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シャオミの「Redmi Note 9S」と「Redmi Note 10 Pro」を比べてみた! |
Xiaomi(以下、シャオミ)が4月16日に発売した、SIMフリースマートフォン(スマホ)「Redmi Note 10 Pro(レッドミー ノート テン プロ)」(Xiaomi Communications製)は、1億800万画素カメラや120Hzのリフレッシュレートに対応する約6.67インチの大画面有機ELディスプレイを搭載するなど、部分的にはハイエンドモデルといってもよい性能を持つミドルハイモデルだ。
大手ECサイトの「Amazon.co.jp」では4月17日時点で早くも3色ともに売り切れ状態となっており、「グレイシャーブルー」と「オニキスグレー」は次回入荷予定が4月27日に、「グラディエントブロンズ」は入荷時期未定となっている。
市場想定売価(価格はすべて税込)は34,800円で、ECサイトではAmazon.co.jpのほかに「SoftBank SELECTION」、「ひかりTVショッピング」、「ムラウチドットコム」で、仮想移動体通信事業者(MVNO)では「イオンモバイル」や「IIJmio」、「gooSimseller」、「BIGLOBEモバイル」など、量販店では「エディオン」や「上新電機」、「ノジマ」、「ビックカメラグループ」、「ヤマダ電機」、「ヨドバシカメラ」などで取り扱われている。
そんなRedmi Note 10 ProをXiaomi Japanからお借りし、前回は外観や基本仕様などを中心に開封レビューをお届けしたが、今回は昨年6月発売の前モデル「Redmi Note 9S(レッドミー ノート ナインエス)」(Xiaomi Communications製)と比較をしていく。
世界的にも人気が高い「Redmi」シリーズは、日本市場向けとしては昨年6月発売の「Redmi Note 9S」を皮切りに、今年2月にSIMフリースマホの「Redmi 9T(レッドミー ナインティ)」が、同じく2月にソフトバンク向けモデルの「Redmi Note 9T(レッドミー ノート ナインティ)」(いずれもXiaomi Communications製)が発売されており、Redmi Note 10 Proは4機種目となる。
Redmi Note 9Sは昨年SIMフリースマホでは人気上位のモデルとなったが、その人気機種の正統後継機が期待されていた。機種名的にはRedmi Note 9Tが正統後継機を思わせるが、こちらはソフトバンク向けモデルであり、5G通信やおサイフケータイにも対応しており、正統後継機と呼ぶには仕様が異なるモデルとなっている。
一方、「Redmi Note 10S」といった機種名の製品は今のところ日本での発売は予定されていないようなので、国内市場においてはRedmi Note 10 ProがRedmi Note 9Sの正統後継機にもっとも近いモデルとなるようだ。
Redmi Note 9Sは、SIMフリースマホとしては昨年に高い人気を得ており、筆者も現在メインで利用している。そのため、今回のRedmi Note 10 Proとの違いについて気になったので、それらをまとめてみようと思う。
まず本体の外観を見比べてみよう。カタログスペックでの本体サイズは以下の通り。
●Redmi Note 10 Pro
高さ:164mm
幅:76.5mm
厚さ:8.1mm
重量:193g
ディスプレイ:約6.67インチ AMOLED(有機EL)DotDisplay
解像度:2400 x 1080 FHD+
●Redmi Note 9S
高さ:165.75mm
幅:76.68mm
厚さ:8.8mm
重量:209g
ディスプレイ:約6.67インチ DotDisplay
解像度:2400 x 1080 FHD+
サイズ感はほぼ同等だが、2台を持ち歩いているとわずか0.7mmであるがRedmi Note 10 Proのほうが薄く感じる。重量は軽くなっているものの、全体のサイズもわずかながら小さくなっているため、持った時の重量感にあまり差は感じなかった。
ディスプレイのサイズも解像度も同等だが、Redmi Note 10 Proでは有機ELを搭載している。画面を見比べてもほとんど違いを感じなかったが、白い画面を見た際、Redmi Note 10 Pro(有機EL)のほうが明らかに黄色みがかっていた。個体差もあるかもしれないが、鮮やかな白を発色していたのはRedmi Note 9Sのほうだった。
