安価で使いやすい左右分離型Bluetoothイヤホン「Q16」を徹底レビュー!

Appleのワイヤレスイヤホン「AirPods」の登場以来、モバイル市場では左右分離型の完全ワイヤレスイヤホンが静かなブームとなっていますが、左右分離型イヤホンは価格が高めという難点があります。

しかし最近では実売5,000円前後のかなり安価なモデルも登場しており、お試し的に購入しやすくなってきています。

今回、SoundPEATSより提供いただいた「Q16」もまた低価格と高音質が売りの左右分離型イヤホンで、Amazon.co.jpなどのオンライン通販サイトでは実売5,000円程度で販売されています。

左右分離型イヤホンとしては最安値に近い製品だけにその品質や音質なども気になるところです。そこで、実際に試してみて、その音質や使用感などを徹底レビューしたいと思います。

q16-002
外箱外観。手のひらサイズで品の良いデザイン


■作りの丁寧なパッケージと製品デザイン
まずは外箱と開封など。黒い外箱は余計な飾り文字や製品アピールなどが書かれていないシンプルなもの。裏面には品質や顧客サービスへの配慮を謳った文言のみが書かれているなど、高級感を意識したデザインとなっています。

パッケージを開けるとキャリングケースと取扱説明書などが入っており、キャリングケースにはSoundPEATSのロゴがシルバーで印字されています。

q16-003
外箱はパッケージデザインを兼ねた大きめのシールで封印されてる


q16-004
外箱はキャリングケースぴったりのサイズ


q16-005
キャリングケース(イヤホン本体)のほかは取扱説明書と会員登録案内カードが同梱されている


q16-006
会員登録すると保証の延長やフォトウォールなどが利用できる


キャリングケースは硬質感のあるタイプで十分な強度があり、カバンなどに入れても中身が潰れてしまう心配がありません。キャリングケースの中にはポケットがついており、イヤホン本体のほか充電用のUSBケーブルや交換用のイヤーピースなどを入れておくことができます。

q16-007
ケース内部も僅かに弾力性がある布地で覆われており、非常に丁寧な作り


q16-008
イヤホン本体と付属品。交換用イヤーピースは小サイズと大サイズの2種


充電用USBケーブルは二股になった専用品で、左右のイヤホンを同時に充電することが可能になっています。AirPodsや他社の左右分離型イヤホンのように専用の充電ケースにセットすることで充電する方式ではないため、若干手間がかかる印象です。

q16-009
一般的な充電用USBケーブルでも充電は可能なようであったが、保証対象外となるためこちらのケーブルを使用するようにしたい


■本体外観から音質チェック、ハンズフリーの使い勝手など
それでは本体の外観です。ハウジングやイヤーフック部分はプラスチック製で重量は軽く、公称値で24g(左右合計)となっています。全体的に黒で統一されていることもありチープ感はあまりありませんが、四角く角張ったデザインは若干大きめでかさばる印象があります。

q16-011
本体正面にSoundPEATSのロゴが印字されている


q16-012
下面に充電用端子がある


q16-010
充電用端子カバーは回転するので千切れたりする心配が少ない


充電時間は1~2時間程度で最大連続6時間の音楽再生が可能としています。左右分離型イヤホンとしてはかなり長い連続駆動時間となっており、大きめのハウジングに見合うだけのバッテリー容量を確保しているものと思われます。

q16-013
充電開始時には赤いLEDが光る


q16-014
充電が完了すると青いLEDに変わる


ペアリング作業には若干の手順が必要です。右側のイヤホンが親機となるため、まず右側のみをスマートフォン(スマホ)などとペアリングし、その後左側のイヤホンを右側のイヤホンとペアリングします。イヤホンは右側のみでも使用可能で、ハンズフリー端末として利用する際などに便利です。

音の第一印象は綺麗にまとまった品の良い音質といった雰囲気。接続はiPhone 7で行い、AAC 256kbpsで取り込んだ楽曲を中心に聴いてみましたが、低音域から高音域まで派手に主張する音のない聴きやすい音質です。

ただ、まとまりの良い音が災いしてメリハリが弱いのが若干気になるところです。筆者はあまり強い低音などが好きではないため聞きやすい音質に感じましたが、バスの効いた低音域などを期待する人には若干物足りなさを感じさせるかもしれません。

また対応コーデックが分かりづらいのも難点の1つです。取扱説明書にはSBCとapt-Xの2つに対応と書かれていますが、オンラインサイトなどではSBCとAACと書かれていたり、SBC、AAC、apt-Xの3種に対応となっているところもあり、対応コーデックを気にする人には買いづらい状況を生んでいます。

実際に筆者が検証したところ、楽曲の遅延時間や音質からiPhone 7とはAACではなくSBCで接続されているものと思われ、音の解像感不足を感じるのも対応コーデックが原因と思われます。

q16-015
通常の音楽再生では問題ないがゲームなどの楽曲は遅延が大きく不向きだ


一方で音楽のリスニング環境としては非常に快適で、ケーブルが一切ないためにケーブル由来のこすれノイズが一切ない点やカナル型であるために遮音性が高く街の雑踏の中でもとても明瞭に音楽が楽しめる点、そしてイヤーフックがついているためにランニングなどをしても用意には外れない点が高く評価できます(遮音性が高すぎるゆえに周囲の音に気が付かなくなる危険性もあるため、音量には十分注意したいところ)。

大きめのボタン類のおかげで操作性も非常に良く、電源のON/OFFのから音量調整、早送りや早戻しなどの操作が指先の感覚のみで迷うことなく行えます。

q16-016
音量調整はイヤホン側ではなくスマホ本体の音量が変更される


本機はハンズフリーにも対応しており、着信時の受話と終話、リダイヤルなどに対応しています。ハンズフリー時は右側(ホスト側)のイヤホンのみ使用し、操作も右側のイヤホンでのみ可能です。

筆者がテストした端末では相手の声は非常にクリアに聞こえていましたが、マイク感度が弱くかなり声を張らないと拾ってくれませんでした。これが端末の個体差なのか仕様なのか判断しかねるところですが、ハンズフリー通話目的で使用するのが躊躇われる感度であった点は明記しておきたいと思います。

■難点はあるが入門機として十分に機能する1台
Q16は左右分離型イヤホンというジャンルの中でもかなり安価な機種であり、AirPodsで実売18,000円程度、他社競合製品で9,000円~12,000円程度という価格帯が多い中、5,000円前後という価格は性能面などの難点を妥協してでも試してみる価値のある価格になっています。

とくにイヤーフックとカナル型イヤーピースによるホールド感の高さは左右分離型イヤホンで多くの人に不安視される落下事故に対する安心感にもつながっており、左右分離型は落として壊しそうだとか、なくしてしまいそうだという人には心強いポイントだと思われます。

圧縮コーデックの表記が曖昧であるなど、音質を気にする方にはオススメしづらい点もありますが、まずはケーブルレスの快適さを試してみたいという方や、スポーツシーンでの利用に最適なイヤホンを探している方に向いている機種ではないでしょうか。

q16-017
完全ワイヤレスの音楽環境は感動に値する




記事執筆:あるかでぃあ


■関連リンク
エスマックス(S-MAX)
エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
S-MAX - Facebookページ
Q16 - SoundPEATS