買って損なし!使って満足!!久々に選んだフラグシップなXperiaのレビュー最終回 |
既報通り、ソニーが展開している「Xperia」ブランドの最新フラグシップスマートフォン(スマホ)「Xperia 1 VI」が日本では今年6月より順次発売されています。日本ではオープン市場向けメーカー版(いわゆる「SIMフリーモデル」)「Xperia 1 VI(型番:XQ-EC44)」のほか、移動体通信事業者(MNO)の取り扱いモデル(いわゆる「キャリアモデル」)としてNTTドコモ向け「Xperia 1 VI(型番:SO-51E)」やKDDIおよび沖縄セルラー電話の携帯電話サービス「au」向け「Xperia 1 VI(型番:SOG13)」、そしてソフトバンクの携帯電話サービス「SoftBank」向け「Xperia 1 VI(型番:A401SO)」が発売されています。
日本向けモデルはそれぞれおサイフケータイ(FeliCa)に対応しており、キャリアモデルはともに内蔵メモリー(RAM)と内蔵ストレージが12GB RAM+256GBストレージで、本体色もブラックおよびプラチナシルバーの2色展開ですが、SIMフリーモデルは12GB RAM+256GBストレージに加え、12GB RAM+512GBストレージと16GB RAM+512GBストレージもあるほか、本体色もブラックおよびプラチナシルバーだけでなくカーキグリーンやスカーレットがラインナップされており、このうちの最高スペックとなる16GB RAM+512GBストレージがついに2024年8月23日(金)に発売されました。
価格(金額はすべて税込)はSIMフリーモデルのXperia 1 VI XQ-EC44がオープン価格であるものの、希望小売価格およびソニーの公式Webストア「ソニーストア」では12GB RAM+256GBストレージが189,200円、12GB RAM+512GBストレージが204,600円、16GB RAM+512GBストレージが218,900円で、有償の保証サービス「Xperia ケアプラン」は新規加入の場合には年額5,500円または月額550円、追加加入の場合には年額2,500円となっています。なお、ソニーストアでは通常は無償の長期保証サービス(3年間)が標準付属していますが、現時点ではXperia 1 VI XQ-EC44は対象外とのこと。
一方、キャリアモデルのNTTドコモ向けXperia 1 IV SO-51Eが直営店では209,440円(販売施策「いつでもカエドキプログラム」を利用して23カ月目に返却する場合での実質負担額は160,600円)、au向けXperia 1 IV SOG13が直営店では214,800円(キャンペーン「5G機種変更おトク割」および販売施策「スマホトクするプログラム」を利用で購入から13~25カ月後までに返却する場合での実質負担額は129,300円)、ソフトバンク向けXperia 1 IV A401SOが直営店では210,960円(販売施策「新トクするサポート(プレミアム)」の早トクオプションを利用して13カ月目に返却する場合での実質負担額は早トクオプション利用料含めて79,600円)となります。
そんなXperia 1 VIですが、これまでのXperia 1シリーズで採用されていた4K解像度かつ他社製の多くのスマホと比べてより細長いディスプレイ(アスペクト比9:21)から新たにアスペクト比9:19.5のFHD+への変更されたほか、カメラアプリがソニーのデジタルカメラ「α」を模した3つの独立した「Photo Pro」および「Cinema Pro」、「Video Pro」から新しい「カメラ」アプリへと統合され、より一般的なスマホのカメラアプリと同じようなユーザーインターフェース(UI)への大幅な変更などが行われ、これまでとコンセプトの若干異なるより一般的なスマホへと変貌しています。
また2024年前期の今シーズンに投入された製品の中に筆者がこれまで指名買いしていた他社製品に最上位のPro級のフラグシップモデルがなかったため、ちょうど欲しいハイエンドモデルがないなと思っていたところに今回、Xperia 1 VIには筆者のハートをアツく刺激して離さない素晴らしいレッド系のカラーバリエーションであるスカーレットが用意されていたことから今シーズンはXperia 1 VI XQ-EC44を購入する選択をしました。なお、ついでに自腹一括購入であったことも付け加えておきます。
前回の記事ではレビュー前半としてXperia 1 VI XQ-EC44を購入した直後に開封して同梱品やプリインストールアプリなどの紹介をし、特に魅力のあるスカーレットの外観をじっくりとお伝えしていましたが、本記事ではレビュー後半として購入して実際にしばらくの間使ってみての感想やベンチマークの計測結果などを紹介していこうと思います。
【ベンチマークで大まかな性能を確認】
まずはベンチマークアプリを使用してXperia 1VIの性能を見てみましょう。計測に使用するベンチマークはWebブラウザーやマップ、メールやSNSなどの総合的な性能を計測する「PCMark」、そして3Dモデルの描画性能などの主に高負荷なゲームアプリでの動作を計測する「3DMark」の2つのアプリを利用しました。それぞれ空調の効いた室内にて3回計測してその中央スコアを参考値として採用し、アプリ内のスコアランキングで近似値のスマホと比べてどうなのかをチェックしてみています。ベンチマークはOSのバージョンや各モデルに向けた独自のカスタムや仕様の違いなどによって計測スコアに多少のばらつきが発生するため、あくまでも参考の資料の1つとしてご覧いただければと思います。