なお、背面はRedmi Note 9Sは縦向きのデザイン、Redmi Note 10 Proは横向きのデザインとなっている。
正面を見てもっとも違いを感じる点はフロントカメラだろう。カタログスペック上は、Redmi Note 10 Proは約1600万画素(F値2.45)、Redmi Note 9Sは約1600万画素(F値2.48)とほぼ同等で、どちらもディスプレイ上部中央のパンチホール部分に搭載しているが、一見して違いがわかるのはそのサイズだ。
Redmi Note 9Sのフロントカメラがとりわけ大きいサイズというワケではなく、Redmi Note 10 Proでは極小サイズに変わっているのだ。
側面の仕様もだいたい同じだが、3.5mmイヤホンジャックがRedmi Note 10 Proでは上部側面に、Redmi Note 9Sが下部側面に搭載されている点が異なる。また、Redmi Note 10 Proでは上部側面と下部側面にスピーカー(Wスピーカー)が搭載されている。本体だけで音楽を聴く際に違いがわかるものだが、実際に聞き比べてみると、Redmi Note 9Sは明らかに本体下部の片方からしか音が出ておらず、Redmi Note 10 Proは上下から音が出ていることが容易にわかる。音の大きさや迫力は聞き比べると一目瞭然だ。
また、オーディオ系については、Redmi Note 10 Proが「ハイレゾオーディオ認証」「ハイレゾオーディオワイヤレス」にも対応している。
「設定」の画面では、項目の表記など細かな点は異なるが、その程度の違いだ。デバイス情報を見てみるとシャオミ独自のユーザーインターフェース(UI)であるMIUIも同じくバージョンが12となっている。ただし、12.0.xxのxx部分の数値は異なっており、まったく同じというワケではない。
今後、バージョンアップで変わるかもしれないが、現時点でのAndroidのバージョンはRedmi Note 9Sが10、Redmi Note 10 Proが11となっている。
●Redmi Note 10 Pro
プロセッサー:Qualcomm Snapdragon 732G
GPU:Qualcomm Adreno 618
内蔵メモリー(RAM):6GB
内蔵ストレージ(ROM):128GB
内蔵バッテリー:5020mAh、33W急速充電対応
●Redmi Note 9S
プロセッサー:Qualcomm Snapdragon 720G
GPU:Qualcomm Adreno 618
内蔵メモリー(RAM):4GBモデルと6GBモデルの2つをラインアップ
内蔵ストレージ(ROM):64GBモデルと128GBモデルの2つをラインアップ
内蔵バッテリー:5020mAh、18W急速充電対応
こうして基本スペックを並べてみるとかなり近いスペックであることがわかるとともに、ブラッシュアップされていることもわかる。
「設定」内の「接続と共有」は大きく異なる。とりわけNFCに対応しているかどうかは両機種で異なる点だろう。Redmi Note 9SはNFCに非対応だ。
一方、Redmi Note 10 Proは開封レビューでも触れたが、おサイフケータイには対応していないが、NFCには対応しており、専用アプリを使うことで交通系ICカードなどの履歴を読み取ることができる。また、NFCに対応した機器、例えばワイヤレスヘッドホンやワイヤレススピーカーなどでペアリングをする際にNFCで簡単に接続することも可能。こちらも手持ちのワイヤレススピーカーでテストしたところ、NFCを介してのペアリングができた。
「ニアバイシェア(neaby share)」は、Android端末間でファイル共有ができる機能で、Redmi Note 9Sの「接続と共有」には項目がないが、機能自体はどちらの機種も対応している。両方の機種でニアバイシェアを使って画像の送受信をテストしてみたところ、問題なくやり取りができた。
続いて、背面カメラの仕様をみていこう。
●Redmi Note 10 Pro
・約1億800万画素CMOS(1/1.52型、1画素0.7μm)/メイン(広角)カメラ(F1.9)
・約800万画素CMOS/超広角カメラ(F2.2、画角118°)
・約500万画素CMOS/望遠接写カメラ(F2.4)
