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SIMフリー版iPhone 7をMVNOで使ってみた。その使い心地は?

最新スマートフォン(スマホ)「iPhone 7」(Apple製)が欲しくて、しかしお金は節約したい筆者の仮想移動体通信事業者(MVNO)への乗り換え体験記第3回です。第1回は現状のスマホ利用状況の分析から自分にあったプランの検討してMVNOとSIMフリーのiPhone 7を選択し、前回の第2回ではiPhone 7の使用感をレビューしつつ、各MVNOの違いや特色をピックアップしながら「mineo(マイネオ)」に決定するまでをお伝えしました。

第3回ではいよいよMVNOでiPhone 7の運用を開始します。事前の予定ではSIMカードの導入から回線速度のチェックやmineoの独自システム「フリータンク」についての解説などを行う予定でしたが、内容が長くなりすぎるためさらに2回に分けてご紹介したいと思います。

今回は、SIMカードが届いて開通作業を行い、アクセスポイント(APN)設定をして使えるようにした後、専用アプリ「mineoスイッチ」を導入してデータ通信量の確認などを行えるようにするまでです。いわゆる普通に使うところまででしょうか。

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mineoではiPhone 7に限らずiPhoneシリーズのユーザーへのMNPを積極的に宣伝している


■SIMカード到着!さようならau、はじめましてmineo
ついに生まれて初めてのMVNOを申し込み、ドキドキしながら待つこと3日。契約時には審査と発送に1週間ほど時間がかかる場合があると書かれていたため気長に待つつもりでしたが、思いのほか早く届きました。

書類は2通あり、一方がSIMカード本体とガイドブック、もう1通が契約書類でそれぞれ別送となっていました。

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SIMカードを入れたカードケースとガイドブック


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契約書と約款


さっそくmineoの公式Webサイト上から回線切替の手続きです。ガイドブックは非常に分かりやすく図解されていましたが、初めてのMVNO設定に意外と手間取りました。

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とても分かりやすいガイドブックだが、それでも初めてのMVNO手続きはなかなかに難しく不安も多い


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まずはSIMカードの入れ替え。慣れていないとこれだけでも緊張する


少々つまづいてしまったのは回線を開通させる段階で、開通手続きの完了がメールで通知されるとの記述が公式Webサイト上にあったためメールを待っていたのですが、2時間近くたっても送られてこないので不安になってマイネオのサポートへチャットにて連絡をしてみたところ、NTTドコモ回線を使った「Dプラン」ではメールが届かないということを教えてもらいました。

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ここまでは比較的あっさりだった。しかしここから待てども待てどもメールは届かず……


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不安になってチャットサポートを利用したところ、あっさり解決


このあたりの分かりづらさはMVNOを利用する上では仕方がない面もあり、改めてドコモショップなどの便利さを感じてみたりも。mineoの場合は直営店(アンテナショップ)やヨドバシカメラなどの即日渡しが可能な店舗も増えてきていますので、手続きに不安がある方はこれらの店舗を利用するのも良いでしょう。

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今年5月の時点での各提携店舗対応状況。直営店とヨドバシカメラ以外は即日渡しにはならない点に注意しよう


また上記のようにチャットサポートでの対応も非常に素早く頼りになるため、少しでも不安を感じることがあれば気軽に使ってみてください。チャットサポートは公式Webサイトの右下に表示されており契約していなくても使えるため、契約に関する質問なども受け付けてくれます。

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残念ながらイメージキャラクターの葵わかなさんが応えてくれているわけではなさそう


諸々の手続きを終え、ガイドブックに従ってiPhoneにmineoで使用するAPN設定を行うためにAPN構成プロファイルを登録したら準備は完了です。プロファイルの登録には別途、無線LAN(Wi-Fi)などのネットワーク環境が必要になるのであらかじめ設定しておきましょう。

なお、自宅などにWi-Fi環境がない場合は、コンビニエンスストアやカフェなどで提供されている無料の公衆無線LANサービス(フリーWi-Fi)を利用するなどするしかないようです。ここが自宅などにWi-Fiがない場合は最大の障壁となりそうです。

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プロファイルは通信を行うために必須の設定ファイル。mineoの公式Webサイト上からプロファイルをSafariでダウンロードしインストールをしよう


■まいねおスイッチ「で」!電波は賢く使おう!
無事回線が開通したら、今度はmineoが提供しているスマホ用アプリをダウンロード。「mineoスイッチ」というアプリで、利用したデータ量がグラフで閲覧できるほか、アプリにある「mineoスイッチ」を押すことでデータ通信速度を意図的に200kbpsに落とし速度制限を掛けることができます。

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アプリはiOS向けのほか、Android向けにも同様のものが用意されている


わざわざ意図的に速度制限を掛ける必要があるのか疑問に思うかもしれませんが、この速度制限を行うと自分が契約したデータ容量を一切使わずに通信を行うことができるので、通信コストを抑えることができるのです。

200kbpsでは何もできない印象がありますが、メールの送受信やSNSでのテキストチャットのやり取り程度なら問題なく行えます。またソーシャルゲームなどのログインやプレイデータのやり取りなども快適に利用できる場合が多くあります。

mineoスイッチは比較的自由にON/OFFが可能なので(連続での切り替えには1分間のインターバルが必要)、こまめに節電をする感覚で利用するのも悪くないと思います。

なお、Windows 10 Mobileなどのアプリが対応していない製品でもサポートWebサイト「My mineo」からデータ量の確認や通信速度制限の切り替え可能となっています。

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「mineoスイッチ」アプリの画面。中央下部の大きなボタンで通信速度制限の切り替えができる


またiOS向け、Andoroid向けそれぞれのアプリにウィジェット機能が付いており、アプリを起動しなくてもデータ容量の確認や通信速度制限の切り替えが可能です。

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iPhoneの場合ホーム画面から左にフリックするだけでウィジェットにアクセスできるのでとても便利だ


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mineoスイッチのウィジェット内のボタンを連続でタップするとこのような注意書きのダイアログが表示される


■バースト転送で速度制限時でも意外と使える!
詳細な速度テストについては次回お伝えしたいと思いますが、ここで簡単に通常時の速度と制限時の速度、そしてバースト転送についての解説をしておきたいと思います。

※ mineoではバースト転送という呼称は使用していませんが、同様の仕組みであるためここでは一般呼称としてバースト転送と表記します。

バースト転送とは、通信が始まった最初の数秒間、一定のデータ送受信量に達するまで速度制限をかけずに(もしくは上限値を超えて)一気に通信を行うことで体感速度を上げるというものです。

以下の画像をご覧ください。通信速度測定アプリ「Speedtest.net Speed Test」による速度制限時のテスト結果ですが、アップロード・ダウンロードともに綺麗に200kbps前後となっている一方で、それぞれの送受信の最初に非常に速い速度で通信が行われている様子がグラフに現れています。

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データの送受信グラフの先頭部分が非常に高くなっている


前述したように速度制限を意図的に掛けた場合自分のデータ容量を使わずに通信が維持できるため、mineoユーザーであれば「mineoスイッチ」の利用はほぼ必須となるのではないでしょうか。契約の際には忘れずに導入したいところです。

次回は「Speedtest.net Speed Test」を用いた通信速度テストの結果やその通信状況の傾向を解説しつつ、mineoの強力な独自システム「フリータンク」についての紹介などを行い、この連載の最終回としたいと思います。

mineo(マイネオ)


記事執筆:あるかでぃあ


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