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新スマホ「Google Pixel 9a」を開封して外観や同梱品、基本機能、カメラ、ベンチマークなどをレビュー! |
既報通り、Googleの日本法人であるグーグル(以下、Google Japan)は9日、Googleが「Made by Google」として展開している「Pixel」ブランドの新商品である独自開発したチップセット(SoC)「Tensor G4」を搭載した5G対応スマートフォン(スマホ)「Pixel 9a」を日本市場で2025年4月16日(水)に発売すると発表しました。
販路は公式Webショップ「Google ストア」に加え、日本ではNTTドコモやKDDIおよび沖縄セルラー電話の携帯電話サービス「au」、ソフトバンクの携帯電話サービス「SoftBank」といった移動体通信事業者(MNO)でも取り扱われ、発売に先立って各社ともに4月9日(水)9時より予約受付を実施しています。なお、日本で販売されるモデルはすべて型番「G3Y12」で、おサイフケータイ(FeliCa)に対応しており、Google ストアではオープン市場向けメーカー版(いわゆる「SIMフリーモデル」)となりますが、他のMNO(以下、キャリア)が販売するキャリアモデルもSIMロックはかかっていません。
価格(金額はすべて税込)はGoogle ストアでは128GBストレージが79,900円、256GBストレージが94,900円となっており、発売を記念してGoogle ストアでは4月27日(日)までに購入すると、次回以降のGoogle ストアでの買い物で使える15,000円分のストア クレジットをプレゼントするほか、対象機種を下取りで最大25,100円のキャッシュバックを受けられ、実質39,800円から購入できます。その他のMNOにおける価格やキャンペーンについてこちらの記事にまとめています。
本記事ではGoogle JapanよりPixel 9aの製品版を先行してお貸し出しいただきましたので、開封して外観や同梱品を紹介し、さらに短期間ながらも実際に試してみた模様をそれぞれ写真や動画を交えて紹介したいと思います。なお、外観やデザインについてはすでに掲載している『新スマホ「Google Pixel 9a」を店頭で見てきた!外観などを写真で紹介。新色Irisは3aのPurple-ishのオマージュに【レポート】 - S-MAX』も合わせてご覧ください。
Pixel 9aはGoogleが展開するPixelブランドにおけるスマホのうちのフラッグシップモデルに対する廉価モデル“a”シリーズの最新機種で、昨年発売されたフラッグシップモデル「Pixel 9」および「Pixel 9 Pro」、「Pixel 9 Pro XL」などに搭載されている独自開発のチップセット(SoC)である「Tensor」シリーズの第4世代「Tensor G4」を搭載し、高い性能を備えながらも価格を抑えた製品となっています。
また前機種「Pixel 8a」からカメラ機能が強化されたほか、新たに外観が刷新され、Pixel 9シリーズのような背面や側面がフラットと四隅が丸みを帯びた角の洗練されたデザインとなり、また防水・防塵はこれまでのIP67からIP68に強化され、画面はPixel 8aの6.1インチから6.3インチに大型化されながらも引き続いて最大120Hzリフレッシュレートに対応しつつ、さらに“a”シリーズの中で最も明るく、Pixel 8aよりも35%も明るい最大1800nits(ピーク時2700nits)の画面となるなどしています。
パッケージは上位機のPixel 9などと同様に底面に開封したかどうかがわかるシールがあり、それを剥がすと、外側の覆いを横にスライドして外すことができ、箱本体を開けることが可能となっています。箱本体を開けると、まずはPixel 9a本体があり、その下にクイックガイドなどが収納されているスリーブケース、さらに下にUSBケーブルが収まっています。同梱品はPixel 9a本体のほか、USB Type-C to Cケーブル(1m)とSIM取り出しピン、クイックガイドのみで、ACアダプターや画面保護フィルム、ケースなどは付属していないため、必要なら事前に購入しておくと良いでしょう。
