FCNTの未発表製品「FMP198-O3」と「FMP199-O5」が技適通過!

総務省が「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」のデータベースを更新し、新たにLenovo Gropu(以下、Lenovo)傘下のFNCTが未発表な5G対応スマートフォン(スマホ)「FMP198-O3」(認証番号:202-JCE038、202-JCE039)および「FMP199-O5」(認証番号:202-JCE040、202-JCE041)の工事設計認証(いわゆる「技適」)を相互承認(MRA)によって2024年4月12日(金)付けおよび2024年4月22日(月)付けでCTC/cetecom advancedを通じて取得しています。

FCNTは昨年5月にREINOWAホールディングス傘下だった旧FCNTが民事再生手続を開始し、その後、プロダクト事業のうちのスマホなどの携帯端末の製造・販売事業についてはLenovoによって買収され、昨年9月より新生FCNTとして再スタートしており、これまでの新生FCNTの製品では「arrows We2」と「arrows We2 Plus」が発売され、新生FCNTでも旧FCNTの開発・製造環境をある程度は継承しているようで、開発コード名などは一部が流用されています。

今回、工事設計認証を通過したFMP198-O3およびFMP199-O5はそんなFCNTの開発コード名で、開発コード名としてはarrows We2のNTTドコモ向け「arrows We2 F-52E」が「FMP195-Y1」、KDDIおよび沖縄セルラー電話の携帯電話サービス「au」および「UQ mobile」向け「arrows We2(型番:FCG02)」が「MP196-Y6」、オープン市場向け「arrows We2 M07」(メーカー版、いわゆる「SIMフリーモデル」)が「FMP197-Y5」、arrows We2 PlusのNTTドコモ向け「arrows We2 Plus F-51E」が「FMP193-N1」、オープン市場向け「arrows We2 Plus M06」が「FMP194-N5」であることが判明しています。

そのため、サンプル数は少ないながらも命名規則として「FMP***-##」のうちの「***」はモデルごと、「##」のうちの初めのアルファベットは機種ごとだと推察でき、FMP198およびFMP199は現時点で発表されていないモデルであり、かつ、O3およびO5なので既存のarrows We2やarrows We2 Plusではない未発表機種であることが推測されます。一方、FCNTではすでに紹介しているように今年8月に開催した『すべての人に「やさしいテクノロジー」を 「arrows We2 シリーズ」発売直前 arrows 販売戦略発表会』においてシニアなど向け「らくらくスマートフォン」について次の新機種を「鋭意開発中」であると明らかにしています。

そのため、これらのFMP198-O3およびFMP199-O5がこのらくらくスマートフォンの次機種の可能性が考えられますが、、これまでらくらくスマートフォンはNTTドコモとの共同開発で、NTTドコモからのみ販売されてきたため、次機種も同様であるなら1モデルのみとなるため、FMP198-O3とFMP199-O5のように2モデル展開と矛盾します。ただし、例えば、これまで通りにNTTドコモ向けを開発しつつ、NTTドコモ向けの部分を省いてハードウェアは共通にした別モデルをオープン市場向けなどの別の販路で展開するなら2モデルでも問題はなさそうです。

もちろん、らくらくスマートフォンとは別にarrows We2やarrows We2 Plusに続く「arrows」ブランドの別機種という可能性も十分にありえます。なお、FCNTではらくらくスマートフォンの新機種は2024年度中(2025年3月末まで)に発売予定であると説明しており、発表会に登壇したFCNTのプロダクトビジネス本部 副本部長を務める外谷一磨氏は「2024年度にお届けできるように開発している。どうぞご期待いただければと思う。詳細は別の機会にご説明する。」としていました。

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FCNTは元々、富士通の携帯端末事業からスタートし、富士通から連結子会社として分社化されたスマホなどの携帯端末事業を担う富士通コネクテッドテクノロジーズと富士通周辺機(FPE)の携帯端末製造事業(社工場)を承継する会社をポラリス・キャピタル・グループ(以下、ポラリス)が買収してFCNT株式会社が設立されましたが、昨年5月にFCNT株式会社およびその親会社であるREINOWAホールディングス、そして端末製造などを行う関連会社のジャパン・イーエム・ソリューションズ(JEMS)とともに東京地方裁判所に民事再生手続開始の申立てを行い、これに伴って同裁判所より監督命令および弁済禁止の保全処分の発令を受けていました。

民事再生手続開始時点においてプロダクト事業のうちのスマホなどの携帯端末の製造・販売事業については具体的なスポンサー支援の意向が表明されていない中で事業を継続することは極めて困難な状況にあるため、事業を停止していましたが、その後、レノボがスポンサー支援の意向をFCNT株式会社に伝え、事業譲渡契約が締結され、2023年10月1日より新たにLenovo傘下のFCNT合同会社として事業を再開していました。そうした中で今年5月には新生FCNTとして初の製品であるarrows We2 Plusおよびarrows We2を発表し、これまで通りにスマホなどの携帯端末の製造・販売事業を行なっています。

今回、そんな新生FCNTとしてarrowsブランドに加え、人気シリーズだったらくらくスマートフォンについても新機種を鋭意開発中であることが明らかにされ、2024年度中に発売予定であることが予告されました。なお、らくらくスマートフォンの現行機種は2022年2月に発売された「らくらくスマートフォン F-52B」で、NTTドコモでは現在でも販売しており、NTTドコモのサポート情報ではまだ生産終了になっておらず、修理受付は2027年3月末まで行うことが案内されています。

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FMP198-O3の認証情報


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FMP199-O5の認証情報




記事執筆:memn0ck


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