・約200万画素CMOS/深度センサー(F2.4)
●Redmi Note 9S
・約4800万画素CMOS(1/2型、1画素0.8μm)/メイン(広角)カメラ(F1.79)
・約800万画素CMOS/超広角カメラ(F2.2、画角119°)
・約500万画素CMOS/マクロカメラ(F2.4)
・約200万画素CMOS/深度センサー(F2.4)
大きく異なる点は、メインカメラの画素数だろう。また、Redmi Note 9Sではマクロカメラだったが、Redmi Note 10 Proでは望遠接写カメラとなっており、通常のマクロレンズよりも2倍の近接撮影が可能になっている。
なんとなく近づいて撮影する程度では違いに気付きにくいかもしれないが、手元の黒いPCにカメラを向けたところRedmi Note 9Sの「マクロ」モードではぼんやりしてピントが合わなかったが、Redmi Note 10 Proの「スーパーマクロ」モードでは素早くしっかりとピントが合っていた。この機能も見比べると一目瞭然だ。
また、メインカメラの画素数の違いも一見すると大きく異なるが、どちらの機種も4800万画素(48M)モードもしくは1億800万画素(108M)モードで撮影しない場合、通常モードでは1200万画素相当で撮影することになる。
筆者も普段は48Mモードで撮影することはなく、1200万画素相当の通常撮影もしくは800万画素相当の超広角撮影を楽しんでいる。ネットにアップする程度やメモ程度に撮影するには十分すぎる画素数のため、よほど画素数が必要な特殊な撮影でもない限りは多用することはないだろう。もちろん大きな画素数で撮影してトリミングといった使い方もできるのでそうした手法を使いたい場合は利用価値はあるだろう。
この1億800万画素という数字に目を奪われがちだが、筆者はそれよりも撮影モードが増えていることをお伝えしたい。Redmi Note 10 Proを購入するキメ手にもなるであろうユニークな撮影モードが追加されているのは見逃してはいけない。
Redmi Note 9Sに比べてRedmi Note 10 Proでは「Vlog」「長時間露光」「クローン」「デュアルビデオ」の4つのモードが追加されている。Redmi Note 9TでもVlogは追加されていたが、その他の3つは筆者も初めてみた。いずれもユニークな撮影が可能で、カメラレビューで改めて詳しく説明したと思う。
とりわけ「デュアルビデオ」は、フロントカメラとアウトカメラを同時に起動して撮影できるモードで、上下2分割とメイン&小画面の表示、さらにフロントカメラとリアカメラの表示の切り替えも可能となっている。ちなみにこの状態で動画撮影中に静止画を撮影することも可能だ。
「デュアルビデオ」もかなり特殊な撮影モードではあるが、ビデオレターのような使い方もできるし、YouTuberやライブ配信者も活用できるモードだろう。
どちらの機種も標準カメラアプリの操作性は大きく変わらないが、仕様の違いから少しずつ表示されている内容が異なる。また、Redmi Note 10 Proでは「もっと見る」の画面で大きなアイコン表示にも対応しており、画面右上の○が四角に4つ並んでいるアイコンをタップするだけで切り替えることが可能。
まだ数日しか見比べていないが、正直Redmi Note 9Sもまだまだ十分に利用できると感じた。ただ、これから購入するとなると、Redmi Note 9Sを入手するのは難しくなってきており、実際Amazon.co.jpのシャオミストアでは既に取り扱いが終了している。わりとお勧めなのは、中古ショップで安く中古品や未開封品を入手する方法だが、中古品に抵抗がある人、新品が良いという人はRedmi Note 10 Proを勧めたいし、カメラ機能でおもしろい写真を撮ってみたい、カメラ撮影をもっと楽しみたいという人にもRedmi Note 10 Proをお勧めしたい。
最後にRedmi Note 10 ProとRedmi Note 9Sの仕様の違いを中心にまとめた表と、Redmi Note 9Sとの外観比較、開封した様子、標準カメラアプリの解説動画を紹介する。
■Redmi Note 10 ProとRedmi Note 9Sの主な仕様比較
機種名 | Redmi Note 10 Pro | Redmi Note 9S | |||
本体サイズ | 高さ:約164mm 幅:約76.5mm 厚さ:約8.1mm | 高さ:約165.75mm 幅:約76.68mm 厚さ:約8.8mm | |||
