6万円台ながら高性能な5Gスマホ「Google Pixel 7a」をファーストインプレッション! |
既報通り、Googleが自社開発の「Made by Google」として展開している「Pixel」ブランドにおける新製品として独自開発したチップセット(SoC)「Tensor G2」を搭載した新しい5G対応スマートフォン(スマホ)「Pixel 7a」を発表しました。すでに日本を含む1次販売国・地域では5月11日(木)に発売され、日本における販路は公式Webショップ「Google ストア」のほか、NTTドコモやKDDI・沖縄セルラー電話(携帯電話サービス「au」)、ソフトバンク(携帯電話サービス「SoftBank」)からも販売されています。
価格(金額はすべて税込)はすでに紹介しているようにGoogle ストアでは62,700円、NTTドコモでは75,350円(1,726円/月+35,640円)、auでは63,890円(1,390円/月×23回+31,920円)、SoftBankでは79,920円(48回払いの場合:1〜24回は917円/月、25~48回は2,413円/月)となっています。
またそれぞれ返却によって残価が免除される販売施策「いつでもカエドキプログラム」や「スマホトクするプログラム」、「新トクするサポート」の対象で、おおよそ2年利用して返却した場合の実質負担額はNTTドコモでは1,726円/月×23回(総額39,710円)、auでは1,390円/月×23回(総額31,970円)、SoftBankでは917円/月×24回(総額22,008円)となります。
また割引や還元などのキャンペーンについてはNTTドコモでは「5G WELCOME割」で新規および他社から乗り換え(MNP)で22歳以下または5Gギガホ プレミアムを契約した場合に22,000円割引(ドコモオンラインショップにおける新規契約はdポイントで20,000ポイント還元)、SoftBankでは公式Webストア「ソフトバンクオンラインショップ」などにて「【オンライン限定】web割」でMNPの場合に21,984円割引となります。
一方、auでは「5G機種変更おトク割」で16,500円割引、公式Webストア「au Online Shop」なら「お得割」で新規契約で11,000円割引(22歳以下なら22,000円割引)、MNPで22,000円割引となります。なお、すでにGoogle ストアでは完売していますが、Coralを購入した場合にYouTube Premiumの利用料が12カ月無料となるキャンペーン「赤のエンタメパック」がNTTドコモやau、SoftBankでも実施されます。
今回はそんなPixel 7aについて少し遅くなりましたが、開封して外観や同梱品、基本機能などを写真や動画を交えて紹介したいと思います。なお、日本で販売される製品は「G82U8」で、Pixel 7aとPixel Foldはおサイフケータイ(FeliCa)に対応しており、本体色はSeaおよびCharcoal、Snow、Coralの4色展開です。ただし、NTTドコモではCoralが公式Webストア「ドコモオンラインショップ」のみで数量限定販売となっています。
Pixel 7aはPixelブランドにおける最新機種で、以前は“a”シリーズは廉価版という立ち位置でしたが、昨年発売された前機種「Pixel 6a」からはどちらかというと小型版となっており、特にPixel 7aは“a”シリーズでは初のワイヤレス充電に対応するなど、上位機である「Pixel 7」や「Pixel 7 Pro」との機能差はより少なくなっています。
特にPixel 6aが他の「Pixel 6」や「Pixel 6 Pro」と同じ業界最先端のGoogleのAIを中心に特別に設計されたSoCであるTensorを搭載していたようにPixel 7aもPixel 7やPixel 7 Proと同じTensor G2と搭載しており、内蔵メモリー(RAM)もPixel 6aは6GBでしたが、8GBに増量され、高性能ながらも価格を抑えたコストパフォーマンスの高い製品となっています。
製品 | Pixel 7a | Pixel 7 | Pixel 6a |
発売日 | 2023年5月11日 | 2022年10月13日 | 2022年7月28日 |
価格 | 62,700円 | 82,500円〜 | 53,900円 |