〇「PC Mark」で総合性能をチェック
全体的な総合性能をチェックしてスコア化するPCMarkでテストした結果では参考となる直近3回の計測(上記の画像の一番左の赤で囲った部分)での中央値のスコアは16881点ですが、ランキング内には既にXperia 1 VIの名前が166449点で登録されています(記事執筆時)。ランキング内の近似値のスコアには「Xiaomi 14 Ultra」や「Galaxy S24」シリーズなどの並みいるハイエンド級フラグシップモデルの名前があり、Xperia 1 VIもその中にバッチリと喰いこむ点数であることわかります。
〇「3D Mark」でゲームアプリに対する性能具合をチェック
次に主にゲームアプリがどれだけ快適に動作するかなどのをチェックをする3DMarkでのテスト結果では「Wildlife Extream」にて参考の(直近3回の計測スコアの)中央値スコアが4771点となり、ランキング内順位は8位相当というようにかなり高い位置にいることがわかります。さすがに化け物めいた性能構成や強力な冷却機構を誇るゲーミングモデルのスマホ(ROG Phone 8シリーズなど)には及びませんが、最上位モデルの名に恥じないゲームアプリを遊ぶのに十分な高い数値には違いありません。なお、画面下の「N/A」はまだランキングのデータベースに本機が登録されていないものと思われます。
ベンチマークの結果を見ての通り、Androidスマホとしての基本性能においてはメーカー最上位モデルであると胸を張れる高い性能を有しています。また個人的な感想ですが、画面解像度がFHD+とマイルド化しているのも奏功していると思いました。その他、筆者のXperia 1 VIにていくつかのゲームアプリを試したところでもほとんどのゲームを「画質最高設定」で問題なく遊ぶことができています。
ただし、一部の縦・横スクロールシューティングゲームにて「Game enhancer」設定のリフレッシュレートを120や240に設定すると、ゲーム内全体の速度が倍速以上になってしまい、まともに遊べなくなってしまうので注意しましょう。もちろん「望むところ!」なシュータープレイヤーさんもいるとは思うので止めはしませんが……。
ゲームにもよりますが、Game enhancerの筆者のおすすめ設定は「ゲームモードはカスタムで、最大リフレッシュレートを120です。可変リフレッシュレートをオンの設定で他はそのままか、メモリー開放をオンのみ変更」にすると、快適さとクオリティーの両方を良い感じに保てたままに遊べてオススメです。
【Xperia 1 VIのチェックポイント】
〇主張が控え目だけどしっかり高性能なカメラ続いて実際に使っていて気になった点をまとめて紹介していきます。まず初っ端から大変に地味なポイントなのですが、使っていて最初に筆者が意識したのが、主張が控え目ながらもカメラの画質はかなり優秀だと感じました。他社製のフラグシップモデルのAndroidスマホの中にいわゆる「1インチ級センサーを搭載した撮影特化モデル」(Xperiaにも「Xperia Pro」シリーズとして存在)がありますが、それらの撮影機能に強く振った機種はそのカメラ機能を発揮するためにカメラ部(レンズそのものやカメラバンプ含めて)が非常に大きくなり、背面側におけるカメラ部の割合が大きくなります。
一方、XperiaではXperia 5シリーズなどもあるため、本機に限った話ではありませんが、Xperia 1 VIでもZEISS T*コーティングの特製レンズを採用した高い撮影機能を持つカメラを搭載しているものの、それほど広い面積をとることなく背面側の隅に配置されており、ゲームアプリや動画コンテンツなどを本体横向きにして楽しむときにもカメラ部分の存在を強く意識することなくコンテンツに集中しやすいように感じました。
もちろん、カメラ特化モデルなスマホの場合は強い存在感を放つ大きめのカメラユニット部が満足感を与えてくれることもあるので、この観点についての良し悪しは個人差があるかもしれません。またハイエンドモデルだけあって撮影機能は高く、超広角・広角・望遠の3つのレンズで日常風景からオブジェクト、夜景なども手軽に撮影できます。例としてXperia 1 VIにて撮影した写真と動画の作例をご用意いたしました。設定は特にいじらずにオートモードのみ、動画はオート設定で手持ちで撮っています。
動画の作例。120fpsで撮影しているため手ブレ機能がオフになっています
〇テレマクロ撮影機能が楽しい
Xperia 1 VIには新たにテレマクロ撮影(ズームレンズを使用した接写)機能があり、撮影対象に近い距離に寄りながらさらにズームで拡大して撮影ができるというもので、通常のマクロ撮影よりもさらに対象を大きく撮ることができます。テレマクロ撮影は近くなればなるほど、ピントのズレやボケが発生しやすくなりますが、いろいろと試すのが楽しく、物撮りがより好きになれるような気がしています。
なお、SIMフリーモデルのメーカー版はこれまでのXperiaシリーズと同様にシャッター音を無効化できるため、Xperiaシリーズでは元々のシャッター音もそれほど大きくないですが、動物を撮ったり、レストランなどで物音を立てたくない時のメシテロ敢行にも役立ちます。
