,800(2011年1月31日まで¥1,800)
カテゴリ: ミュージック
開発者:KORG INC.
バージョン:1.0.0
iTunes Store:http://itunes.apple.com/jp/app/id401142966?mt=8

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