新フォルダブルスマホ「Google Pixel Fold」をファーストインプレッション! |
既報通り、グーグル(以下、Google Japan)およびNTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー電話、ソフトバンクの各社はGoogle初のフォルダブルスマートフォン(スマホ)「Pixel Fold」を2023年7月31日(月)より順次発売しました。日本で販売されるPixel Foldは各社ともにおサイフケータイ(FeliCa)や5Gのn79を含むSub6とミリ波mmWave)に対応している日本向け製品(型番「G0B96」)となっています。
価格および割引や還元などのキャンペーンについてはすでに紹介していますが、本体価格はグーグルの公式Webストア「Google ストア」では253,000円、NTTドコモの公式Webストア「ドコモオンラインショップ」では252,890円(6,518円/月×23回+102,960円)、KDDIおよび沖縄セルラー電話の携帯電話サービス「au」における公式Webストア「au Online Shop」では286,080円(6,420円/月×23回+138,420円)、ソフトバンクの携帯電話サービス「SoftBank」における公式Webストア「ソフトバンクオンラインショップ」では287,280円(1~24回:5,985円/月+25~48回:5,985円/月)となっています。
今回はそんなPixel Foldについてまずはパッケージ(箱)を開封して外観や同梱品、基本機能、プリインストールアプリ、カメラ機能、ベンチマークなどを写真や画像を交えて紹介したいと思います。なお、Pixel Foldは各社ともにObsidian(黒曜石:ブラック系)とPorcelain(磁器:ホワイト系)の2色展開ですが、紹介するのはObsidianです。
Pixel FoldはGoogleが自社開発の「Made by Google」として展開している「Pixel」ブランドにおける初のフォルダブルスマホで、閉じた片面にカバーディスプレイ、開くと大画面なメインディスプレイが搭載されており、閉じた状態では普通のスマホのように、開くとタブレットのように使える「Galaxy Z Fold」シリーズなどと同じ横開きスタイルとなっています。
箱は他のPixelスマホと同様に白を基調としたシンプルなもので、上面にはPixel Foldの背面が描かれており、平べったい形状なので中にPixel Foldが開かれて収納されているのかと思ったりもしましたが、開けてみるとまず閉じた状態で外装を保護する紙で覆われたPixel Fold本体が現れました。その下にクイックスタートガイドなどの紙類やSIMピン、USB-C to Cケーブル、USB-C to Aアダプターといった同梱品が収納されています。
メインディスプレイは切り欠きのないアスペクト比6:5の約7.6インチ2208×1840ドット有機EL(約380ppi)、カバーディスプレイは上部中央にパンチホールが配置されたアスペクト比9:17.4の約5.8インチFHD+(1080×2092ドット)有機ELで、ともに120Hzリフレッシュレートに対応したスムースディスプレイとなっているとのこと。
サイズは閉じた状態で約139.7×79.5×12.1mm、開いた状態で約139.7×158.7×5.8mm、質量は約283gで、閉じた状態で持った場合にはそれほど縦長ではない約5.8インチサイズなので最近のスマホとしてはちょっとした小型サイズですが、厚みがそれなりにあります。なお、カバーディスプレイはCorning製の強化ガラス「Gorilla Glass Victus」で覆われていますが、メインディスプレイはプラスチック保護層のみとなっています。
一方、開くと約7.6インチサイズということでさすがに大画面で、小さめのタブレット級と言って良いでしょう。なお、開いた状態でも縦横回転で持っている状態で画面の折り目が縦にある場合(以下、縦画面)と横にある場合(以下、横画面)で切り替わります。
この縦画面と横画面でユーザーインターフェース(UI)の表示方式が変わるようになっており、縦画面では基本的にカバーディスプレイで表示するような普通のスマホの縦長画面が左右に2つ並んでいるようなUIが多いのに対し、横画面ではタブレットのようなUIで横いっぱいに表示されるようになっているようです。
外観はデザインとしてはPixel 6シリーズやPixel 7シリーズと同様に閉じた状態の背面にはカメラバーが配置されています。一方でPixel 6シリーズやPixel 7シリーズでは左右端がラウンドしたデザインとなっていますが、Pixel Foldではラウンドしておらず、なおかつあまり縦長ではないこともあって何となく無骨な印象を受けました。
また背面もCorning製の強化ガラス「Gorilla Glass Victus」で割れにくくなっており、ポリッシュ仕上げアルミニウム製フレームと鏡面仕上げのステンレススチール製ヒンジで質感は悪くはなく、メインディスプレイに傷が付かないか心配なので開いたままかばんに入れたり、持ち歩いたりしないように注意したいところです。とはいえ、初号機から防水(IPX8準拠)に対応しており、最低限の仕様にはなっているように思われます。
カメラは閉じた状態の背面に以下のトリプル構成のリアカメラが搭載されているほか、LDAF(レーザー検出オートフォーカス)センサーやスペクトル センサー、フリッカーセンサーを搭載しており、カバーディスプレイのパンチホール部分には約950万画素CMOS(1画素1.22μm、デュアルPD)+広角レンズ(F2.2、画角84°)のフロントカメラが内蔵されており、顔認証に対応し、生体認証としては本体側面にある電源キーに指紋センサーもしています。
