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docomo 5Gは「瞬速5G」に!5G用の新周波数帯で積極エリア展開へ |
既報通り、NTTドコモは5日、今冬から来春にかけて発売する「2020-2021冬春モデル」を発表し、新たに「5G(第5世代移動通信システム)」のSub6(6GHz帯未満の低周波数帯)のキャリアアグリゲーション(CA)を導入して国内最速の下り最大4.2Gbpsおよび上り最大218Mbpsを2020年12月以降に提供すると発表しています。
また同社ではこれまで通りに5G向けに割り当てられた3.7GHz帯(n78)や4.5GHz帯(n79)、28GHz帯(n257)といった周波数帯を用いて5Gを推進しておくことを表明し、これらの高速・大容量通信を「瞬速5G」として積極的に展開し、2022年度末(2023年3月末)までに人口カバー率約70%をめざすということです。
さらにすでに紹介しているように11月4日に5Gの「エリアマップ」を公開しており、より多くの人が5Gを利用できるように2022年3月末までに全国1000市区町村へ導入する予定であるとし、エリアマップでは020年10月30日時点でのエリアのほか、2021年3月末および2021年夏の拡大予定エリアについても確認可能となっています。
NTTドコモでは今年3月25日に5Gの商用サービスを開始し、先日行われた「2020年度 第2四半期決算説明会」において10月29日時点で5G契約数が50万契約を超えたことが明らかにされていましたが、これらについて改めて発表会でも紹介され、さらに他社では4Gで利用している周波数帯を5Gに転用することでエリアを拡大する計画となっているのに対し、同社では従来通りに当面は5G向けに割り当てられた新周波数帯で5Gを展開していくことが説明されました。
そうしたことから5Gのエリア拡大についても当面は5G向けの周波数帯だけで行っていき、2021年3月末に全政令指定都市を含む500都市、2021年6月末に1万基地局、2022年3月末に2万基地局によって人口カバー率55%、そして2023年3月末までに3万2千基地局で人口カバー率約70%を計画しているとのこと。一方で、5Gに対応したスマートフォン(スマホ)などの製品を順次投入し、徐々に5Gの利用率が増えたところで4Gに利用している周波数帯を5Gに転用する計画となっています。
その時期については同社では現時点では2021年後半辺りから活用していく方針を明らかにしており、仮に4G周波数帯を5Gに転用した場合には利用者に「優良誤認」とならないように速度などが違うことを明確にわかるようにそれぞれエリアマップにて5G用のSub6とミリ波(mmWave)のエリアと転用エリアは分けて公開する予定だということです。
実際に今回公開された5Gのエリアマップでもエリアの他に28GHz帯によるミリ波が利用できる場所がスポットとして表示でき、ミリ波対応スポットについても2020年10月末時点(緑色)に加え、2020年12月末時点(黄色)や2021年3月末時点(赤色)の対応予定スポットをそれぞれすべて表示の他にカテゴリー別に表示できるようになっています。
また同社では今年9月23日よりミリ波によるサービスを開始していますが、当初はモバイルルーター「Wi-Fi STATION SH-52A」のみが対応し、最大通信速度も下り4.1Gbpsおよび上り278Mbpsとなっていたものの、新たにスマホ「arrows 5G F-51A」でも11月4日からミリ波に対応し、最大通信速度も下り4.1Gbpsおよび上り480Mbpsになっており、今後は「Galaxy S20+ 5G SC-52A」や「Galaxy Note20 Ultra 5G SC-53A」もミリ波に対応予定となっており、対応スポットも2020年12月末までに全都道府県へ展開予定だとしています。
さらに5Gを利用したサービスとしても高速・大容量を活かしてマルチアングル視聴などができるようにスタジアム全体を5G化する「スマートスタジアム」を導入しており、すでに9月27日より鹿島スタジアム、10月6日よりナゴヤドームにて提供開始しているほか、今後は全国のプロ野球(全12球団)やJリーグ(3万人以上収容の13会場)のスタジアムにて順次エリア化していくということです。
最後にSub6で提供しているn78とn79の2つの周波数帯をCAによって束ねる「Sub6-CA」を導入して国内最速となる下り最大4.2Gbpsを2020年12月以降に導入します。これは今年9月30日に同社が富士通や日本電気(以下、NEC)とともに共同発表したO-RAN Allianceが策定した仕様に準拠した世界初のマルチベンダーRANによる柔軟なネットワーク構築によって実現されるとのこと。
仕組みとしては5G基地局の親局(CU/DU)に5G基地局の子局(RU)を2つ接続させ、この2つの子局(RU)とそれぞれの周波数帯でスマホなどの製品が同時に通信し、4Gも含めたCAが行えるデュアルコネクティビティーとともに通信することで下り最大4.2Gbpsを実現しています。なお、上りも最大218Mbpsに向上します。対応製品は新たに発表されたGalaxy Note20 Ultra 5G SC-53Aや「Xperia 5 II SO-52A」などのほか、既存の5G対応製品でも利用可能です。
記事執筆:memn0ck
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