ユニークなアプローチのデュアルカメラスマホ「AQUOS R2」のカメラ機能を使ってみた! |
NTTドコモおよびau、SoftBankの大手携帯電話会社から6月8日に発売されたシャープの最新フラグシップスマートフォン(スマホ)「AQUOS R2」。筆者もすでに紹介したようにNTTドコモ版「AQUOS R2 SH-03K」を購入しました。
本機はフラッグシップに恥じない流行りの画面上部中央に切り欠き(いわゆる「ノッチ」)のある縦長な約6.0インチQHD+(1440×3040ドット)ハイスピードIGZO液晶やSnapdragon 845などとハイスペックな本体性能を持っていますが、その中でも特徴となっているのはやはり背面に2つ搭載されたデュアルカメラでしょう。
最近はデュアルカメラこそそれほど珍しいものではありませんが、それらの多くは2つのカメラを使って背景のぼかしや片方をモノクロセンサーのカメラとすることでよりクッキリとした写真が撮れるようになっていたり、または片方が超広角レンズでよりワイドな写真が撮れるといったものが一般的です。
ところがAQUOS R2ではそれらとは異なり、背面に搭載された2つのカメラがそれぞれ「写真撮影に特化した標準カメラ」と「動画の撮影に特化した動画専用ワイドアングルカメラ」となっており、シャープでは写真と動画の撮影にはそれぞれ適したセンサーやレンズ、チューニングがあるため、それらを個別に搭載したとしてこれを「ツインカメラ」と呼んでいます。
また例えば、動画撮影用カメラで動画を撮影しながら標準カメラで高精細な写真撮影を行うといった機能も搭載されており、昨今の動画利用の広がりを素早く取り入れた製品と言えると思われます。そこで今回は、AQUOS R2のカメラアプリを紹介しつつ、独自のアプローチで搭載されているカメラ機能を紹介していきます。
【異なる用途の2+1のカメラの特徴】
AQUOS Rの2つの背面カメラは通常のスマホカメラと同様に利用できる標準カメラ(縦持ち時に下側に配置されている方のカメラ、約2260万画素CMOS、F値1.9)、と動画撮影専用のワイドカメラ(縦持ち時に上側に配置されている方のカメラ、約1630万画素CMOS、F値2.4)という構成になっています。
通常の標準カメラと動画専用のワイドカメラはそれぞれ独立しての撮影が可能で、動画専用カメラにて動画を撮影しながら標準カメラの写真撮影のシャッターを切ることができます。また標準カメラでも動画を撮影することは可能です。
つまり、AQUOS R2の背面カメラは2つのカメラの力を合わせて1つの写真や動画を撮るのではなく、それぞれが別の役割を与えられた分業制なカメラであり、これについては後述しますが、長所でも短所でもあったりします。
そして前面にあるフロントカメラは約1630万画素CMOSのF値2.0な広角カメラで、セルフィー(自撮り)はもちろん、グルーフィー(インカメラによるグループ撮影)も余裕でこなすことができます。
【AQUOS R2のツインカメラが活きる動画撮影】
・注意すること
AQUOS R2のツインカメラの動画専用カメラは本当に動画専用のカメラで、少なくとも本原稿執筆時においては標準のカメラアプリにおいて動画撮影に使う以外では使うことができません。なお、今後、カメラの仕様が公開されるなどして、サードパーティーが対応するカメラアプリを提供する可能性についてはないとは言い切れませんが、少なくとも現在はAQUOS R2でサードパーティー製のカメラアプリを起動した場合は、動画・静止画ともに標準カメラのみで動作することになるので、注意しましょう。
また動画撮影モードにおいてカメラを標準カメラと動画専用の広角カメラを切り替えることができます。動画専用広角カメラでの撮影が本当に動画にぴったりなので、敢えて標準カメラで動画撮影することも多くないとは思いますが、標準カメラにて動画を撮影中は同時に静止画を撮ることができないのも覚えておくと良いでしょう。
・AIライブシャッター
また動画専用カメラにて動画を撮影中に静止画の撮影を行うことができますが、自身で画面内のシャッターボタンを押す以外にも本機の独自機能としてAIライブシャッターという機能があります。AIライブシャッターは動画専用カメラにて動画を撮影中に自動で静止画撮影を撮ってくれる機能で、動画の撮影中に被写体をAIが判断して、標準カメラを使い静止画の撮影を実行します。
試してみたところ、本当にAI判断で自動撮影をしているようで、スマホ本体を固定しての定点での動画撮影では静止画の自動撮影はされず、特定の物体を中心に収めてカメラを動かしながら撮影した際には数枚の写真を自動で撮影していました。
・AQUOS R2の動画撮影+静止画撮影がピッタリ合う利用シーンとは