重量 | 約193g | 約209g | |||
ディスプレイ | サイズ | 約6.67インチ | 約6.67インチ | ||
パネル | 有機EL(120Hz対応) | 液晶 | |||
解像度 | 2400×1080 FHD+ | 2400×1080 FHD+ | |||
ガラスパネル | Corning Gorilla Glass 5 | Corning Gorilla Glass 5 | |||
アウトカメラ | メインカメラ | 約1億800万画素 9-in-1 ビニングテクノロジー | 約4800万画素 4in1 スーパーピクセル | ||
超広角カメラ | 約800万画素(視野角118°) | 約800万画素(視野角119°) | |||
マクロカメラ | 約500万画素(望遠接写) | 約500万画素 | |||
深度センサー | 約200万画素 | 約200万画素 | |||
アウトカメラ撮影モード | プロ/ビデオ/写真/ポートレート/スーパーマクロ/夜景/108M/ショートビデオ/パノラマ/ドキュメント/Vlog/スローモーション/タイムラプス/デュアルビデオ/長時間露光/クローン | プロ/ビデオ/写真/ポートレート/マクロ/夜景/48M/ショートビデオ/パノラマ/ドキュメント/スローモーション/タイムラプス | |||
フロントカメラ | 約1600万画素 | 約1600万画素 | |||
フロントカメラ撮影モード | ビデオ/写真/ポートレート/夜景/ショートビデオ/パノラマ/スローモーション/タイムラプス/デュアルビデオ | ビデオ/写真/ポートレート/夜景/ショートビデオ/パノラマ/スローモーション/タイムラプス | |||
SoC(チップセット) | Qualcomm Snapdragon 732G | Qualcomm Snapdragon 720G | |||
CPU | 最大2.3GHzオクタコアCPU | 最大2.3GHzオクタコアCPU | |||
GPU | Qualcomm Adreno 618 | Qualcomm Adreno 618 | |||
内蔵メモリー(RAM)内蔵ストレージ(ROM) | 6GB/128GB | 4GB/64GB モデル 6GB/128GB モデル | |||
カードスロット | トリプルスロット nanoSIM×2 + microSD×1 | トリプルスロット nanoSIM×2 + microSD×1 | |||
搭載スピーカー | ダブルスピーカー | シングルスピーカー | |||
ハイレゾ | 対応 | 非対応 | |||
NFC | 対応 | 非対応 | |||
Bluetooth | バージョン5.1 | バージョン5.0 | |||
モバイルネットワーク | 4G:FDD-LTE B1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26/28/66 4G:TDD-LTE B38/40/41 3G:WCDMA B1/2/4/5/6/8/19 2G:GSM | 4G:FDD LTE B1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28 4G:TDD LTE B38/40/41 3G:WCDMA B1/2/4/5/6/8/19 2G:GSM | |||
バッテリー容量 | 約5020mAh 33W有線急速充電対応 | 約5020mAh 18W有線急速充電対応 | |||
防水/防塵性能 | IPX53 | 非対応 | |||
カラーバリエーション | グレイシャーブルー グラディエントブロンズ オニキスグレー | インターステラーグレー オーロラブルー グレイシャーホワイト | |||
発売日 | 2021年4月16日(金) | 2020年6月9日(火) | |||
発売時想定売価 | 34,800円 | 24,800円(4GB/64GBモデル) 29,800円(6GB/128GB モデル) | |||
Redmi Note 9Sとの比較(主に外観比較)
開封動画
カメラ機能と標準カメラアプリの操作方法
記事執筆:2106bpm(つとむびーぴーえむ)
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