Pixel 9a本体は保護用の半透明の紙に覆われているので、それを取り外します。SIMは物理的なSIMカードの場合には後から装着すれば良いですし、eSIMなら初期設定時に設定できるので、まずは本体右側面にある電源キーを長押しして起動します。また初期設定時に無線LAN(Wi-Fi)などのネットワークに接続されていると、すでに提供開始されているソフトウェア更新を行おうとするので、場合によってはネットワーク接続せずに初期設定を進めていったほうが早く使えるようになると思います。
背面はPixel 6シリーズから続く「カメラバー」が廃止されましたが、GoogleではPixel 9aを「遊び心があり、親しみやすい」デザインにして子供も含めたファミリー向けと位置付け、Pixel 9シリーズを踏襲しながらも“a”シリーズであることを示す個性を明確にしたいとしてカプセルスタイルカメラは継承しつつ、シンプルさと使いやすさを重視した新しいミニマリズムを取り入れるなど、他の要素にも遊び心を加えた新しいデザインを考案したとのこと。
またリアカメラ部分の出っ張りがなくなり、Pixel 9aはほぼフラットな背面を採用しているため、ポケットに簡単に収まり、平らな面にもしっかりと固定され、背面を下にした置いてもカタカタしたりしないようになっています。残ったリアカメラモジュール部分の突起もわずかなカーブしたドーム状になっており、Pixel Watchの水滴型デザインを彷彿とさせます。なお、新色のIrisは“a”シリーズの初代となる「Pixel 3a」で人気を博したより明るく紫に近い「Purple-ish」をオマージュした色なのだとか。
画面は上部中央にパンチホールを配置したアスペクト比9:20.2の縦長な約6.3インチFHD+(1080×2424ドット)pOLED(有機EL)「Actuaディスプレイ」(約422.2ppi)で、引き続いてHDRや常時表示(Always On Display)やコントラスト比100万:1、24bitフルカラー(1600万色)に対応しています。画面を覆う強化ガラスは「Corning Gorilla Glass 3」を採用しており、落下などの対してもこれまでの“a”シリーズの中で最も耐久性の高くなっているとのことで、実際に防水・防塵はこれまでのIP67からIP68に向上しています。
パンチホール部分には約1300万画素CMOS(1画素1.12μm)+広角レンズ(画角96.1°、F2.2)のフロントカメラが内蔵され、Pixel 8aに続いて顔認証に対応しているほか、生体認証としては画面内指紋センサーも搭載。なお、側面は光沢のあるサテンメタルフレームでリサイクル アルミニウム素材を100%使用し、また製品の全重量に対してリサイクル素材を23%以上使用、背面パネルにリサイクルプラスチック素材を81%使用し、梱包材は100%プラスチックフリー素材となっています。サイズは約154.7×73.3×8.9mm、質量は約185.9g。
一方、リアカメラの出っ張りが少なくなったことで画質への影響が心配され、実際にリアカメラは以下のデュアル構成で、メインセンサーは小さく、画素数も減ってしますが、GoogleではこれまでのPixelの高いカメラ品質基準を満たしており、同価格帯のスマホの中で最高のカメラ体験を提供しているほか、“a”シリーズとして初めてマクロ機能を搭載しているほか、リアルトーンによって写真や動画ですべての人の肌の色合いを正確に再現し、最大8倍の超解像度ズームや消しゴムマジック、夜景モード、ボケ補正などに対応しています。
・約4800万画素CMOS(1画素0.8μm、1/2型、4in1、PDAF)+広角レンズ(画角82°、F1.7、OIS、CLAF、超解像ズーム最大8倍)
・約1300万画素CMOS(1画素1.12μm、1/3.1型、PDAF)+超広角レンズ(画角120°、F2.2)


標準カメラアプリのファインダー画面と簡易設定画面。モードは静止画が「写真」および「ポートレート」、「一緒に映る」、「長時間露光」、「夜景モード」、「パノラマ」、ムービーが「動画」および「パン」、「スローモーション」、「タイムラプス」となっており、静止画とムービーは中央のスイッチで切り替える仕組み

Pixel 9aのリアカメラでの作例4(屋外、晴れ、広角カメラ8倍超解像ズーム)。インセンサーズームを利用した2倍ズーム撮影やウルトラワイド撮影はそれなりに撮影できているものの、さすがに超解像ズームではありますが、8倍だとカメラの性能が出てしまっているようでいまいち実用性に欠けるように思われました。なお、同じ撮影条件でGalaxy S23 Ultraで撮影したこちらの写真を比べると違いがわかります