・約4800万画素CMOS(1/2型、1画素0.8μm、4in1)+広角レンズ(F1.7、画角82°、OIS、)
・約1080万画素CMOS(1/3型、1画素1.25μm)+超広角レンズ(F2.2、画角121.1°)
・約1080万画素CMOS(1/3.1型、1画素1.22μm、デュアルPD)+望遠レンズ(F3.05、画角21.9°、ペリスコープ式、光学5倍ズーム、超解像20倍ズーム)
この指紋センサーは電源キーが細く出っ張りがあるので、少し使いにくいように思われます。ただし、認証自体は特に問題はなく、他の画面内指紋センサーを搭載したPixelスマホでは認証速度や認証制度に問題があるといったケースもあるようですが、Pixel Foldの側面指紋認証はそういったことは感じられません。一方、開いた状態では約800万画素CMOS(1画素1.12μm)+広角レンズ(F2.0、画角84°)のインナーカメラが搭載されており、高解像度セルフィーに対応しています。
フレックスモードでのカメラ撮影は便利なケースもありそう。なお、ヒンジはカスタマイズされた2軸のクアッドカメラ同期機構に対応しており、180°の可動範囲全体に渡って流体摩擦によってさまざまな角度で止まられるようになっています
主な仕様はチップセット(SoC)にはPixel 7シリーズと同じ「Google Tensor G2」とセキュリティーチップ「Titan M2」を搭載し、内蔵メモリー(RAM)は12GB LPDDR5、内蔵ストレージ(UFS3.1)は256GBまたは512GB、外部接続・充電端子はUSB Type-C(USB 3.2 Gen 2)、ステレオスピーカー、空間オーディオ、マイク×3、ノイズキャンセリング、センサー類は近接センサーおよび周囲光センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、磁気センサー、気圧センサー、ホールセンサーを内蔵しています。
バッテリー容量は4821mAhで、ワイヤレス充電(Qi)や急速充電(最大30W)に対応しており、駆動時間は最大72時間(スーパー バッテリー セーバー使用時)とのこと。携帯電話ネットワークは日本市場向けのG0B96は対応周波数帯が以下のようになっており、SIMカードはnanoSIMカード(4FF)サイズのスロットが1つあるほか、eSIMを搭載しています。
[5G mmWave + Sub 6 GHz JP] モデル G0B96
GSM / EDGE: クアッドバンド(850、900、1800、1900 MHz)
UMTS / HSPA+ / HSDPA: 対応バンド 1 / 2 / 4 / 5 / 6 / 8 / 19
LTE: 対応バンド B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 12 / 13 / 14 / 17 / 18 / 19 / 20 / 21 / 25 / 26 / 28 / 29 / 30 / 32 / 38 / 39 / 40 / 41 / 42 / 46 / 48 / 66 / 71
5G Sub-6: 対応バンド n1 / 2 / 3 / 5 / 7 / 8 / 12 / 14 / 20 / 25 / 28 / 30 / 38 / 40 / 41 / 48 / 66 / 71 / 75 / 76 / 77 / 78 / 79
5G mmWave: 対応バンド n257 / n258 / n260 / n261
また無線LANはWi-Fi 6Eに対応したIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax準拠(2.4および5、6GHz)、BluetoothはVersion 5.2(デュアルアンテナ対応)、USB(超広帯域無線チップ(正確な距離測定と空間定位に使用)やNFC Type A/B、デュアルバンドGNSSに対応した位置情報取得(PS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou、NavIC)、Google Castといった接続機能に対応しています。
OSはAndroid 13をプリインストールし、最低3年間のOSバージョンアップと最低5年間のセキュリティーアップデートが保証されており、OSバージョンアップの提供保証期限は2026年6月26日まで、セキュリティーアップデートの提供保証期限は2028年6月25日までとなっています。またGoogle Oneの特典として無料で「VPN by Google One」や「ダークウェブレポート」などが利用できます。
アプリ履歴では一番左側に一気に閉じる「すべてクリア」があります。日本向けの認証(いわゆる「技適」)の認証番号は電波法に基づく工事設計認証(R)が「003-230054」、電気通信事業法に基づく技術基準適合認証(T)が「ADF230025003」
ベンチマークアプリの結果。左が「Geekbench」(v6)のCPU性能、右が「3DMark」(GPU/グラフィックス性能)で、スコアはGeekbenchのシングルコアが1443、マルチコアが3524、3DMarkのWild Lifeが6551(ともに3回測定した中央値)
記事執筆:memn0ck
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