画面 | 6.1型フラットOLED FHD+(1080×2400ドット) 最大90Hz Gorilla Glass 3 | 6.3型カーブドOLED FHD+(1080×2400ドット) 最大90Hz Gorilla Glass Victus | 6.1型フラットOLED FHD+(1080×2400ドット) 最大60Hz Gorilla Glass 3 |
大きさ | 152.0×72.9×9.0mm | 155.6×73.2×8.7mm | 152.2×71.8×8.9mm |
重さ | 193.5g | 197g | 178g |
本体色 | Sea Charcoal Snow Coral | Lemongrass Snow Obsidian | Sage Chalk Charcoal |
SoC | Google Tensor G2 | Google Tensor G2 | Google Tensor |
内蔵メモリー | 8GB | 8GB | 6GB |
内蔵ストレージ | 128GB | 128GB、256GB | 128GB |
電池容量 | 4385mAh | 4355mAh | 4410mmAh |
急速充電 | ◯(最大18W) | ◯(最大20W) | ◯(最大18W) |
無線充電 | ◯ | ◯ | ー |
バッテリーシェア | ー | ◯ | ー |
背面カメラ | 64MP(広角) 13M(超広角) | 50MP(広角) 12M(超広角) | 12.2MP(広角) 12M(超広角) |
前面カメラ | 13MP(広角) | 8MP(広角) | 10.8MP(広角) |
防水・防塵 | ◯(IP67) | ◯(IP68) | ◯(IP67) |
指紋認証 | ○(画面内) | ○(画面内) | ○(画面内) |
マイク | 2つ | 3つ | 2つ |
OSバージョンアップ期限 | 2026年5月 | 2025年10月 | 2025年7月 |
ソフトウェア更新期限 | 2028年5月 | 2027年10月 | 2027年7月 |
パッケージ(箱)もPixel 7やPixel 6aなどと同様に上面に本体カラーに合わせた背面が描かれており、側面も本体カラーと同じ色となっていて特に高級感はないものの、白を基調としたシンプルなものとなっています。また箱を開けると、Pixel 7aの本体が背面が上になって収納されており、本体を取り出すと、下に同梱品が収納されています。
付属品はUSB Type-C to CケーブルとUSB Type-C to Aアダプター、SIMピン、簡易セットアップマニュアルなどの紙類となっており、ACアダプターやケース、画面保護フィルムなどは同梱されていないため、必要なら別途購入する必要があります。なお、純正品としてPixel 7a専用の純正ケースなどが用意されています
Google ストアで販売されている製品はオープン市場向けメーカー版(いわゆる「SIMフリーモデル」)ですが、NTTドコモやau、SoftBankといった移動体通信事業者(MNO)で販売されるキャリア版も購入時にはSIMロックのかかっておらず、特に各社ごとのプリインストールアプリもなく、ソフトウェア更新のタイミングも同じとなっているため、どこで購入しても変わらないので価格・キャンペーン次第でしょう。
箱からPixel 7aを取り出したら電源を入れて初期設定を行えば、さっそく使い始められます。なお、SIMはnanoSIMカード(4FF)を装着する場合には付属するSIMピンで、本体左側面のやや下側にあるnanoSIMカードスロットを取り出して装着します。SIMは一通り初期設定をしてから装着しても問題はありません。なお、日本で販売されているPixel 7aもこれまで通りにnanoSIMカードスロットが1つとeSIMのデュアルSIMデュアルVoLTE(DSDV)に対応しています。
ディスプレイは上部中央にパンチホールを配置したアスペクト比9:20の縦長な約6.1インチFHD+(1080×2400ドット)有機EL/OLED(約429ppi)で、フレッシュレートがPixel 6aでは60Hzでしたが、Pixel 7aでは90Hzに向上し、引き続いてHDRや常時表示(Always On Display)やコントラスト比100万:1、24bitフルカラー(1600万色)に対応しています。画面を覆う強化ガラスも「Corning Gorilla Glass 3」。
