ソニーの5G対応フラッグシップスマホ「Xperia 5 III」をファーストインプレッション! |
既報通り、NTTドコモが「2021-2022冬春モデル」として5G対応フラッグシップスマートフォン(スマホ)「Xperia 5 III SO-53B」(ソニー製)を発表しました。販路はドコモショップや公式Webストア「ドコモオンラインショップ」などのドコモ取扱店すべてで、すでに9月30日より事前予約受付を開始しており、11月中旬以降の発売を予定しています。
価格は未定ですが、ドコモオンラインショップでは113,256円で残価設定方式の端末購入施策「いつでもカエドキプログラム」における残価が44,880円となる見込みだということです。ただし、価格は最終決定ではないため、変更される場合があるとし、正式な価格と発売日は後日案内される予定となっています。
本機はソニーが4月にグローバルモデルとして発表した同社のフラッグシップモデル「Xperia 5 III」のNTTドコモ版です。ソニーでは現在、フラッグシップスマホとして大型の「Xperia 1」シリーズと標準的なサイズの「Xperia 5 」シリーズを2系統並列して開発を行っていますが、今回はそのXperia 5シリーズにおける最新機種となります。
フラッグシップモデルというと超高性能な代わりに大柄な筐体サイズで重いという印象がありますが、本機はまさにそのイメージを払拭する「標準サイズ」のフラッグシップとなり、持ちやすい幅68mmに大型の「Xperia 1 III」と同じく可変式望遠レンズやリアカメラの3眼すべてにデュアルフォトダイオードセンサーを採用して高速・高精度・高追従なコンティニュアスAFを実現するなどしています。
今回、NTTドコモでは10月6日にメディア向けに新商品を説明する「2021-2022冬春 新商品に関する記者説明会」をオンラインにて開催し、併せて都内にてタッチ&トライが開催され、筆者も参加して実機にXperia 5 III SO-53Bに触れる機会を得ましたので、写真とともにその魅力をご紹介します。
■最大の売りは「隙のなさ」
本機の特徴はフラッグシップモデルらしく「全方位に隙のないスペック」です。チップセット(SoC)にはハイエンド製品であるQualcomm製「Snapdragon 888 5G Mobile Platform」を採用し、内蔵メモリー(RAM)は8GB(LPDDR5)、内蔵ストレージ(ROM)は128GB(UFS)となっています。
かつて「Xperia」シリーズのフラッグシップモデルではグローバルモデルとほぼ同等の製品であるにも関わらず、日本国内向けのモデルではストレージ容量を減らしたモデルが発売されるなどで批判を受けたことがありましたが、本機ではそういった“デチューン”は行われていません。
一方で、フラッグシップモデルにありがちな「妥協のない性能」という部分は抑えられています。
ディスプレイには約6.1インチ/アスペクト比9:21の超縦長OLED「シネマワイドディスプレイ」を採用していますが、その解像度はフルHD+(1080×2520ドット)と、今年7月に発売されたもう1つのフラッグシップモデルである大型のXperia 1 IIIの4K(1644×3840ドット)から下げられています。
これはXperia 1 IIIのディスプレイサイズが約6.5インチと大きく高い解像度のディスプレイを搭載しやすかったこともありますが、ある意味オーバースペックとも取れる超高解像度ディスプレイを搭載してバッテリー駆動時間や処理性能に高い負荷を掛けるよりも、実効性能の高さを取った結果と言えるでしょう。
実際にXperia 5 III SO-53Bを手にとってみると、横幅68mmに抑えられた筐体サイズは手に収まりが良く、約168gという重すぎない重量感や、半円形のサイドパーツのデザインと相まって非常に良く手に馴染む印象です。
もちろん9:21という超縦長ディスプレイを搭載している関係上、いくら持ちやすくても上着のポケットなどには入れづらいという弱点はありますが、それでもXperia 1 IIIの165mmに対して本機は157mmに抑えているため、取り回しは若干良い印象です。