またGoogleではリアカメラのデザインを決定する上で重視した点として厚みを維持しながらもバッテリー容量を増やすことを挙げており、単に見た目だけでなく実用的な理由があったとしています。さらにバッテリー容量の増加はディスプレイのパネルをより薄いpOLED(プラスチック製OLED)に変更したことも影響があり、これによって電池用の内部スペースが確保されてカメラの位置を下げて突起を最小限に抑えることができ、しかも耐久性の高いミッドフレーム構造は維持されているということです。
主な仕様はUSB Type-C端子(USB 3.2)および急速充電「USB PD 3.0 PPS」(最大18W)、ワイヤレス充電(Qi)、Wi-Fi 6Eに対応したIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax準拠(2.5および5、6GHz)の無線LAN、Bluetooth 5.3、NFC Type A/B、、位置情報取得(デュアルバンドA-GNSS:GPS、Galileo、GLONASS、BeiDou、QZSS、NavIC)、近接センサー、環境光センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、磁力センサー、気圧センサー、ステレオスピーカー、マイク×2、ノイズキャンセレーション機能など。
機種 | Pixel 9a | Pixel 9 | Pixel 8a | Pixel 7a |
大きさ | 154.7×73.3×8.9mm | 152.8×72.0×8.5mm | 152.1×72.7×8.9mm | 152.0×72.9×9.0mm |
重さ | 185.9g | 198g | 189g | 193.5g |
本体色 | Iris Peony Porcelain Obsidian | Wintergreen Peony Porcelain Obsidian | Aloe Bay Porcelain Obsidian | Coral Sea Snow Charcoal |
画面 | 6.3インチpOLED FHD+(1080×2424ドット) | 6.3インチOLED FHD+(1080×2424ドット) | 6.1インチOLED FHD+(1080×2400ドット) | 6.1インチOLED FHD+(1080×2400ドット) |
リフレッシュレート | 最大120Hz | 最大120Hz | 最大120Hz | 最大90Hz |
SoC | Tensor G4 | Tensor G4 | Tensor G3 | Tensor G2 |
メモリー | 8GB | 12GB | GB | GB |
ストレージ | 128GB 256GB | 128GB 256GB | 128GB | 128GB |
電池容量 | 5100mAh | 4700mAh | 4492mAh | 4385mAh |
防水・防塵 | IP68 | IP68 | IP67 | IP67 |
内蔵メモリー(RAM)は8GB(LPDDR5X)、内蔵ストレージは128GBまたは256GB(UFS 3.1)、microSDカードなどの外部ストレージスロットは非搭載。携帯電話ネットワークは日本市場向けのG3Y12は対応周波数帯が以下のようになっており、SIMカードはnanoSIMカード(4FF)サイズのスロットが1つあるほか、eSIMを搭載しています。付属品は1m USB-C - USB-C ケーブル(USB 2.0)およびSIM取り出しツール。
5G NR: n1, n2, n3, n5, n7, n8, n12, n20, n26, n28, n38, n40, n41, n66, n75, n77, n78, n79
4G LTE: Band 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 14, 17, 18, 19, 20, 21, 26, 28, 32, 38, 39, 40, 41, 42, 66, 75
3G W-CDMA: Band I, II, IV, V, VI, VIII, XIX
2G GSM: 850, 900, 1800, 1900MHz
OSはAndroid 15をプリインストールし、7年間のOSバージョンアップや新機能「Feature Drop」追加、セキュリティーアップデートを保証。AI機能では「Gemini」が内蔵型AIアシスタントとして提供され、さらに音声を使ってGeminiと対話できる「Gemini Live」も利用でき、自由に会話やチャットができるため、新しいアイデアをブレインストーミングしたり、言いたいことを練習したりするのに最適です。