パンチホール部分には約1300万画素CMOS(1画素1.12μm)+広角レンズ(画角95°、F2.2)のフロントカメラが内蔵され、Pixel 7やPixel 7 Proに続いて顔認証に対応しているほか、生体認証としては画面内指紋センサーも搭載。外観はPixel 6シリーズやPixel 7シリーズの特徴的なカメラバーなどのデザイン要素を継承し、高い耐久性を持つメタルフレームとプラスチックパネルを採用しており、防水・防塵(IP67)に対応しています。
スペックではPixel 6aよりも+1.1mmと幅が若干あり、質量も+15.5gと重くなっているのでせっかくの小型機の大型化を心配しましたが、実際に持ってみると、それほど気になりませんでした。もちろん持ち比べてみると確かに違い、特に重さは確実に重くなっているように感じますが、筆者が普段より重い「Galaxy S23 Ultra」や「iPhone 14 Pro Max」などを使っているというのもあるかもしれませんが、十分に小さく持っていても重いという印象はありません。
またPixel 7やPixel 7 Proと並べて比べると、カーブディスプレイでなくフラットディスプレイであることでやや見た目は無骨な印象を受けるほか、背面も高級感は多少失ってはいるものの、個人的には必要十分なデザインや質感だと感じました。一方、大きさや重さについては並べたり持ち比べたりすると、確かにPixel 7aのほうがPixel 7よりも大きいのですが、この差もあまりないといった感じです。
Pixel 7aのCharcoalの背面。色味としてはグレー。Pixel 6aを含むPixel 6シリーズではリアカメラモジュールのカメラバーの上下で色が若干変えられていましたが、Pixel 7aを含むPixel 7シリーズでは同じ色となっています
間違えてCoralが正面を向いて色味がわかりませんが、薄い水色系のSeaと白系のSnowの色合いはこんな感じです。個人的にはやはりSnow押しで、Charcoalが一番微妙な気はします。Charcoalはもう少し色が濃くても良かったかも
リアカメラは以下の構成で、超解像ズーム(最大7倍)や光学式および電子式手ぶれ補正機能、高速なカメラ起動、消しゴムマジック、リアルトーン、顔フォーカス、パノラマ撮影、手動によるホワイトバランス調整、夜景モード、トップショット、ポートレートモード、ポートレートライト、モーション オートフォーカス、デュアル露出補正、Live HDR+、シネマティック撮影、天体写真のタイムラプスなどに対応。
・約6400万画素CMOS(1画素0.8μm、1/1.73型、4in1、PDAF)+広角レンズ(画角80°、F1.89、OIS、超解像ズーム最大8倍)
・約1300万画素CMOS(1画素1.12μm、PDAF)+超広角レンズ(画角120°、F2.2)
主な仕様は内蔵メモリーが8GB(LPDDR5)、内蔵ストレージが128GB(UFS 3.1)、接続・充電端子がUSB Type-C端子(USB 3.2 Gen 2)、センサー類は近接センサーおよび周囲光センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、磁力センサー、気圧センサーを搭載。生体認証は画面内指紋センサーに対応しており、個人的にはこれまでのPixel 6aやPixel 7 Proなどと同様に特に不満はありません。
また4385mAhバッテリーを搭載し、アダプティブバッテリーなどの機能によって1日中使っても余裕のある電池持ちを実現し、Extreme Battery Saverを使用すれば、スーパー バッテリー セーバーで使いたいアプリを選べば、残りのアプリは自動的にオフになり、最大72時間までバッテリーが持ちます。急速充電「USB PD 3.0 PPS」(最大18W)にも対応。
その他、Wi-Fi 6Eに対応したIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax準拠(2.4GHzおよび5GHz、6GHz)の無線LAN(Wi-Fi)やBluetooth 5.3、NFC Type A/B、位置情報取得(A-GNSS/GPS・GLONASS・Galileo・BeiDou・QZSSなど)。なお、3.5mmイヤホンマイク端子やワンセグ、フルセグ、赤外線通信、microSDカードなどの外部ストレージスロットは非対応。サイズは約152.0×72.9×9.0mm、質量は約193.5g。