カメラ性能は背面のメインカメラが広角(標準)、超広角、望遠の3眼となっており、さらに被写体までの距離を計測する3D iToFセンサーが搭載されています。
ハイエンドモデルらしいカメラ構成ですが、そこはカメラ技術に高いノウハウと実績を持つソニーらしく、デュアルフォトダイオードセンサーによる高速・高追従のコンティニュアスAFを搭載し、レンズにもT*(ティースター)コーティングを施したZEISS(ツァイス)レンズを採用するなど、これでもかと言わんばかりの贅沢な仕様です。
フロントカメラには約800万画素CMOSを採用していますが、顔認証機能などには対応しておらず、純粋にセルフィー用と割り切って使う仕様です。
防水(IPX5およびIPX8)や防塵(IP6X)に対応しつつも3.5mmイヤホンジャックを搭載している点も本機を選ぶポイントになるかもしれません。もちろん、NTTドコモ版を含む日本市場向けのXperia 5 IIIにはおサイフケータイ(FeliCa)も搭載しています。
昨今のスマホはフラッグシップやウルトラハイエンドモデルであってもイヤホンジャックを搭載していないことがあります。本機ではハイレゾ音源や立体音響技術「360 Reality Audio」への対応などもアピールポイントとしており、高音質での音楽聴取を楽しみたい人に強く訴求できる仕上がりです。
またワイヤレスリスニングにおいてもハイレゾ音源に対応するLDACを採用するなど、ここでも「隙のない性能」が光ります。
外部ストレージとしてはmicroSDXCカードスロット(最大1TB)まで対応。無線LAN(Wi-Fi)はWi-Fi 6まで対応し、BluetoothはVer.5.2準拠。USB Type-C端子と併せて拡張性は十分に確保されています。
SIMはシングルでnanoSIMカード(4FF)のスロットが1つのみとなっているのが若干残念なところですが、複数の携帯電話サービスを使い分けるようなヘビーユーザー以外は特に問題がある仕様ではないかと思われます。
生体認証では指紋認証に対応しており、サイドに配置された指紋センサーが物理的に押下可能な電源ボタンを兼ねています。
コロナ禍によって顔認証が使いづらい中、端末を手に取る動作でロック解除と画面点灯をすべて同時に行える指紋センサー付き電源ボタンの仕様は本当に便利です。
「端末を手に取る」、「ロックを解除して画面を見る」という行為を1日に何十回行うのか想像すると、このボタンの存在だけでも本機を選ぶ理由になるかもしれません。
■成熟の域に達したオールラウンドスマホ
Xperia 5シリーズも本機で3機種目となり、成熟の域に達してきた感があります。基本性能ではほぼ文句のつけようがなく、弱点を探すこと自体が粗探しのようなレベルです。
それでも敢えて難点を探すなら、指紋認証以外の生体認証に対応していない点やシングルSIM仕様である点などが挙げられますが、一般的な利用においてそれらが問題視されることはほぼ皆無です。
むしろコロナ禍ではAppleの「iPhone 13」シリーズのように顔認証のみで指紋認証がないことのほうが不満点として上げる人が多く、Xperiaの機能的な取捨選択は時代的な正解とも言えます。
バッテリー容量も4500mAhと、前機種である「Xperia 5 II」の4000mAhから増加しており、この点でも好印象です。基本性能、ディスプレイ品質、カメラ性能、音響性能、どれを取っても「隙がない」。それが本機のファーストインプレッションです。
フラッグシップゆえにゲーム用途などにも強く、どんな用途でも卒なくこなすオールラウンダーです。筐体品質の高さも含め、全方位に高品質を求めたい方にオススメです。最後に実際に実機をタッチ&トライしながらNTTドコモの担当者にXperia 5 IIIの特徴について説明してもらった動画を掲載しておきます。
記事執筆:秋吉 健
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