ソニーグループが2020年度 連結業績説明会を開催!連結では売上高・営業利益ともに過去最高に

ソニーグループは28日、オンラインにて「2020年度 連結業績説明会」を開催し、子会社のソニーが手がけるスマートフォン(スマホ)「Xperia」シリーズなどのモバイルコミュニケーション(MC)事業では2020年度通期で売上高3,585億8,000万円(前年比▲0.98%)および営業利益276億7,100万円(前年比+487億2,800万円)の減収増益で通期黒字となったと発表しています。

一方、Xperiaシリーズのスマホ販売対数は290万台(前年比▲9.4%)となっています。なお、2020年度通期で2020年度第4四半期だけでは売上高741億5,000万円(前年同期比+5.4%)および営業利益▲141億1,500万円(前年同期比+155億8,100万円)で、スマホ販売台数は40万台で前年同期と同じとなっています。

ソニーではXperiaシリーズにおいて競争力のある製品開発を行った上で販売製品や地域を絞ることによってオペレーション費用を削減して徐々に赤字を減らしてきましたが、ついに通期黒字化しました。MC事業単体での通期業績見通しは明らかにしていませんが、MC事業を含むエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)分野については2021年度に売上高2兆2,600億円および営業利益1,480億円の増収増益を見通しています。

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ソニーグループ全体の2020年度通期決算概要。連結売上高は前年度から+9%の8兆9,994億円、連結営業利益は1,264億円増の9,719億円と、いずれも過去最高を更新

ソニーでは構造改革および組織改編を進めており、特に従来のソニーは今年4月1日より社名をソニーグループに変更し、合わせてこれまでXperiaシリーズなどのMC事業を担っていたソニーモバイルコミュニケーションズについても同社を存続会社としてソニーエレクトロニクスとソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズを吸収合併して新たに社名をソニーに変更しました。

これに先行してMC事業については2015年頃より販売機種や販売地域を絞るなどのオペレーション費用の削減を進め、販売台数は徐々に減少してきたものの、営業利益の赤字幅を減らして四半期ごとについては少しずつ黒字化することが多くなり、ここ2〜3年は毎年通期黒字をめざしていましたが、ついに2020年度は通期で当初計画を上回る大幅な黒字を達成しました。またXperiaシリーズについては2019年にソニーの技術を集結してモデル展開をリニューアルした「Xpera 1」シリーズなどを展開しています。

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ソニーグループのセグメント別業績概要。2020年度はゲーム&ネットワークサービス(G&NS)や金融分野が大きく伸びました。一方、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で映画分野が大きなダメージを受けています


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MC事業が含まれているEP&S分野もCOVID-19などの影響でデジタルカメラなどの販売台数が減少して2020年度は減収となりました。一方、営業利益はMC事業を中心としたオペレーション費用の削減やテレビなどの製品ミックス回線によって増益となっています


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説明会に登壇したソニーグループ 取締役 代表執行役 副社長 兼 CFOの十時 裕樹氏。思えばMC事業のオペレーション費用削減は同氏がソニーモバイルコミュニケーションズ 代表取締役社長 兼 CEOに就任してはじまった

今年度もその流れで新しいフラッグシップスマホ「Xperia 1 III」と「Xperia 5 III」、スタンダードスマホ「Xperia 10 III」を4月に発表し、日本でもXperia 1 IIIとXperia 10 IIIをNTTドコモやau、SoftBankから6月以降に発売することが案内されています。少しずつ競争力が付きつつあるようにも思われますが、少なくとも昨年度の「Xperia 1 II」や「Xperia 5 II」、「Xperia 10 II」はまだ製品内容にしては高いといったことも言われており、実際に販売台数も徐々に減少していることから今後は価格も含めた競争力向上にも期待したいところです。

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【ソニーのMC事業の売上高の推移】
年度Q1Q2Q3Q4通期(合計)
20181,303億5,400万円1,148億8,600万円1,349億7,800万円1,071億1,200万円4,873億3,000万円
20191,005億5,000万円777億1,400万円1,135億円703億8,000万円3,621億4,400万円
2020942億2,900万円791億4,000万円1,110億6,100万円741億5,000万円3,585億8,000万円

【ソニーのMC事業の営業利益の推移】
年度Q1Q2Q3Q4通期(合計)
2018△107億5,800万円▲298億1,400万円△155億200万円▲410億6,200万円△971億3,600万円
201910億3,900万円6億3,500万円69億6,500万円▲296億9,600万円▲210億5,700万円
2020110億3,600万円94億5,800万円212億9,200万円▲141億1,500万円276億7,100万円

【ソニーのスマホ販売台数の推移】
年度Q1Q2Q3Q4通期(合計)
2015720万台670万台760万台340万台2490万台
2016310万台350万台510万台290万台1460万台
2017340万台340万台400万台270万台1350万台
2018200万台160万台180万台110万台650万台
201990万台60万台130万台40万台320万台
202080万台60万台100万台40万台290万台






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記事執筆:memn0ck


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