〇貴重な貴重な(ほぼ)全部入りフラグシップ
ここ最近にリリースされている特にミッドハイレンジモデル以上のスペックが高めのAndroidスマホにおいては3.5mmイヤホンマイク端子やmicroSDカードなどの外部ストレージスロットがないものが増えてきており、日本国内向けに発売された最上位クラスのAndroidスマホにおいては直近ではXperiaやシャープの「AQUOS」くらいしかありませんでしたが、2024年前半の今シーズンにおいてはそのうちのAQUOSではハイエンド級のフラグシップスマホの最上位モデルのスマホのリリースが見送られており、さらに付け加えて今年発売のミッドハイレンジ級のフラッグシップスマホである「[[AQUOS R9]]」には3.5mmイヤホンマイク端子がなく、今となっては少数派となっているかもしれませんが、最上位モデルでこれらの両方を備えている製品を必要としている人には厳しい状況となっています。
そんな中においてXperia 1 VIはハイレゾ対応の3.5mmイヤホンマイク端子とmicroSDXCカードスロットを引き続いて搭載しているため、これらを重要視する人にとっては他に選択肢がないくらいの状況になっています。特に動画撮影機能をモリモリ使う人であれば、Xperia 1 IVの場合、4K解像度のフレームレート120fpsで動画を撮影すると2分ほどの動画で約2.1GBほどのサイズになってしまうので、Xperia 1 VIの内蔵ストレージではメーカー版限定の512GBストレージでも足りなくなる人もいるかと思われます。
そのため、筆者は子供がいると動画の撮影機会が増えるという理由もありますが、動画ファイルを退避・直接録画できるようにするため、256GB(V60規格)のmicroSDXCカードをセットしています。横道に逸れましたが、ハイエンド級のフラグシップスマホとしてXperia 1 VIにないのは外部画面出力時にパソコン(PC)のようなデスクトップ画面を表示するモード(画面の外部出力のみは可)とFMラジオチューナーがないくらいで、このクラスのハイエンド機として他の機能がひと通り揃っているのも筆者がXperia 1 VIを数年ぶりに選んだ理由になりました。
〇落ち着きの中に熱情が光る素晴らしいレッド
筆者がXperia 1 VI XQ-EC44の購入を決めた最大の理由は前回の記事でもお伝えしまいたが、本体色に素晴らしいレッド系のスカーレッドがあるためです。個人的な趣味の世界になってしまって大変恐縮ではあるのですが、実は筆者は「赤いガジェットが好きすぎて、愛おしくて、たまらないという嗜好」でございまして、これまでも赤い本体色のスマホなどのガジェットが出ると特に意識することなく購入していたりします。
時期的に「ハイエンドモデルなスマホの購入を考えているとき」というタイミングで発表された今回のスカーレットカラーのXperia 1 VIは「まるで筆者の手に収まるために現れたのではないか」と思わずにはいられないものでした。今回発表されたスカーレット(緋色)も筆者の心を熱く篤く掴む本当に素晴らしいレッドカラーでした。今回はあまりにその赤っぷりが気に入ってしまい、本体購入後も別で注文していた本体カバーや画面保護フィルム、カメラカバーなどを一式そろえて装着するまでは、屋外へ持ち出すことも躊躇してしまうくらいでした。
そんな素晴らしいスカーレットなXperia 1 VIも筆者の「赤いガジェットのコレクション」に無事仲間入り。本機を新しく加えたコレクションたちを見てえびす顔を浮かべる筆者なのでした。
【まとめ】
最後に少しばかり横道に逸れてしまいましたが、今回のXperia 1 VIは日常使いやカメラ機能、そしてゲームアプリなど、何をやらせても十二分以上に使える「ライトユースからヘビーユースまで、今シーズンのAndroidの最上位モデルで迷ったらこれを選んどけば失敗しない」というくらいに薦められるスマホに仕上がっていると思います。Photography Proなどの撮影アプリがわかりやすいカメラアプリへ一本化され、画面もこれまでの縦長細身の4Kディスプレイから一般的なアスペクト比のFHD+ディスプレイへ変わり、「より凝った、使い込む楽しさの方向性のスマホ」から「幅広い人に選んでもらいやすく馴染みやすい最上位モデル」へと変貌したことで、多くの人の選択肢になりやすくなったのではないでしょうか。もちろんこれらの点ついてはこれまでの高い基本性能と尖った仕様を特徴としていた「攻めたスマホとしてのXperiaハイエンド」からは離れたという意味でもあるので、より高性能によりマニアックにという製品が好きな人ほどマイナス要素になりえる点でもありますけども。そんなことで、本体価格的にはちょーっとハードルを感じるかもしれませんが、バッテリーの連続駆動時間も4Kディスプレイをやめたことなどによって改善されていますし、WebブラウザーやSNSなどの日常的に使うアプリなどの普段使いも快適かつ素直に動いてくれ、ゲームアプリものプレイ体験も高水準と、筆者が個人的に思っていた以上に快適かつ、気持ちよくに使えるスマホだと思います。
ソニー
2024-08-23
記事執筆:河童丸
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