Pixel 7aの左右側面。右側には電源/スリープキーや音量上下キー、左側にはnanoSIMカードスロットが配置。アンテナラインも見えます。なお、microSDカードなどの外部ストレージスロットは非搭載です
携帯電話ネットワークは日本市場向けのG82U8は対応周波数帯が以下のようになっており、SIMカードはnanoSIMカード(4FF)サイズのスロットが1つあるほか、eSIMを搭載しています。付属品はUSBケーブル(C to C・1m・USB 2.0)およびSIMピン、クイック スタート ガイド、クイック スイッチ アダプター。
<5G Sub 6 GHz JPモデル(型番: G82U8>
5G Sub-618: 対応バンド n1 / 2 / 3 / 5 / 7 / 8 / 12 / 20 / 25 / 28 / 38 / 40 / 41 / 66 / 75 / 76 / 77 / 78 / 79
4G LTE: 対応バンド B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 12 / 17 / 18 / 19 / 20 / 21 / 25 / 28 / 32 / 38 / 39 / 40 / 41 / 42 / 66
3G W-CDMA: 対応バンド 1 / 2 / 4 / 5 / 6 / 8 / 19
2G GSM: クアッドバンド(850、900、1,800、1,900 MHz)
Pixel 7aはOSとしてAndroid 13をプリインストールしており、最高水準のセキュリティーを備え、新世代のセキュリティーチップ「Titan M2」の搭載によってTensorのセキュリティーコアと連携して機密性の高いユーザーデータ、PIN、パスワードを保護して情報の安全性とプライバシーを守り、セキュリティーアップデートのサポート期間が5年間に延長されたことで、常に最新の保護機能を利用可能です。なお、OSバージョンアップについてはこれまで通りに3年間です。
すでに1回目のソフトウェア更新が配信開始されており、アップデートするとAndroidセキュリティパッチレベルが「2023年5月」となり、ビルド番号は「TQ2B.230505.005.A1」となります。なお、日本で利用するための認証(いわゆる「技適」)の番号は電波法に基づく工事設計認証(R)が「003-220321」、電気通信事業法に基づく技術基準適合認定(T)が「ADF220193003」
一方、Pixel 6aでは利用できない「VPN by Google One」がPixel 7シリーズということでPixel 7aでも無料で使えます。またPixel 7やPixel 7 Proでは対応していない画面が上に向いて安定した状態になっている間はバイブレーションが弱くなる「アラートバイブレーション自動調整」という機能が追加されています。ただし、恐らくPixel 7やPixel 7 Proでも今後対応する機能だと思われます
詳細設定から「レンズ汚れの警告を表示」や「RAW+JPEGコントロール」(RAWとJPEGの同時保存)などが利用可能。カメラアプリのモードは「カメラ」(静止画)や「ポートレート」、「動画」、「パノラマ」、「360°写真」、「レンズ」などが利用可能
Tensor G2はCPUがオクタコア(2.85GHz Arm Cortex-X1×2+2.35GHz Arm Cortex-A78×2+1.80GHz Arm Cortex-A55×4)、GPUがArm Mali-G710 MP7(848MHz Shaders、996MHz Tiler/L2)で、iPhoneなどのように同じSoCでもクロック数が製品によって違ったりしていますが、Pixel 7aはPixel 7やPixel 7 Proと同じとなっており、Tensor G2の性能としては特に変更はない模様。ベンチマークアプリ「Geekbench v6」と「3DMark」の測定結果はそれぞれGeekbench v6のCPUにおけるシングルコアで1431、マルチコアで3420 、3DMarkのWild Lifeで6615(それぞれ3回測定した中央値)
記事執筆:memn0ck
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