楽天モバイルが9月4日の通信障害の内容を更新!影響数130万で「重大な事故」に該当

既報通り、楽天モバイルが移動体通信事業者(MNO)として自社回線(以下、楽天回線)を構築して提供している携帯電話サービス「Rakuten UN-LIMIT VII」( https://network.mobile.rakuten.co.jp/ )において2022年9月4日(日)10時58分頃から13時26分頃まで一部の利用者にて通話やデータ通信がしづらい状況となっていました。

同社は5日、この通信障害における復旧報を更新し、原因は当初はシステム障害のため」としていましたが、詳細には「ネットワーク設備再起動に伴うトラヒック輻輳のため」とし、さらに影響エリアは「全国」で影響回線数は「約130万回線」であることを案内しました。

これに対して寺田総務大臣は6日、閣議後記者会見にて「今回の事故は電気通信事業法上の重大な事故に該当するもの」と認識しているとして事故原因などに係る詳細な報告を求めるなどの適切な対応をしていくとし、特に周知広報も大変遅れたということで「誠に遺憾」であると語りました。

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楽天モバイルでは楽天回線による正式サービス「Rakuten UN-LIMIT」を2020年4月に開始し、通信インフラ設備を仮想化する「完全仮想化クラウドネイティブネットワーク」方式を採用することによって低コストで携帯電話ネットワークを構築しているほか、障害なども発生しにくいより安定したサービスが提供できるとしています。

その後、Rakuten UN-LIMITは5Gに対応した「Rakuten UN-LIMIT V」、段階制プランになった「Rakuten UN-LIMIT VI」、そして今年7月からはRakuten UN-LIMIT VIIとバージョンアップしていますが、その中でたびたび障害は発生しています。

特に昨年9月11日13時23分頃より発生した障害(継続時間:4時間3分、影響エリア:全国、影響数100万以上、問合件数:901件)は総務省の定める「重大な事故」となり、障害の詳細な内容や対策などが報告され、さらに専用アプリ「Rakuten Link」による通話が発信できなかったことによる標準電話アプリでの通話料が一部免除になりました。

電気通信役務の区分時間利用者数
 緊急通報を取り扱う音声伝送役務
1時間3万
 緊急通報を取り扱わない音声伝送役務
2時間3万
1時間10万
 セルラーLPWA(無線設備規則第四十九条の六の九第一項及び第五項又は同条第一項及び第六項で定める条件に適合する無線設備をいう。)を使用する携帯電話(一の項又は二の項に掲げる電気通信役務を除く。)及び電気通信事業報告規則第一条第二項第十八号に規定するアンライセンスLPWAサービス
12時間3万
2時間100万
 利用者から電気通信役務の提供の対価としての料金の支払を受けないインターネット関連サービス(一の項から三の項までに掲げる電気通信役務を除く。)
24時間10万
12時間100万
 一の項から四の項までに掲げる電気通信役務以外の電気通信役務
2時間3万
1時間100万

また今回の障害も音声通話およびデータ通信が利用できない状況が2時間28分ほど継続し、影響数130万ということで総務省が定める重大な事故のうちの「一」および「二」に該当するため、重大な事故に関わる報告として障害の詳細な内容や今後の対策が求められます。

なお、楽天モバイルでは引き続いてデータ通信が利用しづらい状態となっている場合には機内モード設定(ON/OFF)や利用機種の再起動(電源ON/OFF)のいずれかの操作を実施することで改善する場合があるとしています。

<寺田総務大臣閣議後記者会見の概要の一部抜粋>
楽天モバイルの通信障害
問:
  通信障害について伺います。4日に楽天モバイルで通信障害が発生しました。7月のKDDI以降、障害が各社で相次いでおりますが、ご見解をお願いします。また、今回、楽天は障害の影響が130万回線に及んだと発表しております。総務省としての今後の対応方針についてお願いします。

答:
  近時におけます通信事業者各社において、通信障害が相次いで発生をしており、総務省としても深刻に受け止めております。
  通信事業者各社においては、国民生活や社会経済の重要なインフラである通信サービスを提供している責任を十分に認識し、通信サービスの確実かつ安定的な提供の確保について、やはりしっかりと取り組んでいただく必要があると思います。
  ご指摘の、今回の楽天モバイルでございますが、9月4日10時58分頃から13時26分頃にかけて通信障害が発生し、すなわち約2時間半にわたり携帯電話サービスが利用しづらい状況が発生しました。加えて、利用者への迅速な周知広報が必要だったに関わらず、この周知広報も大変遅れたということも誠に遺憾でございます。
  今回の楽天モバイルからの事故報告を踏まえれば、今回の事故は電気通信事業法上の重大な事故に該当するものと認識をしております。
  今後、同社から事故原因等に係る詳細な報告を踏まえて、適切に対応してまいりたいと思います。






記事執筆:memn0ck


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