また近日中に「Gemini Advanced」の利用者はビデオおよび画面共有機能を備えたGemini Liveを使用できるようになるとのこと。これにより、カメラフィードをGemini Liveに見せて周囲に映っているものについて話しかけることができたり、画面をGemini Liveと共有して画面に表示されているものについて会話することもできます。さらにアプリを切り替えずに画面を検索できる「かこって検索」や想像力を駆使して楽しく興味深い画像を作成できる「Pixel スタジオ」などのAIを活用した機能も利用でき、Pixel独自の通話アシスト機能である「代わりに待ってて」や「Direct My Call」、「Call Screen」なども利用できます。
他にもPixel 9aはPixel 9シリイーズと同じ最高評価のセキュリティー機能が搭載されており、緊急時には自動車事故検出や盗難防止などの機能も利用できるほか、追加料金なしで「Google VPN」も使え、セキュリティーチップ「Titan M2」と連携して保護を強化してくれます。また「デバイスを探す」機能を使って友人や家族と現在地を共有して目的地に安全に到着したかどうかを確認できるようになっています。
一方、Pixel 9aでは現時点では他のPixel 9シリーズなどとまったく同じではなく、少なくともPixel 9シリーズなどに提供されている2025年3月分の新機能「Pixel Feature Drop」の一部機能に対応しておらず、通知のクールダウンやモードがありません。そのため、恐らく次の新機能が追加される2025年6月に提供予定の次期バージョン「Android 16」まではこれらの機能には対応しないものと見られます。なお、すでに紹介しているようにPixel 9aにはセキュリティーアップデートを含めた2025年4月分のソフトウェア更新が提供開始されています。
その他、各販路にて『購入キャンペーン』が実施され、2026年11月1日(日)15時59分までに購入した場合には動画配信サービス「YouTube Premium」およびクラウドストレージサービス「Google One Basic 100GB」をそれぞれ3カ月無料、ヘルスケアサービス「Fitbit Premium」を6カ月無料で利用できるとのこと。なお、YouTube Premiumの無料特典はYouTube Premiumや「YouTube Music Premium」、「YouTube Red」、「Google Play Music」のいずれかの無料トライアルに過去に登録したことある場合は利用できないのでご注意ください。
最後にベンチマークの測定結果に加え、開封して外観や同梱品、基本機能、ベンチマークなどを紹介したムービーを掲載しておきます。ベンチマークとしては同じくTensor G4を搭載しているPixel 9やPixel 9 Proなどと比べると少しスコアが低いようにも思われますが、実用上はそれほど違いはないと思われ、一方、SnapdragonではSnapdragon 8 Gen 2 Mobile PlatformやSnapdragon 8+ Gen 1 Mobile Platform、Snapdrago 7+ Gen 3 Mobile Platformなどと近く、ハイエンドクラスの数世代前もしくはミッドハイレンジクラスといったあたりになりそうです。


ベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」と「3Dmark」の測定結果。AnTuTu Benchmarkは総合スコア120万程度で、Pixel 9やPixel 9 Proなどは140万程度なため、同じTensor G4を搭載しているものの、少し性能は落とされている模様。3DmarkではWild Life Extremeのスコアが2650に


こちらはベンチマークアプリ「Geekbench v6」の測定結果。CPUのシングルコアが1710、マルチコアが4528、GPUのOpenCLが7774と、こちらもPixel 9やPixel 9 Proよりも若干低いか。なお、ベンチマークの各結果はそれぞれ3回測定した中央値を採用
記事執筆:memn0ck
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