あくまでも筆者主観での感想と前置きをしますが、動画撮影機能をしばらく使って思いついたのは記録を動画と写真で思い出を残すのに向いているのではということです。小さい子供が動き回って遊んでいるのを動画で撮りながらも、高精細な写真も同時に撮影できるというのは結構ポイントだと思われます。これはペットに動物を飼っている方も該当するかもしれません。
例えば、運動会で子供が走ったりしている姿を動画で撮りつつもベストショットを写真でも残して思い出を取っておくことができるのは結構なアピールポイントではないでしょうか。
【AQUOS R2で静止画撮影】
続いて、AQUOS R2の静止画撮影用の標準のリアカメラについてです。AQUOS R2の標準カメラ(リアカメラ)は約2260万画素CMOS+F値1.9レンズと、写真撮影時にはシングルカメラとして動作するものとなり、最近のスマホカメラのトレンドにもなっている「AIによる自動補正」機能も搭載しています。AIによるシーン設定は撮影対象を9種類のモードで自動設定し、オート設定のままでも気にすることなく、キレイな写真が撮影できます。さすがにハイエンドモデルなのでシングルカメラとはいえ、シーン選択を含め画質は良好です。
もちろん、これまでのAQUOSシリーズのスマホカメラのようにAI設定なしのオート撮影も機能選択で選ぶことができます。
特に陽光下での中~近距離の写真は非常に鮮やかで、気軽にバシバシと写真が撮れます。
一方で、街灯程度の光量しかない夜間や暗所の撮影はあまり得意ではなく、主にファーウェイの「HUAWEI P20 Pro」や「HUAWEI Mate 10 Pro」などモノクロセンサー併用カメラのスマホと比べるとどうしても見劣りしてしまいます。これが前述したAQUOS R2のツインカメラにおける短所となる部分です。
一応、カメラをスタンドなどで固定してレリーズなどの画面を揺らさずに撮影する道具などを併用することで、ある程度の改善は見込めますが、そういったことをしなくても手軽に写真が撮れるのもスマホカメラの魅力なので、今後は他社にあるような暗所にも強いカメラも望まれるところです。
夜間や暗い場所でこそあまり得意ではないのの、日中での写真撮影は強く、オート(あるいはAIオート)のままで特に何も考えずにきれいな写真がバリバリ撮れます。
それでは、最後に筆者が特に設定をいじらずに撮った写真を何枚か貼りますので、参考・サンプルとしてご覧ください。撮影はAIオートモードで画像はリサイズのみ行っています。なお、AQUOS R2を含むHUAWEI P20 Proや「Xperia XZ2 Premium」、「Galaxy S9+」、「ZenFone 5 ZE620KL」、「OPPO R11s」、「iPhone X」の7機種で写真撮影比較を風景および食べ物、花、夜景でそれぞれ行っているのでこちらも是非参考にしてみてください。
・本体ストレージについて
最後にもう1点だけ注意しないといけないことがあります。それは高精細な動画と写真撮影による本体ストレージの圧迫で、AQUOS R2は本体の内蔵ストレージが64GB(ユーザーエリアは約39GBを切るくらい)となっていますが、動画や写真を撮りまくると思ったよりも早く本体ストレージがいっぱいになってしまうことがあります。動画撮影が本当に楽しいスマホなので、できれば128GB以上のmicroSDカードを使うようにするのをオススメします。・動画と写真を一緒に撮れる楽しいスマホカメラ「AQUOS R2」
AQUOS R2のデュアルカメラは他のデュアルカメラ搭載スマホとは異なる方向性で採用されており、写真撮影と動画撮影をそれぞれのカメラで同時に実行する機能は世界初のものだったりします。それぞれがシングルカメラとして個別に作業を行うことで、他のスマホではできない芸当をこなす意欲的なスマホカメラではないでしょうか。残念ながら他の製品のAIもそうですが、AQUOS R2の動画撮影中のAIライブシャッター機能でのシャッターチャンス撮影の判別はまだ時折惜しい部分もあるのですが、これもデータの蓄積で解決してくれるものと期待できます。
写真を撮るのになくてはならない存在となったスマホですが、AQUOS R2は動画を撮りながらも写真が撮れるというわかりやすくユニークな機能と特徴が魅力の「カメラ特化のスマホにおける新しい形」ではないでしょうか。
店頭などで実際にスマホのカメラ機能を試す際は写真撮影の機能はチェックしても動画撮影のテストをする人はそんなに多くないと思います。しかし、AQUOS R2を試すときは是非、写真も動画もしっかりと試してみてましょう。
特に小さい子供さんのいるママさんやペットを飼っている方には強くオススメできるカメラ特化スマートフォンだと思いますよ!
記事執筆:河童丸
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